[つりビット]アイドルと融合する“
シティ・ポップ” マーティ・フリー
ドマン★鋼鉄推薦盤

 先々週からお送りしている、「新アイドル戦国時代を切り開く、次世代アイドルたち」。続いては、つりビットを紹介しようと思います。

 つりビットは「釣りに打ち込むことを誓った少女たちで構成されるアイドルユニット」という、ちょっと企画モノっぽいニオいがするユニット。でも彼女たちがリリースしたシングル『踊ろよ、フィッシュ』にはボクも見事、釣り上げられてしまいました(笑)。

 知っている人も多いと思うんだけど、この曲は日本のポップス界の巨匠・山下達郎さんが80年代にヒットさせた大ヒットナンバー。それを1980年代後半っぽいシンセサイザーサウンドでリアレンジしている。

 一部のマニアは「至高のタツローサウンドを80年代風シンセでやるとは何ごとだ!」と言っているらしいけど、実はこの音、けっこう侮れないです。

 アレンジのベースになっているのは70年代の伝統的なディスコサウンドをシンセに置き換えたものなんだけど、曲の冒頭に登場するウィンドチャイム、タンバリンのベルなどのパーカッション類は、ボクが大好きなフィル・スペクター(60~70年代に活躍したプロデューサー)やブライアン・ウィルソン(ビーチボーイズのリーダー)らがよく使っていたもの。

 ウィンドチャイム、タンバリンのベルは、楽曲のちょっとした隠し味になる。こういう細かなところにもちゃんと神経が行き届いているんだよね、実は。

 ちなみに日本では山下達郎さんみたいなサウンドのことを“シティポップ”と呼ぶらしいんだけど、これ、最近のアイドル界でも少し流行してるよね? 大阪を中心に活動するEspecia、AeLL.の西恵利香のソロアルバム『unjuor』、元AKB48の星野みちるのアルバム『E・I・E・N VOYAGE』とかがそれに当てはまるらしい。

 80年代シティポップ+アイドルっていうスタイル、今後、要チェックかもしれない。

(構成・文/尾谷幸憲)Marty Friedman
マーティ・フリードマン
ギタリスト、プロデューサー。全米で1000万枚以上のCDを売ったヘヴィメタルバンド「メガデス」に在籍。2004年から日本の音楽シーンでも活躍。ももいろクローバーZ『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』への全面参加。ニューアルバム『インフェルノ』(ユニバーサル)が発売中。

新番組『アイドルお宝くじ』にナレーション出演中
<O.A.情報>
テレビ朝日/毎週金曜日 26:50~
BS朝日/毎週土曜日 26:30~
CSテレ朝チャンネル1/11月7日スタート・毎週金曜日 24:00~

月刊エンタメにて誌面版「マーティ・フリードマンのヘドバン★鋼鉄推薦盤[メタルレコメンド]を連載中!

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