『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

QUBIT、
初ライブ『SHOWCASE #00』の
レポートが到着!

始まってみるまで、どんな内容になるのか予測不能なライヴだった。Daoko(Vo)、永井聖一(Gu)、鈴木正人(Ba)、網守将平(Key)、大井一彌(Dr)という、音楽的なルーツも世代もバラバラな5人が集結。

ファースト・アルバム『9BIT』は、5人の個性をシャッフルして奇跡的なバランスで構築したような唯一無二の世界を生み出していた。果たして、その世界がステージで再現できるのか。そんな興味と好奇心を抱いた観客で会場は満員。

場内の照明が消えるとどよめきが起こる。ステージ奥のスクリーンには、80年代のコンピューター・グラフィックを思わせる映像が映し出されるなかでメンバーが登場した。
『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

ステージに向かって左手から、永井、網守、Daoko、鈴木、大井と横並びでセッティング。ファッションはバラバラだが黒で統一されているところにバンド感を感じさせる。Daokoは中央にいながらも前には出ず、あくまでメンバーの一人といった佇まいだ。

そして、最初に披露したのが『9BIT』のオープニング曲「Big Mouth」。永井の強烈なギターのリフが口火を切って、そこからは急転直下の展開。寝起きにいきなりジェットコースターに乗せられたような衝撃にクラクラする。突然、こんな展開の早い曲に挑むバンドもすごいが、言葉数の多い歌詞を歌い、さらに語りのパートもあるDaokoも大変。曲の途中で演奏がピタっと止まって、「We Are Qubit!」とDaokoの挨拶がバッチリ決まる。そこから「G.A.D.」へと流れるのはアルバムと同じ。ラップと歌の境界で自由に遊ぶDaoko。

大井の荒々しくも性格無比なドラムに導かれてバンドはスピードを緩めず演奏を続け、メンバーがDaokoの歌に合いの手のように入れる「ダバダバ」スキャットが曲のアクセントになっている。
『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

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『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

そこから、「Fast Life」「Wonder World」とメロディー中心のポップなナンバーが続く。グルーヴはゆったりと心地良くなり、鈴木の太いベースが跳ねる「Wonder World」では、観客は手を叩きながら演奏に合わせて体を揺らす。

このあたりの曲はシティ・ポップ的な洗練も感じさせて、Daokoの歌声も伸びやかに映える。こういった曲が書けるのも、様々なセッションに参加して百戦錬磨のプレイヤーが集まったバンドだからこそで、曲の振り幅の大きさに驚かされる。
『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

そんななかで、空気をガラッと変えたのが「Distance Dance」だ。ゴシックな雰囲気を漂わせた曲でステージが照明で真紅に染まる。歌とラップのパートがある曲だが、歌のパートでも途中で表情が大きく変わる。それを一人で三役も四役もこなすように歌うDaokoの表現力も聴きどころ。彼女の歌声に合わせてバンドの演奏も変化して、まるでQUBIT劇場と呼びたくなるようなシアトリカルな世界。そこから突如お披露目となった新曲へ。前のめりのビートで突き進む曲で、バンドの演奏にサンプリングされたDaokoの声が幾重にも重なって高揚感を生み出していく。そこからDaokoのソロ作の「anima」へ。網守が提供した曲だが、変拍子の複雑な曲を生演奏でこなしていくバンドのキレまくった演奏は、まるでハイパー・フュージョンといった趣だ。
『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

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『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

そこから「Room Tour Complex」「Neon Diver」とDaokoのシンガーとしての魅力を引き出すようなメロウな曲が続いて観客をクールダウンさせた後、アルバムで最もポップに弾ける曲「Mr. Sonic」に突入。ステージのスクリーンでミュージック・ビデオの

アニメーションの映像が流れてフロアの熱気もさらに上昇。どこを取ってもハイライト、そんなテンションの高い曲だが、映像とシンクロさせることでさらに快感が増す。アウトロで派手なショルダーキーボードを持ち出して、永井と並んで弾きまくる網守の勇姿! そして、Daokoの力強いラップとマッシヴなビートがお祭り気分を生み出す「Beautiful Days」で観客を盛大に躍らせながらステージは幕を閉じた。
『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT

この日、バンドはアルバムの曲をすべて披露したが、どれも難易度が高いものばかり。2本のマイクを使い分けて歌ったDaokoの歌声もバンドの演奏も、一瞬でも集中力が切れたらアンサンブルは崩壊してしまう。その緊張感もあってかMCはなし。バンドは綱渡りのようなスリリングな演奏で全速力で駆け抜け、刻々と違う風景を見せてくれた。ライヴ時間はきっかり1時間。それでも物足りなさを感じさせない濃厚なパフォーマンス。新時代のモンスター登場! そんなインパクトに震えた初ライヴだった。
TEXT:村尾泰郎

<セットリスト>
『SHOWCASE #00』
2023年12月7日 at 代官山UNIT
M1. Quantum Overture
M2. Big Mouth
M3. G.A.D.
M4. Fast Life
M5. Wonder World
M6. Distance Dance
M7. (New Song)
M8. anima
M9. Room Tour Complex
M10. Neon Diver
M11. Mr. Sonic
M12. Beautiful Days
アルバム『9BIT』2023年11月22日(水)発売
    • 【初回盤】(CD+BD+封入特典)
    • COZB-2059~60/¥5,500(税込)
    • 初回盤封入特典:特製ステッカー2枚
    • 【通常盤】(CD)
    • COCB-54362/¥3,300(税込)
    • <収録曲>
    • ■CD
    • 1. Big Mouth
    • 2. G.A.D.
    • 3. Mr. Sonic
    • 4. Wonder World
    • 5. Distance Dance
    • 6. Fast Life (Album mix)
    • 7. Room Tour Complex
    • 8. Neon Diver
    • 9. Beautiful Days
    • ■Blu-ray
    • 「G.A.D.」MV
    • 「Fast Life」Official Audio
    •  
    • アルバム詳細:https://qubit.lnk.to/9bit
『SHOWCASE #00』2023年12月7日 at 代官山UNIT
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OKMusic編集部

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