【GLAY インタビュー】
今、GLAYはどういう方向へ
向かっているのか?
L→R HISASHI(Gu)、JIRO(Ba)、TERU(Vo)、TAKURO(Gu)
去る7月30日と31日、幕張メッセにてFC発足25周年記念ライヴツアー『GLAY LIVE TOUR 2022 ~We♡Happy Swing~ Vol.3 Presented by HAPPY SWING 25th Anniv.』を成功させたことも記憶に新しいGLAYからニューシングル「Only One,Only You」がアライバル。表題曲では全世界を覆う2022年の空気に対して、彼らならではのメッセージで警鐘を鳴らしている。通算60作目という節目に相応しい力作について、HISASHI(Gu)に訊いた。
TAKUROの好きなように
自由な感じで進めたほうがいいと思った
ニューシングル「Only One,Only You」は60作目のシングルという節目の作品です。この“60作目”という数字はどうとらえていますか?
今どうなんですかね、シングルという形式は? …という疑問から始まるんですよ、いつも(笑)。激動の1990年代を過ごしてきた僕らにとってシングルは“作法”としか言えないですよね。バンドを続けていく中での礼儀正しさというか。
数カ月に一度シングルを出さなきゃいけないという1990年代を過ごしてきたバンドにとっては、ある種の礼儀ということでしょうか?
そういうことです。古き良きしきたりみたいな。だから、シングルを出すということに関してまったく疑問がない。物理的なディスク、形に残るものをコレクションしているユーザーが多いという話も聞こえてくるので。
それを考えると、やはりパッケージソフトもしっかり出していきたいと。
はい。だから、ミュージックビデオを撮って、誰と一緒にジャケットを作るかとか、そういう一連のことに努力を惜しまない。それはもうGLAYのライフスタイルみたいなところですから、丁寧にやっていこうということです。
軽く調べたんですが、60作もシングルを出しているバンドって他になかなかいなくて。THE ALFEEは70作を超えていますけど、サザンオールスターズもB'zも50作くらいなので、60作の節目というのはGLAYが頑張ってきた証でもあるんでしょうね。
まぁ、1990年代に数を稼いでいましたからね(笑)。必然的に多くなるというところはあるんですけど、2000年以降はちゃんと自分たちならではのスタイルで出してきたと思うんですよ。健全なかたちで。
CDシングルもいろんな形式で出していますよね?
そうですね。最初は8センチでしたし、ビデオシングルもあったし、2枚同時発売もあったし、ジャケットが大きくなったりもしたし…あと、数曲入れた『G4』というシリーズも出してきたので。僕らとしてもGLAY史に残るちゃんとした作品として、例えば“2022年には「Only One,Only You」を出したよね”って振り返るきっかけにもなるんですよね。
それで言えば、「Only One,Only You」は相当に大きなマイルストーンになったのではないかと思います。まず確認したいのですが、TAKUROさんから「Only One,Only You」がバンドに上がってきたのはいつ頃なのでしょうか? アルバム『FREEDOM ONLY』(2021年10月発表)のあとですか?
TAKUROが作っているもので僕らが知らないものはいくらでもあって、『FREEDOM ONLY』で10年振りに開花した曲もあったりしたから、いつ頃にできたものかは分からないんだけど、メッセージを見る限り、今年の2月以降なのかなとは思いますね。
具体的に言えば、ロシアのウクライナ侵攻が始まった辺りですかね。
その頃ですね。『FREEDOM ONLY』のツアー(『GLAY ARENA TOUR 2021-2022 "FREEDOM ONLY"』)が終わったあと、いろんなお話があったのですぐに制作作業に入ったんですけど、その中の一曲でした。カップリングの「クロムノワール」は決め打ちでテレビ東京系『WBS ワールドビジネスサテライト』の曲として書いていて、「Only One,Only You」はそのあとで作ったのかな?
その時は60作目のシングル表題作になることは決まっていたんですか?
そういうことになるだろうなという感じだったと思います。
HISASHIさんのファーストインプレッションはどうでしたか?
『FREEDOM ONLY』もTAKUROのメッセージと世界観で綴られていましたし、GLAYの中ではこういう時期なんだろうと。そこで言うと、TAKUROの好きなように自由な感じで進めたほうがいいと思ったんですよ。バンド内も“言いたいこと、溜め込んでいることを全部、もうどんどん言ってください”みたいな雰囲気ではあって、「クロムノワール」と「Only One,Only You」は同一線上に並んでいましたね。
第一印象でリーダーが今かたちにしたいものが詰まった曲だと分かったわけですね。
そうです。コロナ禍ということもあったと思うんですけど、TAKUROはメンバーに早めに意図が伝わるように、最初から具体的な言葉を用意していましたね。“『007』”であったり、“Adele”であったり、そういうキーワードがあって。「HOWEVER」(1997年8月発表のシングル)の時もそうでしたね。
イメージを早めにメンバー内で共有するため、リーダーから具体的なキーワードが挙げられたと。
はい。なんかTAKUROは『007』がずっと好きで(笑)、彼の人生の中ではわりとキャパシティー的に大きな位置を占めていると思いますね。だから、必然的にその流れで“Adele”という方向性が出てきたと思う。
Adeleの「Skyfall」は『007』の主題歌でしたからね。あっ、そう考えると「Only One,Only You」ってタイトルも『007』っぽいかも!?(笑)
確かに(笑)。“Only”ってGLAYの曲にも多いし(笑)。
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出てきたものを純粋にぶつけてみるのが一番の答えアーティスト
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