ダンス新時代 〜職業「プロダンサー
」として生きる〜 FULLCAST RAISERZ
「KTR」

4年目を迎えた世界最高峰のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE」。その中で活躍するDリーガー達の激闘の日々や苦悩、そして思考や価値観に迫る“ダンス新時代 〜職業「プロダンサー」として生きる〜”をDewsが独占取材。D.LEAGUE 23-24シーズンを駆け抜ける全13チーム26名にフォーカスします。今回は23-24シーズンからFULLCAST RAISERZのディレクターに就任し次世代のKRUMP界を牽引するKTR氏に迫る。
まずはじめに、ダンスのキャリアについて教えてください。
18歳の時にダンスを始めました。愛媛県が地元なのですが、友達の影響で近所のダンススクールに通い、最初からKRUMPを習っていました。小中高と野球部でガッツリ野球少年でしたが高校野球を終えて、キックボクシングかダンスをやろうかなと思い、友達がダンスを習っていたのでダンスを選びました。今も、地元のKRUMPの師匠は凄く応援してくれています。それから就職をしたタイミングでダンスから離れるかなと思ったのですが、ダンスがやりたすぎて会社を辞めました(笑)。それからは、バイトをしながらダンスを続けていましたが、特に夢など何も考えずただひたすら踊っていましたね。そんな中、大阪のダンススクールに通っているタイミングで、前ディレクターのJUNさんから「東京に来ないか?」と、お声がけをいただき今に至ります。
これまでダンスを続けてこれた最大の理由は何だと思いますか?
“悔しさ”ですかね。ダンスじゃなくても、例えばキックボクシングでも正直何でも悔しい気持ちがあったら続けてこれたのかもしれません。ダンスだから味わえたこともあるかもしれないですけど。悔しい気持ちって結構貴重だと思うんですよね。今でもD.LEAGUEで負けたら悔しいですが、若い頃の悔しさって特別に感じます。あの時の悔しさが無かったらダンスは辞めていますね。「バトルで負けたら悔しい」その繰り返しでした。あとは、周りにいるFam(家族・仲間)のおかげですね。そう考えるとやっぱりダンスだから続けて来れたのだと思います。
今シーズンからディレクターになられたと思いますが、お話をいただいた時の心境を教えてください。
最初は本気にしてなく軽く受け流していました。ただ、本当に僕が次のディレクター候補だという話が現実化していく中で使命感が徐々に生まれました。やるしかないと覚悟をしたのですが、いざディレクターになっても、その覚悟とか使命みたいなものは正直置き去りになっていて、とにかく前ディレクターのJUNさんからの引継ぎをまずはしっかりやるということに集中をしていました。先のことを考えるより、今やることに精一杯でした。プレッシャーは当時より今の方がありますね。ラウンドを重ねるごとに実感がわいてきました。FULLCAST RAISERZはずっと凄いチームだと思っているんですが、それをさらに越えていくチームを作るために僕がディレクターになったと思っているので、そういう部分ではプレッシャーはありますね。
1stシーズンからチャンピオンシップ常連チームとして実力を示していますが、今シーズンのコンディションはいかがでしょうか?
僕たちはチャンピオンシップ常連と言われながらも、優勝を逃してきたんですよね。その悔しさがずっとあって、今シーズンこそは優勝をしたいとチーム全員で目標に掲げています。JUNさんからバトンを託されたからこそ、JUNさんに恩返しというか、結果をプレゼントしたいという気持ちがあります。JUNさんが居なくなったから成績が下がると思われるのが一番嫌なことですよね。「過去最強じゃん!」って思っていただけるようなチームにしたいと一人ひとりが思っています。
FULLCAST RAISERZの作品はKRUMPをレペゼンしつつ、様々なテーマやジャンルなどを取り入れKRUMPの表現の幅を拡張されている印象がありますが作品作りにおいて拘りを教えてください。
JUNさんの時からそうなのですがKRUMPだけの作品をやるのは当たり前なので、“観ている人を楽しませたい”ということを根底にいつも作品を作っています。「また新しいものを持ってきたな」という楽しみ方もあると思います。色々な価値観や振り幅を持って、作品として表現をしていきたいと思いますね。FULLCAST RAISERZの楽曲は自分たちの声が入ることもあり、メンバーでレコーディングをしに行ったりもします。入場曲も自分たちで作ってるんですよ。僕たちの場合はその方が個が伝えたいメッセージが伝わると思いますし、作品の幅も拡がるかなと思っています。
KRUMPの強みを教えてください。
僕たちのチームの母体はTwiggz Famのメンバーが中心になり結成されています。KRUMPはFamと言ういわゆる家族(仲間)という集団で絆を強く持ち活動をしているカルチャーがあるので、普段からよく一緒にいるんですよね。その団結力は強みだと思います。それに加え、パワー、パッション、エナジーなどを表現するジャンルがKRUMPの特徴なので、今生きているフラストレーションをぶつけて踊ることができるんですよね。もちろん、他のジャンルでも感情表現はできると思うのですが、KRUMPは怒りのダンスとも言うので、そういった感情の出し方は魅力があると思っています。
ご自身はD.LEAGUE以外にもバトルへの出場や審査員、ファッションモデルやアーティスト活動などもされ多彩なイメージがありますが、個人の夢や目標などについて教えてください。
そうですね、D.LEAGUEで活動をしながら外部の活動を並行して行うことは大変なこともありますが、良い相乗効果が生まれたり、自分自身の気分転換にもなったりするのでなるべくやりたいものはやるようにしています。例えば、RAG POUNDのファンの方が、D.LEAGUEに応援に来てくれたり、双方のフィールドを行き来してくれたりするんですよ。そういった面でも相乗効果があると思っています。あとは、道筋を見せていきたいという想いもあり“こういうダンサーとしての生き方もあるんだ”と誰かにとっての選択肢が増えたら嬉しいですね。とはいえ活動範囲を広げた分、どれも中途半端にはしたくは無いので、感謝をしながら、自分の使命だと思って頑張っています。
最後にD.LEAGUEを応援してくださる方々に一言お願いします。
新生FULLCAST RAISERZになり、初めてディレクターにもなり、大変なこともあるのですが、ファンのみなさんがたくさん応援してくださるので、それが原動力となり頑張ることができています。毎回、みなさんの日々のエネルギーになりたいと思い、僕たちはダンスを踊っています。KRUMPの爆発的なエネルギーのあるパフォーマンスを通じて「この人のダンスはスカっとするな」「元気になるな」など何でも良いのですが、プラスに影響があるといいなと思っています。あとは優勝をすることで、応援してくださる方々への恩返しができれば…と思っています。誰一人優勝以外は考えていないので、今シーズンこそ優勝を掴みに行きます。
KTR プロフィール

アーティスト

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