L→R  HYDE(Vo&Gu)、K.A.Z(Gu)

L→R  HYDE(Vo&Gu)、K.A.Z(Gu)

【VAMPS】このアルバムをもし他の誰
かが作ったとしたら嫉妬する

K.A.Z INTERVIEW

1枚でデイタイムからナイトタイムまで
対応できる

ついに完成しましたね。完成した作品を聴いてどんなアルバムになったと思います?

バリエーションに富んでる感じがしますね。同じアルバムでいいのかなっていうくらいの幅があると思います。1枚でデイタイムからナイトタイムまで対応できる感じもあって。どれもライヴ映えすると思うし、それぞれに違うかたちで盛り上がりそうだなとは思いますね。

やっぱりライヴはかなり意識されてましたか?

そうですね。2曲目「ZERO」とかは仮タイトルが“Dance”だったっていうところにも表われてますけど、すごく意識してましたね。聴いて一発でノレるものっていう。メタルが好きな人も、ジャズを聴いてるような人も、きっとどんなジャンルを好きな人でも、これはノレると思うんですよ。演奏した時の光景がすごく想像できるというか。

しかも、「ZERO」は今までのVAMPSとはずいぶん違った雰囲気の曲ですよね。オープニングの「REINCARNATION」から2曲目の「ZERO」にかけての流れがアルバム全体を新しい方向に持っていっている気がして。

デビュー曲の「LOVE ADDICT」を作ったのが2008年だからね。やっぱりここまでの間には聴いてる音楽も変わってきてるし、同じような曲を繰り返していても自分自身も飽きちゃうんですよ。もちろん、同じ人間が作ってるからテイスト的に似てる部分も出てくると思うし、逆にまるっきり同じものを作るのは無理なんだけど、でも音楽自体、制限がないものだから。ジャンルや曲調、何かしら自分なりの発見だったり、ちょっとしたフィルやコード進行で今までとはちょっと違うものを付けてみたり、そうやって変化していくんだと思うんだけどね。でも、制作は今回が一番大変でした。

オープニングの「REINCARNATION」からして、“お、今までにないものがきた!”ってワクワクする感じがありました。

こういうテイストも好きです。なんとなく動き始めるような雰囲気だったりとか。

キラキラしてますし。

うん。だけどめちゃくちゃ明るいって感じでもなく。なんて言うのかな、朝なんだけど靄がかかってる雰囲気というか。こういうインストが曲の始まる前にあってもいいかなと思って作ったんですけど。

アルバムの1曲目を意識して作ったわけではないんですか?

それはなかったです。例えば「SWEET DREAMS」をライヴでやる前に、ちょっとしたインタールード的な演奏が入るじゃないですか。ああいう雰囲気を想像してて。だから、これをどこに入れるか、どんなふうに聴かせるか、曲順を考えるのは難しかったと思うんですけど。でも、これが1曲目ということで結果的にロックをあんまり聴いたことのない人にも入りやすいものになったとは思います。ずっとVAMPSを聴いてくれてた人は、間違ってCD買っちゃった?って一瞬思うかもしれないけど(笑)。

続く「ZERO」の朗々とした高揚感も素晴らしいですよね。この曲こそ、朝靄の中、地平線から昇る朝日をイメージしました。

レコーディングの最終作業でミックスダウンをLAでやってる時も、移動の車で常にアルバムの音源は聴いてたんですけど、1曲目から2曲目の流れは特に風景と合っていて。走りながら大音量にして聴きたくなるような、躍動感というか鼓動感というか、力がみなぎる感じはすごくあります。でも、「ZERO」はすごくポップだからVAMPSには合わないかなって思ってたんですよ。実際にレコーディングに入ったらデモの雰囲気とは変わるだろうなとは思っていたんですけど、他の曲の並びからすると、ちょっと明るすぎるかなって。でも、この曲があったほうが面白いだろうなって。またVAMPSの違う側面が見えるだろうし。

あと、これはアルバムを通して感じたのですが、今回はよりデジタル的要素が増えてますよね。

そうですね、なんだかんだ言って増えてるかもしれない。だから、余計に1stアルバムとかと違いを感じるのかも。

それは意図してたことですか?

意図してというか、自分自身がそういう要素の入った音楽が好きだから。だから、特にそのへんは自然にやってる気がしますね。

ちなみに、特に苦労されたのはどの曲ですか?

う〜ん、全部かな(笑)。でも、5曲目「EVIL」はいいなって思うものができるまでにかなり時間はかかりましたね。他にもダークな感じの曲は作ってたんですけど、ダークすぎて“これ、使えねぇよ”っていう曲ができたりとか(笑)。ただ単に暗いんじゃなくて、どこかオシャレで今っぽい雰囲気のものを模索していったら、ようやくこの曲ができたんですよ。そういう意味では一番悩んだかな。ここに辿り着くまでの過程が長かった。

この曲に限らず、どの曲も1曲への詰め込み具合、構築具合がすごいですしね。

1曲に何日もかかってるし、そこはなかなかすんなりとはいかないもので。例えばバンドで“いちにのさん、はい!”でやったとしたらメンバー各自の色が合わさった曲になるんだろうけど、VAMPSはそれぞれがひとりで作ってるから自分のこだわりだったり、色だったり、もっとこうしたいっていうのが明確に出てくるんですよ。そこで妥協は許したくないから、余計に時間がかかるっていう。

このアルバムを作ったことによって、改めてVAMPSについて思うことはありますか?

たぶん、それはライヴをやったら思うのかなって。アルバムとしては曲が並んだけど、本番はこれからというか。レストランで言うとメニューは出来上がったわけですよね。厨房には料理も用意されていて。それをこれからお客さんに出していって、そこでの評価を受けてから思うことなのかなって。

ではK.A.ZさんにとってのVAMPSとは?

常に冒険ですよ。もちろん楽しいばっかりではないし、大変ばかりでもないし。バランスですよね。人生いろいろ(笑)。次は演歌、作っちゃったりして。

それは新しすぎます(笑)。HYDEさんとの関係性、パートナーシップに関してはいかがでしょう?

曲作りのスタンスとしては変わらず、お互いに好きなものを作るっていうね。それがVAMPSなのかなって思うんですよ。ふたりしてひとつの料理に同じスパイスをかけても面白くないじゃないですか。中には“え? それ、かけるの?”みたいなものがあっても面白いかもしれないし、そういうふうにやっていって今回の13曲が出来上がったわけで、こうして並んだ時にすごくバランスが良いんですよね。自分にないものをHYDEが持っていたりとか、そういうところでもバランスが取れてると思うし。まだまだ、これからが楽しみですよ。
『BLOODSUCKERS』2014年10月29日発売Virgin Music/Delicious Deli
    • 【初回限定盤A(Blu-ray付)】
    • UICV-9066 4860円
    • 【初回限定盤B(GOODS付)】
    • UICV-9068 10800円
    • ※豪華BOX仕様(LPサイズBOX)、Tシャツ、タオル、缶バッジ、ステッカーシート入り
    • 【通常盤(SHM-CD)】
    • UICV-6661 3240円
VAMPS プロフィール

ヴァンプス:2008年にHYDE(L'Arc〜en〜Ciel)とK.A.Z(Oblivion Dust)により結成されたロックユニット。全国のZeppを中心に連続公演を繰り広げる“籠城型ツアー”をはじめ、毎秋恒例のVAMPS主宰『HALLOWEEN PARTY』など、多彩なスタイルのライヴを展開。13年にレーベルをユニバーサルミュージックに移籍。海外レーベルSpinefarmと契約し、世界で2枚のアルバムをリリース。アジアを含む世界13カ国でのツアーを行ない、海外活動に関してはモトリー・クルーの事務所、10th STREET ENTERTAINMENTと契約。VAMPS オフィシャルHP
VAMPROSE

HYDE プロフィール

ご存知、L'Arc〜en〜Cielのヴォーカリスト。01年10月にソロ・シングル「evergreen」を自身のレーベル<HAUNTED RECORDS>より発表。02年3月には1stアルバム『ROENTGEN』をドロップ。同時に制作された、全編英語詞のインターナショナル盤も韓国・台湾などアジア各国でリリースされる。03年12月には2ndアルバム『666』をドロップ。3ピース編成によるソリッドなバンド・サウンドを軸に、どこまでも真っ直ぐに自らの“ロック”を聴き手に突きつけている。公式サイト(レーベル)

OBLIVION DUST プロフィール

オブリヴィオン・ダスト:1997年にシングル「SUCKER」でデビュー。オールドロックからグランジ、先鋭的インダストリアルまで、ありとあらゆるテイストを貪欲に吸収し噛み砕き、そして濃厚かつストレートに再構築。ゆえに、1度聴いただけで心奪われるほどの即効性を持っている。01年に解散するが、07年に復活ライヴを敢行。11年に約3年振りとなるワンマンライヴを行ない、本格的に活動を再開した。OBLIVION DUST オフィシャルHP

L’Arc〜en〜Ciel プロフィール

ジャパニーズ・ミュージック・シーンを代表する、名実ともにNo.1ロック・バンドだ。現メンバーはhyde(vo)、ken(g)、tetsuya(b)、yukihiro(dr)の4人。91年、現リーダーのtetsuyaを中心に結成。大阪を拠点に、ライヴ活動、オムニバス・アルバムへの参加を通して人気を定着させていく。93年には、1stアルバム『DUNE』を発表。インディーズながら好セールスを記録した。翌94年、<Ki/oon Records>よりビデオ・シングル『眠りによせて』にてメジャー・デビュー。

その後のメンバー交代劇をもろともせず、破竹の勢いでスターダムを駆け上がったのは、周知の通りであろう。ハード・ロック、ポジティヴ・パンク/UKギター・ロックを基調としたサウンドと、hydeによる美しくも儚い幻想的な詞世界が完全に融合し、高次元のポップ・ミュージックを形成。さらに、日本屈指のハイ・レヴェルな演奏は、楽曲の素晴らしさをビルド・アップさせるに至った。とくに、tetsuya特有のスライドを多用した流れるようなベース・ラインはサウンドの要である。時流に迎合することなく、いい意味で音楽的エゴに満ちたアーティスティックな楽曲を創出し、それらがチャートを席巻しているという事実は壮観である。L’Arc〜en〜Ciel オフィシャルHP

OKMusic編集部

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