【ウォルピスカーター
インタビュー】
初めて“みなさんのリクエストに
応えよう!”という気持ちになった
いろんなジャンルの曲に
対応できるようになってきたのかなと
ここからは「ねぇ、どろどろさん」(作詞/作曲:YASUHIRO(康寛))、「ジャンキーナイトタウンオーケストラ」(作詞/作曲:すりぃ)、「煮沸消独」(作詞/作曲:ANGL) とアッパーな曲が続きます。ライヴのセットリストみたいな曲順ですね。
そうなんですけど、この曲順ってランキングどおりなんですよ。
えっ! そうなんですか!?
はい(笑)。1位から10位まで、そのまま並べています。いろいろ悩んだ結果、順番どおりにしました。「ねぇ、どろどろさん」は動画にして投稿したことがあるので、今回は再レコーディングですね。最初の音源は声が粗いというか、ザラついていて、今回のアルバムに収録するにあたって気になった部分を丁寧に歌い直しました。僕が思う、きれいなバージョンアップをやれたかなと。「ジャンキーナイトタウンオーケストラ」はポップにアウトローな感じを表現していて。それを高い声でやると、なかなかカッコ良くならないんですよね。ちょっと苦手意識もあったんですけど、歌っていて楽しかったし、達成感がありました。
「煮沸消独」はノスタルジックな旋律ですね。
日本っぽいというか、歌謡曲の感じですよね。もともとJ-POPも大好きなので、この曲も以前から歌いたかったんです。Aメロ、Bメロはやりたいように歌って、サビではひたすら苦しみました(笑)。どんどん高くなっていくし、後半はロングトーンが続くし。
10曲目の「ドナーソング」(作詞/作曲:大柴広己)は《あの日の君の出来事を 僕に代わらせてくれよ。》など、とにかく歌詞がすごくて。
そうですね。高い音って大きい声を出せばなんとかなるんですよ(笑)。でも、「ドナーソング」はそうじゃなくて、きちんと歌詞が聴こえないと成立しない。歌のうまさや声の高さよりも歌詞のメッセージ性、言葉の意味を届けないといけないので、かなり試行錯誤しました。“どう歌えば、みんながこの歌詞を受け止めてくれるだろう?”と聴き手の感情の動きを予想しながら歌ったところもありますね。
当然のことですが、楽曲によってアプローチが違うんですね。
そうですね。特に僕の場合、曲によって発声もかなり違うんですよ。曲ごとにアプローチを考えて、“こう歌おう”というイメージと実際に出した声のずれを埋めていくというか。それを続けてきた結果、いろんなジャンルの曲に対応できるようになってきたのかなと。
CDのみのボーナストラックの「初音ミクの消失」(作詞/作曲:cosMo@暴走P)についても聞かせてください。これはウォルピスカーターさんのセレクトだそうですが、マジで人間の限界に挑んでますね。
これは歌のうまさではなく、録音技術で成り立っている曲ですね。スタジオでレコーディングするんじゃなくて、自分で歌って、自分でディレクションして、自分で録音機器を操作しないと不可能です! どこでパンチインして、どこで切って、どこでブレスを入れるかをひとりで組み立てる“歌い手”だからやれたことだと思います。
関連ニュース