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【TOC インタビュー】
今までで一番やる気のある
ベスト盤かもしれない

Hilcrhymeのメジャーデビューから4年後、2013年にソロ活動をスタートさせたTOC(ティーオーシー)がソロ10周年を記念したベストアルバム『TOC THE BEST』をリリースする。まさにソロ活動の変遷を示した作品集であり、ファンのマストバイは当然として、“TOCをよく知らない”という人にもお薦めしたい一枚だ。

ライヴをイメージして曲を作って
アーティスト活動をしている

ベストアルバムというのはアーティストによってとらえ方が違っていて、わりと賛否が分かれるようにも思っているのですが、TOCさん自身はこの『TOC THE BEST』をどんなふうにとらえているのかをまず確認しておきたいです。

ソロは10年間やってきたんですが、最初はHilcrhymeに感じていた何か…初心に戻りたいこととか、何かいろいろと考えていたことがあって、それをかたちにしようと思ったのが“TOC”でした。始まりはそんな感じで、そこから、とにかくHilcrhymeでやっていないこと、Hilcrhymeでできないことを全部やろうと思ってインディーズから始めて、自主原盤でやったり、福岡に単身で行って1カ月半住み込んでアルバムを作ったりとかして。時間の使い方とかも含めてHilcrhymeでできないことをやってきたと思うし、本当に濃い10年間でしたね。特にインディーズの時は本当に濃かったと思いますね。この『TOC THE BEST』はそんな10年を一枚にしてみようという感覚でしたから、何の抵抗もなかったです。やっぱりベスト盤って普通の人が手に取りやすいと思うんですよ。TOCの活動はちょっとマニアックな部分もあったから、より一般の人にも手に取ってもらいたいってことで…何て言うかな? 今までで一番やる気のあるベスト盤かもしれない(笑)。

面白い言い方ですけど、めちゃくちゃ分かります(笑)。

やっぱり、ベスト盤は確かにテンションが上がらない時は上がらないんですよ。別に再録するわけでもないし、新たにやることって強いて言えばアートワークくらいなんですけど、今回は一番やる気があるっていうか(笑)、レコード会社と一体となって届けたい感じはありますね。

個人の感想を述べれば、私は『TOC THE BEST』の大肯定派です。これは今、出すべきベストアルバムだと思いますよ。10年の節目ともなるとマイルストーンといった言葉も使われると思いますが、本当にTOCソロの10年の歩みがよく分かる作品になっているのが第一印象でしたね。

そうですね。だから、時系列順に曲を入れています。

改めて訊きますが、このTOCとHilcrhymeとの違いをどのようにとらえていたんでしょうか?

HilcrhymeにはDJ KATSUというトラックメーカーが相方としていたから、TOCは“トラックメーカーをいろんな人に頼む”という明確な差別化ができていたし、リリックの内容とかもそうかな? かなりHilcrhymeとは違う感じだったんですけど、途中から意識してそこに差をつけることに違和感を感じてきて。無理して作っている感覚になってきたんですよ。それはヒップホップにおけるラップの考え方と違うし、いつからか本質的に間違っていると思ったんです。結局は同じ人が書いて同じ人が作っているから、TOCとHilcrhymeの作品内容は同じものになってくると思うんです。たぶん「過呼吸」(2016年8月発表のシングル)辺りからそれが如実に出てると思うんですけど、“これはHilcrhymeで出ていてもおかしくないよね?”とか、Hilcrhymeの作品でも“これはTOCであってもおかしくないよね?”っていうものがちらほら出てきたと思うんですよ。でも、“それはしょうがないな”と思えてきて、逆に“それでいい”と理解もできるようにもなって。で、その中でどう差をつけるかと言えば…ライヴかな?ライヴをイメージして曲を作ってアーティスト活動をしているので。今はDJ AGETETSUっていうバックDJがサポートでいてくれていて、彼とのライヴをイメージする中で“こういう演出と楽曲が必要だな”って考えて作っているから、今回の新録曲「パラソムニア」と「生きて」ができたりとか。Hilcrhymeもライヴをイメージして“こういうのが必要だ”とやっているけど、そこでの差はすごくありますね。楽曲単体だと“こういうのを作りたい”とか“こういうのを書きたい”っていうのはたぶん一緒なんですよね。でも、それぞれのライヴをイメージすると出来上がるものが違う。それぐらいかな? 差は。
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OKMusic編集部

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