ウォルピスカーター

ウォルピスカーター

【ウォルピスカーター
インタビュー】
“分身”がテーマなので、
多種多様な曲が揃っている

快楽的なハイトーンヴォイスが特徴の“高音出したい系男子”ウォルピスカーターが2nd EP『分身 -Bunshin-』をリリース! 先行配信された「ニンジャライクニンジャ」(TVアニメ『ニンジャラ』EDテーマ)、自ら歌詞を手がけたリード曲「分身」、さらに“歌ってみた”楽曲を含む本作には、歌い手としてのさらなる進化が刻まれている。

“分身”はいろんな解釈ができる
便利な言葉

新作EP『分身-Bunshin-』が完成しました。前作の1st EP『Overseas Highway』(2021年5月発表)以来の作品ですが、この10カ月はどんな期間でしたか?

コロナ禍の影響がすごくあったじゃないですか。ライヴができなくなったり、一時期はレコーディングも密になるからやめたほうがいいという空気になって。ただ、僕の制作スタイルはもともと自宅でひとりで作業することが多かったので、それほど影響は受けなかったんです。家から出なくてもストレスを感じないタイプだし、そこは良かったのかなと。

むしろ、じっくり制作に取り組めた期間だったのかもしれないですね。そして、完成したEP『分身-Bunshin-』はウォルピスカーターさんの多彩なヴォーカルが楽しめる作品だなと。

ありがとうございます。「ニンジャライクニンジャ」を先に配信限定でリリースしたんですが、EP全体としてもコンセプトのある作品にしたくて。忍者っぽくて、いろいろな意味にとれる言葉を探して、“分身”というテーマを決めてから制作に入ったんです。何をやっても“それは分身なんで”って言える便利な言葉だなと(笑)。オリジナル4曲、カバー4曲という構成も分身感があるじゃないですか。

確かに! 「ニンジャライクニンジャ」がEDテーマのTVアニメ『ニンジャラ』は、忍者の末裔が主人公という。

はい。最初にアニメの設定やキャラクターなどの資料をいただいたので、忍者っぽくて明るくポップな曲にしたいと思ってナユタン星人さんにお願いしました。ナユタンさんからも“実は忍者をテーマにした曲を作りたかったんですよ!”とお返事をいただいて。

すごい偶然(笑)。「ニンジャライクニンジャ」は超アップテンポで、超ハイトーンヴォイスのアッパーチューンですね。

ぶっ飛んでいますよね(笑)。テンポも速いし、すげぇ高い声で歌っているし、情報としては相当すごいことになっていて。『ニンジャラ』は多くの方がかかわる大きいプロジェクトなので、デモ音源を送ったら“ここをこうしてほしい”みたいなことをアニメ側の方に言われるんじゃないかと勝手に思っていたんですよ。でも、実際は全然そんなことなくて、制作中も“いいですね!”って前向きな言葉をいただいたし、出来上がった曲も一発OKで。器が大きいなと思いました。

しかも、ウォルピスカーターさんの特徴がしっかり出ていて。このくらいの音程、得意ですよね?

はい。聴いていて気持ち良い高さだとは思います。あとで聴き直した時に、“うわー、高い声って気持ち良いな”と思える曲にしたいので。

なるほど。アニメ『ニンジャラ』は忍者の能力を活かしながらバトルを繰り広げる作品で、音楽に勝ち負けはないですが音楽シーンで戦っているような感覚もあるんでしょうか?

どうだろう? …僕は完全に“勝ち負け”で考えるタイプですけどね。若い頃はすごく反骨精神があったし、それは今も残っているし。他のアーティストと横並びで批評された時に、自分はどこが尖っていて、どこなら勝てるのかを考えるというか。ファン以外のリスナーにも“ウォルピスカーターにはこれがあるよね”と思われるような武器を持つということですね。

声質は間違いなく武器ですよね。他の人には絶対に真似できない。

ありがとうございます。僕の場合は全て独学なんですよ。全然正しい発声ではないし、間違っていることの集大成みたいなところがあるし。

そうなんですか!?

はい。ヴォイストレーナーさんについていただいてちゃんと練習すれば、きっともっときれいな発声になるはずなので。ただ、いいフォームや正しいフォームって、最終的に似てくるんですよ。間違ったフォームを個性だと思い込んでるのが僕です(笑)。こんなに茨の道だとは思わなかったけど。

他の歌い手を参考にできないし、ひとりで尽き詰めるしかないですからね。「ニンジャライクニンジャ」の反響はどうですか?

小さいお子さんも観ているアニメなので、“うちの子が口ずさんでます”みたいなコメントは嬉しいですね。面白かったのは“4歳の子供がオクターブ下で歌ってます”というコメントで。頑張って原曲キーで歌うように教えてあげてほしいです(笑)。

リード曲「分身」はウォルピスカーターさんが作詞を担当されているのですが、もちろん“分身”がテーマなんですよね?

そうなんですけど、書き始めた時は考えれば考えるほど分からなくなって…。結局、“何にもやる気がしない休日の自分”を歌詞にしてみました。そこが一番ファンのみなさんが想像している僕と現実の自分が乖離(かいり)しているところかなと。

外からのイメージとのギャップがあると。

はい。“歌ってみた”の投稿とかCDを出す活動をしているから、毎日精力的に活動していると思われているような気がして。毎日のように録音して、喉をケアして、食べものや飲みものに気をつけて、“歌ファースト”の日々を送っているというか。実際はそうじゃなくて、休日はダラダラしているし、予定がないと18時間ベッドの上でゴロゴロしているんで(笑)。“こんなことを考えてるんだ!?”と思いながら聴いてもらえたらいいなと。

「分身」のメロディーは高い音だけじゃなく、中音域もしっかり出ていますね。

そこに関しては作曲の神谷志龍くんが“ウォルピスカーターはもっと中音域を出したほうがいい”と判断して、このキーで作ってくれたみたいです。事前にそういう話はしていなくて、僕は特に意識せず歌っていたんですけどね(笑)。
ウォルピスカーター
EP『分身 -Bunshin-』

OKMusic編集部

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