東亰イメージ

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危険度MAX!観光客・上京キッズは要
注意!昼から酒飲む人間が集う東京の

治安が悪いので近づいてはいけない春が来た。梅が咲いて桜も咲いた。3月14日から個人の判断でマスクも外せることになった。すると街にはヤバい酔っ払いが溢れ出す。
東京観光を楽しみたい善男善女や、上京したてのキッズたちは興味津々で街の暗部を覗きたがるものだが、無知ゆえに尻子玉を抜かれるのは流石に哀れ。東京初心者が絶対に近づいてはいけない、酔っぱらいの街を紹介しよう。
上野
古くからの鉄道の要所として栄えた上野。
元闇市のアメヤ横丁を中心に、東側のコリアンタウンや、不忍池向こうの風俗街が発展、夜行列車で到着したばかりの東北人を騙す日雇い業者が跋扈しまくった犯罪多発地域でもある。
その頃に比べれば幾分治安も良くなったが、いまだ詐欺師・スリに遭遇した話は絶えないから恐ろしい。近年は駅至近、アメ横と垂直に交わる路地に、路上にはみだしてテーブルを並べる居酒屋が乱立。怪しい雰囲気に魅せられたミーハー観光客に混じって、初老の男女が年金を懐に多く引き寄せられている。
彼らは日が高いうちからプチぼったくられた挙げ句、上野公園で酔い覚まし中に財布をスられるまでがワンセット。新たな顔として増加中の現地色濃いアジア料理屋なども値段は概して高く、街ぐるみで客の財布を狙っている印象だ。
浅草
コロナ禍でインバウンドがストップし、息の根が止まりそうになった東京随一の観光スポット・浅草だが、今はもう観光客が溢れている。
駅から少し離れると場外馬券場から大量に吐き出された競馬ファンがフラフラ歩き、ヤクザ、ヤクザまがいがごっちゃに生息するデンジャラスゾーンに到達。小さく汚い居酒屋が軒を並べるホッピー通りは安酒を求める貧乏人のメッカとして知られるも近年はミーハー観光客に侵食され観光スポット化=ボッタクリエリア化が進んでおり、味はお粗末、店員の接客態度は最悪と、惨憺たる店が多い。
ホッピー通り以外に点在する立ち飲み屋なども、なんでわざわざ浅草まで来てこんなものを? と言いたくなる無個性な店ばかり。なのにこれらには無数の赤ら顔が連日集うのだから、浅草という街には、観光地という言葉を超えた独特の磁力が働いているのかもしれない。
赤羽
東京の北の玄関口にして、林家ペー・パー子が住んでいる街。場末を絵に描いたような歓楽街として長年知られていたが、スナックやキャバレーの類がどんどん潰れ、ここ10年くらいで住宅街として人気が上昇中だ。
とはいえ、まだまだ場末の遺伝子は抜けきっておらず、ハードコアとミーハーがマーブル模様で混在。貧困中年が100円の煮物をチビチビつまむ隣で、女子大生らが「ヤバ〜、安〜い」と400円の刺し身を食べたり、貧困老人がプルプル震えながら日本酒を流し込む横で、オラオラ中年男が若い女を連れて、「こんな怪しげな飲み屋に連れていっちゃうオレどうよ? ヤバない?」みたいなドヤ顔を晒すなど、目を覆いたくなるヒューマンドラマが繰り広げられている。
北千住
東京でもっとも所得が低い地域=足立区にある唯一の繁華街。
足立区民は、「他の街はともかく北千住だけはマジ本気で都会だし」と言いがちだが、そんなのは駅至近のみの話だし、駅からほど近い飲み屋横丁(飲み横)の猥雑さだって都内有数の汚らしさ。延々続く飲み屋の列から逃れようと道を逸れれば、歩行者がすれ違うことさえギリギリのヤバい区画に迷い込む。
この街で酒を飲んでいる人間はカタギのサラリーマンが多いが、いかにも元ガンコ職人といった風情の老人も相当数おり、健啖な雰囲気を発している。彼らがほろ酔いのままボロ自転車に跨がり足立区の奥地へとヨロヨロ走り去っていく様子はいかにも危なっかしいし、そもそも道路交通法違反である。
大井町
東京の南側、品川にほど近く、鉄道3線が交わる通勤の要所。劇団四季の劇場が設置されるなどするも再開発がいまいち進みきらず、駅周りには近代的なビルと戦後チックな飲み屋街が混在した風景が広がる。
集まる酒飲みたちは大井競馬場帰りのおっちゃんたちというよりは新橋サラリーマンと大差ない人種で、実はそこそこの収入があるくせに昭和の風情を残す飲み屋で「これこれ、こういうのが落ち着くんだよ」的なツラをする人間たち。そんな奴らが、店員を見下しながら酒を飲むんだから、場が荒れるのも当たり前。控えめに言って地獄だ。
中野
新宿から吉祥寺・三鷹方面へと伸びるJR中央線沿いには、高円寺や西荻窪などサブカルタウンがズラリと並び、奇っ怪な身なりをした職業不明のカルチャー野郎やバンドマンにも優しく接する中央線文化が濃厚。
そんななかでも中野は随一の巨大飲み屋街を擁し、昨今、大学キャンパスが乱立した関係もあって、沿線外からも汚い飲み方をするバカが大挙して集う。狭い通りを歩けば、バカ酔客だけでなくキャバクラやアジアンマッサージの客引きも多く、不快な思いをせずに移動するのは不可能だ。
小岩
都心と千葉県をつなぐJR総武線沿線に位置する小岩。発砲事件さえ発生する暴力事件多発地域にして都内最貧困地域のひとつで、街にはリサイクルショップが異様に多く、生活保護受給者が無気力に型落ちの電化製品を眺めている。
飲み屋にも、店員を介護職員と勘違いして延々喋りかける高齢者や、涙ポロポロDV被害をグチる女性が集合。「立ちション禁止」の張り紙が哀愁を誘う。
亀戸
外国人女性のお色気店やゴマキや円楽が不倫するラブホテルで知られるエロの街・錦糸町のお隣が、亀戸。ここが今、新進の飲み屋スポットとして発展、酒飲みたちの歓心を得ている。
確かに異様に安い立ち飲み屋が多く、路地裏には新鮮なホルモン屋も立ち並ぶ。錦糸町からも人が流れ、コロナ禍の間もリスクを無視して泥酔する老若男女の客だらけであった。ちなみに『こち亀』で知られる亀有とは別の街。
京成立石
「せんべろの聖地」として長年君臨し続ける京成立石。
関東近郊の酔っぱらいたちが憧れてやまないこの地には、確かに値段のわりに安く新鮮なツマミを出す店が集まっており、都心からのアクセスの悪さにもかかわらず大人気。平日は昼間から、わざわざ有給をとった酒飲みや、年金受給老人だらけだし、週末には赤ら顔の迷惑集団(しかも中高年ばかり)で駅前があふれかえる。
彼らは、奇跡的なほどに汚いまま残る街の風景を堪能しつつ、安酒に酔い、ギャーギャー騒ぎながら数店をホッピング。長年、そんな喧騒に晒されてきた付近住民はチラリとも目をやらずに無気力な面持ちで通り過ぎるだけ。

文/御手洗フジオ
初出/『実話BUNKA超タブー』2021年6月号

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