「引退」や「解散」のタイミング:ド
ラァグクイーン・エスムラルダ連載8
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エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第80回 「引退」や「解散」のタイ
ミング

 年末ゆえか、なんだかいろいろなことが起こった、この一週間。
 ここでとりあげた人がらみの出来事だけでも、FNS歌謡祭に中山美穂が出演し、その容姿や歌唱力をめぐって賛否両論巻き起こったり(「相変わらず美しい」とか「劣化した」とか「18年ぶりに歌番組に出た割には上出来」とか「安定の不安定感」とか。価値観って、人によって本当に違うんだな、と再認識)、来年1月に沢尻エリカ主演の「大奥」が放送される、と報道されたり(米倉涼子主演分は、高部あい事件のせいで、結局お蔵入り?)、来年2月に、「五郎丸じゆうちょう」が発売される、と発表されたり(五郎丸さん、騒がれすぎで、マジで今後のプレーに影響が出ないか心配……)。

 一方、雑誌「婦人公論」は喜多嶋舞の独占インタビューを掲載。喜多嶋さん、イメージ回復を狙ったのかもしれないけど、あまりにもツッコミどころ多すぎ……。
 本心はともかく、一応「離婚の原因は私にもあります」的なことを言っておくなり、「恋多き女だった」ことだけは認めておくなりすればいいのに、全部大沢樹生のせいにしたり、DNA鑑定の結果を全否定したり、「大沢さんが初めてお付き合いした人」(どう考えても「初めて付き合った人=息子の父親は大沢」とはならないわよね。付き合ってから子どもが生まれるまで、何年もの月日が経ってるわけだし……)と言ってみたり。やっぱりアレかしら。訴訟社会・アメリカで育ったおかげで、「謝ったら負け」という価値観が徹底していらっしゃる……?(←偏見)
 でも最大のツッコミどころは「私は、芸能界を引退します」という、記事の大見出しよね。「芸能界を引退します」ったって喜多嶋さん、アンタここ数年、仕事らしい仕事……。

 とまあ、そんな「喜多嶋舞芸能界引退騒動」の陰(?)で、ウェンツ瑛士&小池徹平によるユニット「WaT」も、「来年2月に解散する」と発表。WaTに関しては、先週FNS歌謡祭に出演しているのを観て、「WaTって、まだ活動していたんだ?」と思ったばかりなので(WaTのお二人&ファンのみなさん、ごめんなさい)、「解散する」と知って、ちょっとだけびっくりしたわ。
 そうよ! 芸能人が仰々しく「引退」とか「解散」を発表するなら、絶頂期もしくは何らかの打ち上げ花火を上げたとき(FNS歌謡祭が「打ち上げ花火」に相当するかどうかが別として)にするべきよ! さもないと、世間から完全スルーされるか、冷笑されるのみ。そんなの、哀しすぎる……。

 ちなみに、おそらく多くのみなさんにとってはどうでもいいことだと思うけど、ドラァグクイーンの場合、「引退します!」と宣言したり「引退イベント」をやったりした人ほど、数年後にしれっと復帰するというジンクスがあるの。本気でやめる人は、ちあきなおみ先生や、先ごろ亡くなった原節子先生みたいに(って、並べるのもどうかと思うけど)、たいてい「事実上の引退」という形で、ひっそりと去っていくのよ。

 まあ、大々的に「引退宣言」をした人ほど復帰する割合が高いというのは、芸能界でも政界でも同じだけど、時間が経てば気持ちも状況も変わるし、人間なんてそうそう、自分で考えたり決めたりしたとおりには生きられないってことよね。大々的に「宣言」するってことは、そこまでしないと踏ん切りがつかないくらい、その立場なり仕事なりに思い入れや未練があるってことだろうし。
 そう考えると、人気絶頂のときに引退宣言をして、その後35年間、一度も復活していない山口百恵って、人間離れした意志の持ち主だと思うわ……。

 というわけで、今回、大々的に「引退宣言」をした喜多嶋さんは、おそらく数年後には何らかの形で、しれっと復帰するのではないか、と予想。
 なおアタシは、どこからもお声がかからなくなったら、静かにドラァグクイーンをやめるつもりだけど……。60とか70になって、老眼やらなんやらでメイクが思うようにできなくなっても(すでにその傾向あり)、意外とずるずる続けていそうで、それはそれで怖いわ!

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。
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