REPORT / Night Tempo × 写真家レス
リー・キー対談展示イベントで行われ
た世代を超えた対談、そしてDJプレイ
から浮かび上がるNight Tempoの表現
の核 展示イベントで行われた世代を
超えた対談、そしてDJプレイから浮か
び上がるNight Tempoの表現の核

Text by Yuki Kawasaki
Photo by Yuto Fukada(https://www.instagram.com/musicmagic3923/)

Night Tempo DJレポート – 「あの夏」の再定義 –

8月19日(土)から9月3日(日)まで、東京渋谷区はキャットストリートにあるX8 GALLERYにて、展示イベント『Music Time Travel~あの頃の夏へ~』が開催された。8月21日(月)には前日に『SUMMER SONIC 2023』に出演した韓国出身のDJ/プロデューサー・Night Tempoが登場。サマソニでの彼は、矢川葵(元Maison book girl)、市川美織(元AKB48 / NMB48)と共にレトロ・ポップ・ユニットを結成し、アップリフティングな4つ打ちでオーディエンスを踊らせていた。
夜のBEACH STAGEの喧騒とは打って変わって、この日は往年のシティポップをメロウに聴かせるラウンジ・セットのような内容のミックスを展開。月曜日の夕方にも関わらず100人ほど集まったゲストを前に、野口五郎の「グッドラック」や森川美穂の「ジャスミンを揺らさぬように」などを紡いでゆく。かと思えば、森高千里の「涙Good‐bye」や荻野目洋子の「キラー通りは毎日がパーティー」のような身体的グルーヴを感じるナンバーまで、“ラウンジ”の中で様々なサウンドスケープを表現していた。

DJを始める前に、彼は「今日は動画を撮るよりも音楽に集中してほしいです。良い曲だなと思ったらShazamして」と言っていたが、はっきりと起承転結を感じるサウンド・ジャーニーは、確かにそれぞれの楽曲に明確に役割を与えていたように思う。
“シティポップ”という枠組みにとらわれず、予てより彼は普遍的な音楽観で楽曲をセレクトし、プロデュースを行っていた。その感覚で、松本伊代の「ソリチュードにもたれて」や当山ひとみの「Kissしたい」などが紡がれてゆく。実にスペクタクル。

この日、写真家のレスリー・キー(Leslie Kee)と学生たちのコラボレーション展『夏の想い出の一枚』も同時開催されており、会場内には様々な夏の表象があった。その中のいくつかは留学生が撮った(あるいは描いた)と思われる作品が飾られていたが、奇しくもNight Tempoとも共振するような趣があったように感じる。幼少期から日本で生まれ育った人間の見方とは少し違うパースペクティブ、それがたまらなくスリリングな場合もある。
もうひとつの質問は筆者から。レポートで書いた、そもそもNight Tempoの音楽はシティポップの枠組みからはみ出ており、オルタナティブなダンス・ミュージックとしても解釈される余地があるのではないか。音楽の受容のされ方について、自身ではどう感じているのか。それら諸々を聞いた。彼の音楽を考える上で重要な答えが返ってきたので、以下にまとめる。

「僕の感覚としては、元々インターネットの電子音楽を作っていました。ジャンルに関して言うと、“シティポップ”を作ったことはないんです。DJでもシティポップを加工したダンス・ミュージックをかけているつもりで、クラシカルなハウスがベースになっています。80年代の音楽が好きで、音楽を作り続けてきたんですが、自分のスペクトラムは広がり続けている気がしますね。色々な楽曲を知るうちに、自分ができることが広がっている実感があります。『Neo Standard』は97年くらいまでの日本の音楽を参照しつつ、ガラージ・ハウスなどの要素をミックスして作りました。アルバムごとにジャンルというかコンセプトに関しては、今後も大きく変えてゆくつもりです」。
【リリース情報】

Night Tempo 『Neo Standard』

Release Date:2023.09.20 (Wed)
Label:Victor Entertainment
Tracklist:
1. Input
2. Structure Of Romance (feat. Kyoko Koizumi)
3. Passion (feat. Kaoru Akimoto)
4. Run Or Hide (feat. Marina Watanabe)
5. Shampoo (feat. Yu Hayami)
6. Live Once (feat. Anju Suzuki)
7. Ninna Nanna (feat. Miho Nakayama)
8. Needy Greedy (feat. BONNIE PINK)
9. New Romantic (feat. Maki Nomiya)
10. Silhouette (feat. Asako Toki)
11. One Love (feat. Hitomi Tohyama)
12. Output

作品形態:デジタル/CD/アナログ/カセット/ビクターオンラインストア盤(グッズ付属)
ゲスト・アーティスト:小泉今日子、秋元薫、渡辺満里奈早見優、鈴木杏樹、中山美穂、BONNIE PINK、野宮真貴土岐麻子、当山ひとみ


【イベント情報】

『The Night Tempo Show – Neo Standard』
2023年10月11日(水) at 東京・渋谷 Spotify O-EAST – ゲスト有り
2023年10月12日(木) at 東京・渋谷 Spotify O-EAST – ゲスト有り
2023年10月18日(水) at 愛知・名古屋 THE BOTTOM LINE
2023年10月19日(木) at 大阪・GORILLA HALL OSAKA
2023年10月21日(土) at 北九州・井筒屋パステルホール

※全公演にFANCYLABOが出演

問合せ: SMASH(https://smash-jpn.com)

■ Night Tempo オフィシャル・サイト(https://nighttempo.com)
Text by Yuki Kawasaki
Photo by Yuto Fukada(https://www.instagram.com/musicmagic3923/)

Night Tempo DJレポート – 「あの夏」の再定義 –

8月19日(土)から9月3日(日)まで、東京渋谷区はキャットストリートにあるX8 GALLERYにて、展示イベント『Music Time Travel~あの頃の夏へ~』が開催された。8月21日(月)には前日に『SUMMER SONIC 2023』に出演した韓国出身のDJ/プロデューサー・Night Tempoが登場。サマソニでの彼は、矢川葵(元Maison book girl)、市川美織(元AKB48 / NMB48)と共にレトロ・ポップ・ユニットを結成し、アップリフティングな4つ打ちでオーディエンスを踊らせていた。
夜のBEACH STAGEの喧騒とは打って変わって、この日は往年のシティポップをメロウに聴かせるラウンジ・セットのような内容のミックスを展開。月曜日の夕方にも関わらず100人ほど集まったゲストを前に、野口五郎の「グッドラック」や森川美穂の「ジャスミンを揺らさぬように」などを紡いでゆく。かと思えば、森高千里の「涙Good‐bye」や荻野目洋子の「キラー通りは毎日がパーティー」のような身体的グルーヴを感じるナンバーまで、“ラウンジ”の中で様々なサウンドスケープを表現していた。

DJを始める前に、彼は「今日は動画を撮るよりも音楽に集中してほしいです。良い曲だなと思ったらShazamして」と言っていたが、はっきりと起承転結を感じるサウンド・ジャーニーは、確かにそれぞれの楽曲に明確に役割を与えていたように思う。
“シティポップ”という枠組みにとらわれず、予てより彼は普遍的な音楽観で楽曲をセレクトし、プロデュースを行っていた。その感覚で、松本伊代の「ソリチュードにもたれて」や当山ひとみの「Kissしたい」などが紡がれてゆく。実にスペクタクル。

この日、写真家のレスリー・キー(Leslie Kee)と学生たちのコラボレーション展『夏の想い出の一枚』も同時開催されており、会場内には様々な夏の表象があった。その中のいくつかは留学生が撮った(あるいは描いた)と思われる作品が飾られていたが、奇しくもNight Tempoとも共振するような趣があったように感じる。幼少期から日本で生まれ育った人間の見方とは少し違うパースペクティブ、それがたまらなくスリリングな場合もある。
もうひとつの質問は筆者から。レポートで書いた、そもそもNight Tempoの音楽はシティポップの枠組みからはみ出ており、オルタナティブなダンス・ミュージックとしても解釈される余地があるのではないか。音楽の受容のされ方について、自身ではどう感じているのか。それら諸々を聞いた。彼の音楽を考える上で重要な答えが返ってきたので、以下にまとめる。

「僕の感覚としては、元々インターネットの電子音楽を作っていました。ジャンルに関して言うと、“シティポップ”を作ったことはないんです。DJでもシティポップを加工したダンス・ミュージックをかけているつもりで、クラシカルなハウスがベースになっています。80年代の音楽が好きで、音楽を作り続けてきたんですが、自分のスペクトラムは広がり続けている気がしますね。色々な楽曲を知るうちに、自分ができることが広がっている実感があります。『Neo Standard』は97年くらいまでの日本の音楽を参照しつつ、ガラージ・ハウスなどの要素をミックスして作りました。アルバムごとにジャンルというかコンセプトに関しては、今後も大きく変えてゆくつもりです」。
【リリース情報】

Night Tempo 『Neo Standard』

Release Date:2023.09.20 (Wed)
Label:Victor Entertainment
Tracklist:
1. Input
2. Structure Of Romance (feat. Kyoko Koizumi)
3. Passion (feat. Kaoru Akimoto)
4. Run Or Hide (feat. Marina Watanabe)
5. Shampoo (feat. Yu Hayami)
6. Live Once (feat. Anju Suzuki)
7. Ninna Nanna (feat. Miho Nakayama)
8. Needy Greedy (feat. BONNIE PINK)
9. New Romantic (feat. Maki Nomiya)
10. Silhouette (feat. Asako Toki)
11. One Love (feat. Hitomi Tohyama)
12. Output

作品形態:デジタル/CD/アナログ/カセット/ビクターオンラインストア盤(グッズ付属)
ゲスト・アーティスト:小泉今日子、秋元薫、渡辺満里奈、早見優、鈴木杏樹、中山美穂、BONNIE PINK、野宮真貴、土岐麻子、当山ひとみ


【イベント情報】

『The Night Tempo Show – Neo Standard』
2023年10月11日(水) at 東京・渋谷 Spotify O-EAST – ゲスト有り
2023年10月12日(木) at 東京・渋谷 Spotify O-EAST – ゲスト有り
2023年10月18日(水) at 愛知・名古屋 THE BOTTOM LINE
2023年10月19日(木) at 大阪・GORILLA HALL OSAKA
2023年10月21日(土) at 北九州・井筒屋パステルホール

※全公演にFANCYLABOが出演

問合せ: SMASH(https://smash-jpn.com)

■ Night Tempo オフィシャル・サイト(https://nighttempo.com)

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