松下洸平

松下洸平

【松下洸平 インタビュー】
自分の音楽的ルーツで大切にしている
“R&B”への敬意を込めて作った

「This is my love」は
今作での新しい挑戦と言える

さっき1曲目の「君を想う」の話が出たので、ラストの「たんぽぽ」についてもうかがいたいです。松下さんが作詞作曲をされていて、歌とピアノというシンプルな構成になっている曲ですよね。

はい。今年の夏くらいから花にまつわるお仕事が多くて。8月から9月にかけて『闇に咲く花』という舞台をやらせていただいて、その後、今放送されているドラマ『いちばんすきな花』へとつながっていきました。そういうのが続いたことで、自分も花にまつわる何かを作りたい気持ちになって、自分なりの“花”をテーマにした曲を書いたらこの曲ができました。以前からピアノ1本でやりたいと思っていたので、編曲をお願いしたハタヤテツヤさんに僕が作った簡易的なデモをお渡しして、“ハタヤさんのイメージで自由に弾いていただいて大丈夫です”とお伝えしたら、このようなアレンジになりました。本当に素晴らしすぎる演奏ですよね。レコーディングでは頭から最後まで通して弾かれていて。何度かトライされていましたが、ピアノだけという構成の曲なので流れを大切にしたいとおっしゃっていただいて、今のかたちになりました。

では、歌入れはどういうふうに?

普段のレコーディングはわりとブロックごとに録っていくことが多いんですけど、「たんぽぽ」に関してはハタヤさんのレコーディングを踏まえて、歌もできるだけ一連の流れで表現したいと思いました。“頭から最後まで一発で!”というふうにはいかなかったんですけど(笑)、1番だけ、2番だけというふうに大きくブロックに分けてツルッと歌いました。

ちなみに、たくさん花の種類がある中で、なぜたんぽぽを題材に選ばれたのですか?

なんでなんでしょうね?(笑) 《風に乗って彷徨う私の心は》という歌詞からイメージしたのがたんぽぽの綿毛で。綿毛は自分では咲く場所を選べないですけど、出会いと別れを繰り返して彷徨う人の心も一緒だなと。たんぽぽの綿毛のように彷徨いながら、悩みながら生きている人がたくさんいる…そういう想いで書き始めました。最終的に好きな人の側で咲ける、たんぽぽのような人でいたいと。

今回のアルバムの中で新しいチャレンジは?

チャレンジしたとなると「たんぽぽ」なんですけど、それ以外だと「This is my love」。R&Bってスイートなことを、何の恥ずかしげもなく言えるジャンルだと思っていて(笑)。遠回しな表現がいらないんですよ。“そんなスイートなこと、人に言う?”っていうような曲が多い。すごく歌い上げているんですけど、よくよく聴いたらそんなに大したこと言っていなかったりもして(笑)。“君が好きだ”“今夜君と一緒にいたい”みたいなシンプルなことしか言っていないのに、めちゃくちゃ壮大に歌うじゃないですか。それがR&Bの好きなところでもあるので、僕もそれをやりたいと思って作ったのが「This is my love」なんです。

タイトルからもストレートにスイートな感じが伝わってきます。

ですよね(笑)。この曲もただ“君が好きだ”しか言っていないんですが、それで曲として成立しているし、R&Bらしさを活かせたと思います。こういうことを前作ではやっていないので、今作での新しい挑戦と言えるんじゃないかなと思います。

R&Bの良さを活かして直球で歌ったみたいな。

そうですね。こういう曲の時だけカッコつけられるというか。そこもR&Bの良さですね。ライヴでもこの曲だけはカッコつけて歌いたいと思います(笑)。

他の曲も含めて全10曲それぞれ違うアプローチで作られたと思いますので、聴いていると10の場面が浮かんでくる感じもありました。作家陣もいろんな方が参加されていますが、小倉さんのように2度目以上の方もいらしゃって。

そうですね。Mori Zentaroさん、UTAさん、Michael Kanekoさんもそうですし、2回目だからこそのスムーズなやりとりができたり、好きなものを分かり合えた上で作れたことで、前回よりも自由度が高まった気がします。どれも楽しくできました。

やってみて分かる部分もあるので、一度ご一緒したことで“次もまた一緒に作ってみたい”とか“次はさらにこんなことをやってみたい”とか思うこともあったのでは?

まさにそういう感じです。そういう中で、Shin Sakiuraさんはいつかご一緒したいと思っていて、今回初めてお願いすることができました。ビートメーカーとしても素晴らしいですけど、ギタリストとしてのShinさんがすごく好きなので、「Wake」は“Shinくんのギターで引っ張ってほしい”とオーダーしました。初対面ではありましたけど、共通の知り合いが多かったりするので初めてという感じがなく、すごくスムーズにレコーディングもできました。

OKMusic編集部

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