田辺(誠一)画伯がモネを接待!? 新
作「モネ in JAPAN」に込められた思
いとは?

――「モネ展」のオフィシャルサポーターとして就任した今のお気持ちは?

「とにかく驚きましたね。まず最初に思ったのが『自分は何をすればいいんだろう?』って思いました」

――これだけ大量のモネの絵が日本にやってくるのは実に久しぶりです。

「そうですね。今回やってくる『印象、日の出』は彼の代表作なのでぜひ見てみたいです。『印象派』の流れを生み出し、当時の美術界に風穴を空けた作品でもあるので。あとは最晩年の作品『バラの小道、ジヴェルニー』もとても好きです。ジヴェルニーの地で家族と過ごした時間がこの作品には封じ込められていると思います」

――田辺さんは、普段どんな環境で絵を描いているんですか?

「僕は専用の部屋はなくてリビングの端っこで作業するのですが、同じ空間で妻や子どもがテレビを見ていたり、食事をしていたり、たまにそばに来て『面白いね』なんてコメントをしますね。部屋を汚さないように気をつけながら作業していますけど」

――奥さまの大塚寧々さんが別のインタビューで「楽しそうに描いている」とおっしゃっていました。

「楽しいですね……ただアクリル絵の具ってついたら全然落ちないんですよ。3月の寒い時期にお気に入りのコートを着て部屋のなかで描いていたとき、ついちゃったんですね。何やっても落ちない(笑)。すぐツナギを買いました」

――プロっぽいルックスですね。

「絵を描く人皆さん、エプロンやツナギ、白衣とか着ているんですね。ところがツナギを着た途端、全然汚れないんですよ。何している人なのかわからない(笑)」

――自動車整備の人かな?って(笑)。

「あるいは暴走族とか(笑)。自分で汚しました、手に絵の具つけてべったり塗りつけて。でも染みてきちゃって、結局、下に着用していた洋服が台無しになるという……」



――今回、「モネ展」のために新作「モネ in JAPAN」を描いていますがそこにはどんな思いを?

「モネは日本美術に傾倒していましたが、来日はしていないんですよね。だから日本に来たいんじゃないかな、という思いがあって。それで、もし来たら何を描きたいのかなと考えたら、やっぱり富士山だろうと。あとは彼が繰り返しモチーフにしていた睡蓮も描きたいだろうと。モネさん日本接待みたいな(笑)。どうやったらモネさんに楽しんでもらえるかな、との思いを込めました」

――帽子にはイニシャルの「M」が…。

「そうですね、なくしちゃうといけないので」

――(笑)。絵が俳優業にもたらす影響はありますか?

「はっきりとは言えないんですけど『何か前とは違うな』って感じるんです。何でしょうか……新しい表現方法を得たことによって何かが変わったというか。おそらく自分をMAXに表現できる絵が認められたことが、自信につながっているんでしょうね。俳優からちょっと離れてソロ活動(絵描き業)をしてみたら、グループ活動(俳優業)にもいい影響があったというか」

――以前、田辺さんは「絵はあくまで趣味」と言っていましたが、現在では絵本化や個展などの広がりを見せています。この状況をどうお考えですか?

「23歳のときに『俳優業しかしない』と決意してからは、ほかのことには手をつけないように心がけていたんですね。でも年齢もあるでしょうが、一度流れに乗ってみるのも楽しいかな、と思ったんです。昨年の11月にLINEスタンプを発売してから、様々なお仕事をいただいています」



――今回の「モネ展」もそうですが、面白い広がりですよね。

「不思議なものですね。想像もしていなかったですから。中学生のころに戻って当時の自分に教えてやりたいくらいです。『おい、お前。実は今、絵を描いているんだぞ』って」

――びっくりするでしょうね(笑)。

「『え? 何歳で?』『46歳』『え? 20代とか30代じゃないの!? 何それ? モラトリアム長くね?』って(笑)」

――今後、描いてみたい対象はありますか?

「風景や自然の写真は以前からよく撮っていたので、今度は絵として挑戦してみたいです。とはいえ『写実』は無理なので、自分の目で見て心で感じた通りに描いてみたいですね!」

マルモッタン・モネ美術館所蔵 『モネ展 ~「印象、日の出」から「睡蓮」まで~』は、9月19日から12月13日まで東京都美術館にて開催。

<関連サイト>
マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展|東京都美術館
田辺誠一オフィシャルブログ

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