【松下洸平 インタビュー】
自分の音楽的ルーツで大切にしている
“R&B”への敬意を込めて作った
俳優、ミュージシャンとして活躍中の松下洸平が昨年11月にリリースした初のフルアルバム『POINT TO POINT』に続いて、2年連続でフルアルバムを完成させた。自身のルーツと公言するR&Bへのリスペクトを込め、“R&ME”と命名された本作。先行シングル「ノンフィクション」をはじめ、バラエティーに富んだ内容となった新作への想いを語ってもらった。
改めて自分と音楽は
切っても切れない存在だと感じた
今回は“R&ME”というタイトルが印象的です。コンセプトにもつながっていると思いますが、由来を教えてください。
もともと僕の音楽のルーツがR&Bやソウルとかのブラックミュージックで、そういう音楽を聴いて育ってきたので、今回のアルバムにもそういうテイストの曲が多く入っていて。ジャンルにとらわれる必要はないと思いますが、R&Bというジャンルへの敬意を込めて“R&ME”と。あとは、楽曲を作っていく中で、改めて自分にとって音楽は切っても切れない存在だと感じたので、“リズムと自分”“音楽と自分”という意味のタイトルにしました。
前作『POINT TO POINT』から約1年で今作のリリースということなので、音楽活動も順調に進んでいる感じですね。
作り続けることが大切だと思っています。コンスタントにリリースして発表することで、俳優としてだけでなく、ミュージシャンとしての自分を知ってもらいたいと思っていて。大変なこともありますが、楽しみながらやっています。
前作を聴いて音楽的素養の広さを感じましたが、今回のアルバムを聴くと前作になかったタイプの曲が入っていたりして、より幅広さも感じました。
いろんなタイプの楽曲にチャレンジしたいと思っていて、バラエティーに富んだ内容になりました。
7月にリリースした「ノンフィクション」も前作と違う感じがあって、今回のアルバムにつながる最初の一手のように感じました。
「つよがり」(2021年8月発表のシングル)でデビューして、ミニアルバム、配信シングル、フルアルバム、全国ツアー、それとライヴを収録した映像作品のリリースまで一周させてもらったので、「ノンフィクション」は第2章というか、ここからまたいろんなことを経て、次のステップに行くための曲にしたかったんです。何気ない日常や些細な幸せを歌った曲ですけど、2周目のスタートは明るさを持った曲にしたかったので、キャッチーなメロを小倉しんこうさんに書いていただきつつ、自分の好きなサウンド感やジャンル性で仕上げたくて、アレンジャーとしてA.G.Oさんに入っていただきました。
作詞をご自身でされている曲でもありますし、第2章の始まりにぴったりですね。
ありがとうございます。「ノンフィクション」は内から出る想いを伝えたいと思ったので、自分で歌詞を書きました。それがあって、改めて今回アルバムで小倉さんとご一緒させていただいた1曲目の「君を想う」では、小倉さんの持っている繊細な、小倉さんにしか書けないラブソングを聴いてみたいというある種のファン心理から、作曲と合わせて作詞もお願いしました。「ノンフィクション」で一度ご一緒させてもらったのと、実際にお会いしていろんな話をしながら“小倉さんって普段こんなことを考えて音楽をされているんだな”とかお互いにいろいろと知れたので、そこも含めて信頼している部分が大きいです。
「君を想う」から「ノンフィクション」へというアルバム序盤の流れもすごく心地良く感じましたし、アルバムの1曲目はアルバムを印象づける曲でもあるので「君を想う」も重要な曲になりましたね。
はい。この曲でMVも撮影しました。曲のストーリーに沿った物語が展開されるMVになっていて、俳優の濱 正悟さん、清水くるみさんに主演いただいています。ドラマパート以外で僕も出ていますけど、こういうストーリー仕立てのMVはこれまでやってこなかったので、楽しんでもらえたら嬉しいです。
曲順はどのようにして決めたのでしょうか?
曲が出揃ったあと、最後に考えました。10曲目の「たんぽぽ」はラストにしたいと思っていて、曲のタイプ的に「君を想う」は1曲目がいいかなと。それを基準に2曲目以降を考えていきました。