東方神起

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「a-nation stadium fes. powered b
y ウイダーinゼリー」22万人が真夏の
祭典に熱狂!

新生a-nationも今年で2年目。8月3日~11日までの9日間、渋谷の街を大きく盛り上げた「a-nation island」に続いて、大阪・長居陸上競技場と東京・味の素スタジアムの2大スタジアムで豪華アーティストたちが競演する「a-nation stadium fes. powered by ウイダーinゼリー」が開催された。
「a-nation stadium fes. powered by ウイダーinゼリー」の東京公演初日となる8月31日は、girl next doorのハツラツとしたパフォーマンンスで幕を開けた。メンバー3人がステージ上を走り回り、会場の隅々までを激しく煽るとオーディエンスたちはそれに笑顔で応える。「Infinity」「Ready to be a lady」「ダダパラ!!」というアップリフティングなキラーチューンを並べた構成でフェスのスタートを最高の形で彩ってみせた。続くmoumoonは「summer time」や「Sunshine Girl」といった季節感にマッチする爽やかな楽曲で夏のワンシーンを心地よく演出。さらに後半ではボーカルのYUKAがエモーショナルな歌声を響かせるアッパーチューンをも披露し、ユニットとしての表現の幅をしっかりと見せつけてくれた。

シューティングアクトのmisonoがアカペラでの「tomorrow」などで絶品の歌唱力を披露した後は、Do As Infinityが登場。ロックなセッションからスタートし、バンドの実力を示す幅広い選曲で会場を熱くさせていく。ラストの「本日ハ晴天ナリ」では、ボーカルの伴都美子とギターの大渡亮の2人だけでイントロをプレイし、後半は演奏中に2人が肩を組むシーンも。そんなバンドの一体感が伝播し、会場も大きなひとつの塊となっていたのが印象的だ。「初めての大舞台、緊張します!」と言いながらも楽しそうに歌とダンスを見せてくれたのはシューティングアクトの剛力彩芽。それに続いて登場したKREVAは、バンドを従えたスタイルでスキルフルなラップを叩きつける貫禄のステージングを見せつつも、コミカルな話術を使い道化ることで観客たちとの壁を“イッサイガッサイ"取り払い、コール&レスポンスによって楽しい時間を創り上げていく。夏フェスの醍醐味は、“お目当て"だけではなく新たな出会いを楽しんでこそ。そんなまっすぐな思いを形にして、会場全体を巻き込んだ彼らしいアクトには大きな拍手を贈りたい。最高!

話題のナンバー「Baby I Love U」で会場をロックしたシューティングアクトのMIHIRO~マイロ~の後には、Every Little Thingがステージにあらわれた。「東京!」と叫び、右手を天に向けて突き上げた持田香織のテンションはしょっぱなから高く、右に左に疾走しながら懐かしのヒットチューンを次々とプレイしていく。今秋から放送されるドラマの主題歌となる「アクアマリンのままでいて」のカバーでは、陽が暮れかけた会場を埋め尽くすブルーの光るうちわが幻想的な景色を生み出していたのが強く心に残った。

オープニングのアタック映像で大歓声が巻き起こったのは、昨年に続いて2年連続の出演となったSUPER JUNIOR。ステージ上に8人がせり上がると、その歓声はさらに大きく膨れ上がる。キャッチーなリフを多用したサウンドと歌、そしてクセになるオリジナリティに満ちたダンスで、彼らにしか描き出せない最高の時間が生み出されていく。日本での1stアルバムのタイトルにもなっていた「Hero」では、テンポを落としたトラックの上で強いメッセージを込めた熱い歌を響かせる。その緩急つけた構成からは彼らの実力を改めて実感することができた。ラストには彼らの代表曲である「Sorry, Sorry」を配し、さらなる盛り上がりを演出。名残惜しそうに声を上げる観客たちに向かって「愛してるよー!」と叫んで圧巻のステージは終了した。

「今年も盛り上がっていくぞ!」というDJ KOOの一声でスタートしたのは、今年デビュー20周年を迎えたTRFのアクト。新旧織り交ぜた強力ナンバーの数々に、オーディエンスは否応なしに反応、大合唱が巻き起こる。a-nationのアンセムとも言える「CRAZY GONNA CRAZY」~「EZ DO DANCE」のメドレーでは、オーディエンス全員が手に持ったうちわを振り上げ、大きくジャンプ。ボーカル・YU-KIがうちわで自らを扇ぎながら歌うという微笑ましいワンシーンも。そんな楽しすぎるお祭り的光景は、まさに毎夏の風物詩とも言える。SAM、ETSU、CHIHARUが魅せるダンスも相変わらずのキレっぷりで、そのエンターテインメント性に溢れたステージはフェスのクライマックスを華々しく彩っていた。

会場中が赤いペンライトの光で染め上げられ、割れんばかりの歓声で迎え入れられたのはこの日トリを務めた東方神起。一瞬で異世界へと誘われる演出の素晴らしさはさることながら、他を圧倒するスケール感を持った彼ら自身のパフォーマンスにはやはり目を見張るものがある。強力なEDMからバラードまで、卓越した歌とダンスでしっかりと魅せていくスキルは伊達じゃない。「OCEAN」~「ウィーアー!」~「Summer Dream」のメドレーでは、特製トロッコに乗って会場を1周。そこにいるすべての人に思いをしっかりと届けんとする彼らの姿と、それをカラダ全体で受け止めんとする観客たち。スタジアムという広大な会場であっても、感情のやり取りがしっかりと行われているのが素晴らしかった。「今日はこれで終わりです」と最後の挨拶をした後、意表をついてラストチューン「Somebody To Love」が始まるという心憎い演出も。そこにいる全員がジャンプし、タオルを振り回し、最高の盛り上がりを見せる中、東京公演初日は幕を閉じた。

翌9月1日、東京公演2日目はAAAのライブからスタート。ステージ中央と左右に伸びた花道をめいっぱい使い、7人の個性が次々と炸裂するカラフルなパフォーマンスを見せる。「ウィーアー!」や「777」、「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」といったキラーチューンの連発に、会場はしょっぱなから大きく沸いた。その興奮を引き継いだのは、昨年に続いての参加となるソナーポケット。「月火水木金土日。~君に贈る歌~」「サマーデイズ!」といったアッパーチューンでライブアーティストとしての実力をしっかり見せつけた後には、彼らの真骨頂とも言える胸に染みるラブソングを。そのせつない歌に、会場には感動的な共感の渦が巻き起こっていた。

ハジける夏ソングをキュートに披露したSUPER☆GIRLSのシューティングアクトに続いて登場したのは、その圧倒的な歌唱力で絶大な支持を集めている女性シンガー、May J.。初夏にリリースされたカバーアルバムからの楽曲を丁寧に歌い上げ、心地よい風を熱い会場へと吹き込ませていく。後半、「Beautiful Days」や「RAINBOW」では一転、ステージを走り周るアクティブな一面も見せ、アーティストとしての多彩な魅力も伝えてくれた。その後は彼女の歌に導かれてファッションショーもスタート。小嶋陽菜(AKB48)や道端アンジェリカ、ダレノガレ明美、河北麻友子、加賀美セイラ、大屋夏南、菜々緒など人気モデルが多数参加し、会場を大きく盛り上げた。

シューティングアクトとしてDream5がフレッシュなパフォーマンスを見せた後は、m-floが圧巻のダンスチューンで会場をロックする。重厚なビートと洗練されたサウンドで構築される彼らならではの世界観によって、オーディエンスは心地よい非日常空間へとトリップさせられた気分になる。「She's So(Outta Control)」や「All I Want Is You」などではフィーチャリングボーカルとしてCREAMのMinamiが参加、極上の歌声で花を添える。また「CHANCE」ではDJの☆Takuがボーカルを披露する一幕も。ラスト「Lotta Love」では水着姿の女性ダンサーもあらわれ、夏フェスにふさわしい楽しい時間を演出してくれた。

「a-nation行くぜ!」という力強い一言で登場したのは倖田來未。ノリのいい「IS THIS TRAP?」で会場を一気に沸騰させた後は、来ていたTシャツを脱ぎ捨て、セクシーな衣装にチェンジ。「Boom Boom Boys」では艶っぽいパフォーマンスで魅了する。かと思えば続いての「Bling Bling Bling」ではロックっぽい表情を見せ、エンディングではドラムを激しく演奏する。他にも大ヒット曲「キューティーハニー」や、美しいバラード「愛のうた」なども披露され、この日のセットリストは多彩な持ち味を一気に堪能できる贅沢なフェス仕様となっていた。また、中盤ではステージ中央のポップアップから渡辺直美があらわれ「愛のうた」をワンコーラス歌うサプライズも。その後にはアンジャッシュの渡部建も登場。実はこれCX系テレビ番組「10匹のコブタちゃん」とのコラボ企画で、ラストの「Poppin' love cocktail」では渡辺直美とハリセンボンの近藤春菜がダンサーとして参加する一幕へと繋がった。a-nationらしい嬉しいコラボに観客たちは大きな歓声を上げていた。

テーマカラーであるグリーンのペンライトが会場を埋め尽くす中、SHINeeが登場。スタンドマイクを使ったクールなパフォーマンスが印象的な1曲目「Dream Girl」から、スキルフルな歌とダンスで会場を熱く盛り上げていく。ヨーロッパ指向のサウンドは明らかにK-POPとは一線を画すもので、彼らのオリジナリティを強く感じさせる雰囲気がある。観る者を圧倒させる力強いアクトとは対照的に、MCで見せるキュートな表情のギャップも堪らない。「Sherlock」で幕を閉じたわずか6曲のライブではあったが、初参戦となるa-nationに彼らは確かな爪痕を残した。

大歓声の中、COMPLEXの「BE MY BABY」をバックにステージにあらわれたのは気志團だ。大所帯のダンサーやコーラスらとともに、1曲目「俺達には土曜日しかない」から大きく盛り上げていく。ノリのいい楽曲群に会場は揺れ、コーラスをみんなで一緒にシンガロング。とにかく楽しい。MCでボーカルの綾小路翔は「俺たちが浜崎あゆみ親衛隊の気志團だ! ayu姫が最高のテンションでやるために盛り上げに来たぜ!」と自分たちの役割を力強くアピール。出演者同士が自らのライブによって盛り上がりを紡いでいくというフェスのあり方を体現するその気概に胸打たれた。ラストのキラーチューン「One Night Carnival」の後、まだまだ物足りない翔やんは勝手にTRFの「BOY MEETS GIRL」をスタートさせる。会場には大合唱が巻き起こるが、スタッフによって強制終了(笑)。最後までエンターテインメントに徹した素晴らしいステージだった。

そんな最高のバトンを手渡され、今年のa-nationの大トリを務めたのは浜崎あゆみ。ダンサーを交えたドラマチックな演出を加えながら、楽曲に込めた思いを最大限に伝えていく。今年デビュー15周年を迎え、「TO BE」や「Moments」といった大ヒット曲を盛り込んだセットリストになっていたのが感慨深い。ある意味、その輝かしい歴史を辿る内容に、彼女が持つアーティストとしての稀有な才能を改めて叩きつけられた。サマーソングをまとめたメドレーでは、浴衣をモチーフにした衣装を着てトロッコに乗り込み会場を1周するという、a-nationではおなじみの光景も。観客たちはもちろん、浜崎自身も心底楽しそうで、その顔には終始、満面の笑みが浮かんでいた。「まだまだ行くぜ!」と「You&Me」で会場を大興奮させた後、ラストには大切な1曲「July 1st」を披露。5万人での♪ラララの大合唱により、感動的なエンディングを迎えた。

大盛況のうちに終了した今年のa-nation。「a-nation stadium fes. powered by ウイダーinゼリー」は大阪・東京の4公演で延べ22万人を動員。さらにチケットフリーで参加できるコミュニティエリアには合計8万人が来場した。8月3日~11日までの9日間、渋谷で開催された「a-nation island」の40万人と合わせれば、全体で70万人の動員を記録することとなった。前代未聞の規模で展開される夏の大型フェス、a-nationは今年の成功を糧に、来年もさらなるスケールアップを遂げた内容で楽しませてくれることになるに違いない――。
                            
取材・文/もりひでゆき

OKMusic編集部

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