音楽家・坂本龍一のドキュメンタリー
映画 - 5年に渡る密着取材とこれまで
の音楽的探究を追う

本作は、2012年から5年の長期間に渡る本人への密着取材、そして幼少からの膨大なアーカイブ素材から実現している。2014年患った大病を経て、過去の旅路を振り返りながら、新たな楽曲が誕生するまで、坂本龍一の音楽的探求に正面から向き合った作品だ。

2017年3月には、8年ぶりとなるオリジナル・アルバム(タイトル未定)のリリースも決定していいる。カメラは、その楽曲制作の現場に密着。アルバム制作の様子の一部始終を捉えた本作は、坂本龍一の最終楽章の始まりとしてスクリーン上で奏でられる。

坂本のこれまでの音楽的探究

1978年に『千のナイフ』でソロデビューし、同年に細野晴臣高橋幸宏イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成。散解後も、音楽・映画・出版・広告などメディアを越え活動してきた。1984年には、自ら出演し音楽を担当した『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞、映画『ラストエンペラー』の音楽で米アカデミー賞、グラミー賞ほか受賞。そして活動の中心を欧米に移行させた。彼の革新的なサウンドを追求する姿勢は、世界的評価を得てきた。

そして、世界に衝撃が走った2001年9月11日、米同時多発テロ。彼は、ニューヨークの自宅近くで起きた圧倒的な暴力、それが生み出す世界の不均衡と非対称を感じつつも、人間の暴力性の生物学的なルーツを追い求め、音楽の原点を探究したのだ。

そして3.11以後には、宮城県名取市で被災ピアノと出会った坂本。自然の猛威によって水に溺れたピアノの音を聞いて、坂本は「痛々しくてその鍵盤に触れるのも辛かった」と語っていた。しかし、今ではその壊れたピアノの音色がとても心地良く感じるという。時と共にその被災ピアノの「自然の調律」の音は、サンプリングを通じて作曲プロセスの一部となり、新たな表現へと生まれ変わった。

過去の坂本龍一の音への探求の描写が、積み重なるコラージュのように現在の坂本の作曲プロセスと見事に交差する。その一部始終を捉えた映像がスクリーンに映し出される。


【作品詳細】
『RYUICHI SAKAMOTO DOCUMENTARY PROJECT(仮題)』
公開時期:2017年11月、角川シネマ有楽町ほか全国公開
監督/プロデューサー:スティーブン・ノムラ・シブル
出演:坂本龍一
配給:KADOKAWA

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