【ウォルピスカーター
インタビュー】
初めて“みなさんのリクエストに
応えよう!”という気持ちになった
投稿するのがとにかく楽しくて、
“これは生涯の趣味だな”と思っていた
なるほど。ウォルピスカーターとして最初の動画「【ウォルピス社】天ノ弱を歌ってみました【提供】」を投稿したのが2012年10月10日。10年後、プロの歌い手として活動している状況はイメージしていました?
全然していないです。当時は高校3年生で、友達と冗談半分で“プロになっちゃったらどうする?”“CDとかグッズとか作っちゃう?”みたいな話をしていたし、完全に夢物語だったので。で、気づいたらこうしてCDを出させてもらったり、タイアップもいただけるようになって…こういう状況はまったく想像できなかったですね。ただ、投稿するのがとにかく楽しくて、“これは生涯の趣味だな”と思っていたんですよ。高い声を出すっていう目標もできて、ずっと続けるだろうなと。
プロになるという自覚が出てきたのはいつ頃ですか?
明確になったのは、今の所属している事務所にお声がけいただいて、お金の話をした時ですね。最近はプロとアマチュアの差が曖昧ですけど、お金ってリアルじゃないですか(笑)。そこから責任感みたいなものも生まれましたね。
その後も歌うことの楽しさは変わらなかった?
変わらなかったですね。今は仕事の歌、趣味の歌が分かれている感じがあって…今回のアルバムのレコーディング中も、息抜きに別の曲の録音をしていたんですよ(笑)。
すごい! 「初音ミクの消失」の歌詞みたいに《かつて歌うこと/あんなに楽しかったのに》となることはなく?
まったくなかったですね(笑)。歌うことと相性が良かったのかな?
それが最大の強みなのかも。歌い手の存在もこの10年でしっかり浸透しましたが、その一翼を担っている感覚もあるのでは?
全然ないです(笑)。ここ数年、歌い手の認知度が上昇しているのは、歌い手の歌のうまさの基準が上がっていることが理由だと思っていて。Adoさんをはじめ、若くて歌唱力のある歌い手が次々と現れて、どんどんデビューしていくことで、みなさんの嫌悪感も薄れてきたというか。“歌い手”という言葉が蔑称として使われていたこともあったと思うんですよ。“歌が下手なのに人気だけはある”みたいな。今はうまい人ばかりだし、ようやく市民権を得られたのかなと。僕はただ高い声を出してるだけですが(笑)。
いやいや(笑)。全体的な歌のレベルが上がると、ヴォーカリストとしての個性がさらに大事になりますから。
そうですね。歌がうまいのが当たり前になると、テクニカルなことが没個性になってしまうこともあり得ると思っていて。声だけで認識できる、インパクトを与えられるのは確かに大事だと思います。僕もよく“声はいいよね”と言われるので(笑)。
10周年を迎えて、この先のビジョンも開けているのでは?
まずは10周年イヤーを盛り上げたいですね。このあともいろいろ企画しているし、楽しいお知らせもたくさん控えているので。それが終わった時にどういう気持ちに着地するのかを鑑みながら、新たにやりたいことを見つけて、育てていきたいと思っています。
取材:森 朋之
「Alice in 冷凍庫」MV
※2月22日 20:00〜プレミアム公開
Cover Album 『ひとのうた』
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