『ダーティペア COMPLETE Blu-ray B
OX』発売記念!原作者・高千穂遙×松
本梨香(ケイ役)×國府田マリ子(ユ
リ役)座談会

スペースオペラの金字塔『ダーティペア』が、生誕40周年を記念して、Blu-ray BOX化され、『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』として12月18日(水)に発売される。こちらを記念して原作者の高千穂遙と、ダーティペアFLASHシリーズでケイ役・ユリ役を演じた松本梨香國府田マリ子の座談会が行われた。このメンバーでしか話せない当時の裏話は作品ファン必読の内容になっている。
『ダーティペアFLASH』 (c)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ
――「ダーティペアFLASH」の映像が流れる中での座談会スタートとなりました。
松本:わたし、声が全然変わってないですね(笑)
高千穂:それは立派なことですよ。本当に。
松本:確か、「『絶対無敵ライジンオー』の日向仁くんみたいにやって」って言われて。
高千穂:仁くんより、もう1~2歳年齢をあげた声にしてくれってお願いしたんじゃなかったかな。1~2歳単位で声を変えられますって言われて。
國府田:かっこいい~。
松本:ユリは、すごく可愛く演じてたね。
――キャスティングはどのような流れだったのでしょうか。
松本:オーディションあったっけ?
國府田:わたしは受けました。事務所から「『ダーティペア』って作品を知っていますか?」って聞かれて。姉が原作を全巻持っていて、それを読んで育っていたので、嬉しくてその日のうちにテープで…その当時は、まだテープだったんですけど(笑)セリフを録りました。
高千穂:梨香ちゃんについては、千葉さんからいろいろ素材をもらって聞いた中で、もうこの人!て決めたんだっけかな。でもユリの方は候補としてもらったテープの中に「これ!」って人がいなかったんだよね。それで、うちにあるアニメを次々に観ていって『おキヌちゃん』の声を聴いたときに「あ、この人!」って思ったんだ。
國府田:えぇ~!嬉しい。
『ダーティペア FLASH3』松本梨香が演じたケイ (c)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ
高千穂:ケイも、最初は女性っぽい声だったんだけどわたしが「少年の声で行く!」って主張して、セリフも全部書き直したの。
松本:そうなんですよ。女の人でちゃんと向き合ってやろうと準備して、現場に行ったら高千穂さんは…
高千穂:セリフを書き換えちゃってた。
松本:そうなの(笑)
高千穂:で、サンライズのプロデューサーがシナリオを読んで「まるっきり男じゃん!」って。わたしは『FLASH』のケイはこれでいいって思ってた。梨香ちゃんならできると確信してた。
松本:すごく悩みましたけどね。自分の小さいときを思い出してみたりしながら、ケイとは向き合ったなぁって。ただアクションがすごく多いアニメじゃないですか。収録のときに絵はほとんどない状態だったから、それも大変でした。
高千穂:できあがった絵をみたらバッチリだったけどね。もうケイもユリも完璧!
松本:そう言っていただけるとありがたいです。一生懸命にやったのと、あとはユリちゃんがすごく可愛い、まわりを振り回してるところとか、ぴったりの役だったので…。
國府田:それディスってんですか、褒めてんですか?
松本:褒めてるんだよ(笑)
國府田:えへへへへ。
松本:もう、こういうとこが全然変わってないな(笑)でもこういう二人の差がくっきり出て、きっと観てる方は楽しいだろうなって感じていました。
――音響監督の千葉耕市さんとの収録はいかがでしたか。
國府田:CDドラマで1ページ半に渡る長台詞があったんですけど、どうしてもOKが出なくて。普通なら「もういいよ」ってなっちゃうところを、千葉さんは何回もやらせてくださって。それでOKがでたその日に「最近どうだ?」って声をかけてもらって「今、自分がやっていることが正解なのか分かりません」ってお話をしたら、「自分は出来てる!と思ったときは終わりだ。そうやって迷って迷って、芝居に向き合っている方がよっぽどいい」って言ってくださったの。すごい愛情をもって指導してくださった。
松本:千葉さんはご自身も声優さんをやられていた方なので、表現のコツとか細かい描写の仕方を教えてくださったのが、本当に勉強になりました。
高千穂:全幅の信頼を寄せてたんで、千葉さんに音響監督を引き受けてもらえたらもうOKだと思ってた。
松本:千葉さんの演出は無条件に信じられたんですよね。
――当時は、各地でのイベントもよく開催されていましたね。
松本:あちこちいっぱい行ったね。
國府田:イベントといえば、北海道に行ったときのことをすごく覚えてる。梨香さんが「イクラ丼を食べないと梨香帰らない!」って言って、みんなで食べに行ったら、飛行機に乗れない時間になって…。
松本:あ!そう!タクシーで急いで空港に!
國府田:でもスタッフのみなさんは飛行機に間に合わなくて、千歳空港で一晩過ごしたの。
高千穂:すごい記憶力だ。
國府田:イベントは、いつも観てくれてる皆んなに直接会えるので、幸せでした。
――当時の収録でのエピソードはありますか。
高千穂:そういえば、梨香ちゃんが一生懸命説教をしていたのを思い出したよ。
松本:ああ!(笑)
國府田:えぇ!?お説教されたことないですよ。
高千穂:意識してないのか。
松本:説教というか、アドバイスをしてたね。
國府田:えぇ?
高千穂:馬耳東風だったのね。
松本:でもね、マリ子ちゃんは、ユリにぴったりだった。本当に自然でやってるなって。
國府田:二人の友情というか、愛情のなせる…
松本:そうそう、愛情がないと私もアドバイスは言わないと思うんだよ、マリちゃん。
國府田:わたしもそう思う。
松本:もう、ユリそのままじゃない(笑)
高千穂:まったく(笑)当時、ユリはだれにでも嫌われる子に演じてってお願いしたんだよね。
國府田:はい…。アニメ史上最悪のヒロインを目指してって。
松本:じゃあ「ぴったり」って言うのはかわいそうじゃないですか(笑)
『ダーティペア FLASH3』國府田マリ子が演じたユリ (c)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ
國府田:だから、ずっとディスってるのかなって。
松本:違う違う。
國府田:でも、自分の中ではユリはすごく可愛いと思ってて…。友達に居たら面白いじゃないですか。
高千穂:そう思ってやってくれてたならバッチリ。
松本:ナイスキャスティングだったんですね。
高千穂:うん。最初からそう思ってたんだけど、いざ収録に行って聞いたら「オレってなんて天才だろう」って思ったね。
國府田:うわぁ!嬉しい。
高千穂:『ダーティペア』はTVだから現場に口を出すとスケジュールに差し支えると思って遠慮したんだけど、『FLASH』はもう口をだしまくりで。久しぶりのアニメの現場でもあったから、楽しくてしょうがなかったんだよな。
國府田:現場に来てくださってたのがすごく嬉しかった。
松本:バップの人もそうだし、作品に対する愛を感じる現場でしたよね。いつも人がたくさんいるスタジオだった。
高千穂:あのときはもう「サトシくん」だったの?
松本:まだです。
高千穂:昨日、自転車ショップのオーナーに「明日はサトシくんと一緒なんだよ」って言ったら尊敬されちゃったよ。
松本:あははははは。
『ダーティペア FLASH3』ED「心で見つめてる」
『ダーティペア FLASH3』OP「本気にしないで」

――OPとEDの主題歌もお二人が歌われていましたよね。
高千穂:OVAなのにOPとEDが発売されてたんだよね。
松本:わぁ懐かしい細長いの!うわぁ今と全然違う!ほら!女を振りかざしてるころですねこのジャケット(「心で見つめてる」)は。なんかもうポーズが!やばい!
高千穂:こちら(「本気にしないで」)もずいぶんやばい(笑)
國府田:これ…カメラさんのリクエストですから…。
松本:なんだろう?いやいや、もう本当になんだろう?だって、もう見てみ?この写真。
國府田:え?綺麗ですよ。
松本:ブイブイ言わせてた時期だったんじゃないっすかね。
國府田:それ、掘り下げていいんですか?
松本:こう、髪の毛も長いし。
高千穂:それだけ言うと、この写真、使われるよ。
松本:あ…。いや、使おう使おう!残してもらった方がいい。
――最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。
國府田:観たあと気持ちがよくって、自分もこの世界に入れたらなぁと感じられる作品なので、是非観てください!そして続編が出るように皆さん、Getしてくださいね。
高千穂:わはははは。
國府田:お友達にも勧めてください!お願いします。
高千穂:この夏の日本SF大会で上映したら『FLASH』も面白いじゃないかって感想があってね。やっぱりOVAだから観てない人もけっこういて。今観てもよくできてるから、観たことのない人も、ある人も是非観て欲しい。
松本:今観ても全然古さを感じない作品ですよね。最初の『ダーティペア』があっての『FLASH』だけど、続編ではなくて、キャラ設定もビジュアルもメカも別なので『ダーティペアFLASH』という作品として是非観て欲しいです。最初の『ダーティペア』が好きだった人も、初めて観る人も、楽しんで欲しいなと。自分たちが参加した作品がこんな形で残るのも嬉しい。
高千穂:うん。出した当時、続編だと受け止められて「違うじゃないか!」という感想もあったんだけど、そもそも違う作品として出したので、そこは梨香ちゃんの言うとおり単体の作品として観てもらいたい。…バッチリまとまったね。
一同:爆笑

初回限定版特典の「WWWA公式プレミアムファイル」には、FLASHシリーズで監督を務めた須永司と望月智充のインタビューも収録。『ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX』で「ダーティペア」コンセプトの世界観を余すことなく楽しみたい。

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