【ザ・クロマニヨンズ リコメンド】
褪せないロックンロールの
魅力と斬新さが集積したアルバム
わずか2分40秒に凝縮されている
ワクワクするような興奮
カップリング曲は「さぼりたい」で、こちらの作詞作曲は真島昌利。曲中にいくつものブレイクを挟む独自のアレンジがこれまでにない新鮮さをもたらす楽曲であり、途中からレゲエをベースにしたダブ的なアプローチで作られていることが分かる仕組みになっている。異色作ではあるが、ライヴでどのように聴こえるのか楽しみな曲でもある。そして、今回はアルバムにMONO MIXで収録されている。
ザ・クロマニヨンズにしか
作り出せない世界が展開されていく
「暴走ジェリーロック」も勢いで圧倒する楽曲。タイトルを叫んで始まり、細かく散りばめられたコーラスが合いの手として効いていて、ライヴでも盛り上がること必至だ。ストレートなタイトルの「スボン」は真っ直ぐなのか? ひねくれているのか? さまざまなシチュエーションにズボンが登場する当たり前の光景なのに、こうして羅列すると妙にシュールに響き、だんだんとコミカルな内容に変化していく。爽快なサウンドも心地良い。タイトルだけでは何のことか分からない「カマキリ階段部長」も、ゆったりとしたテンポで歌詞をはっきりと歌い上げていくうちに、なぜか侘しさがつのる曲。音を埋め尽くさないアンサンブルで、聴き手に物語を想像する余地を与える。
「でんでんむし」はベースとドラムが中心となって疾走するイントロが高揚感を生む、アップテンポなナンバー。カマキリの次がでんでんむしというのは、意識しての曲順だろうか? マイナー調のメロディーの切迫感に導かれ、ギターソロ、ハーモニカソロもスリリングだ。やはりあの妖怪のことらしい「一反木綿」は、アコースティックギターの柔らかなタッチが印象的な、のどかでフォーク調の楽曲。高らかに歌い上げたり、アメリカンロックぽさを漂わせるメロディアスなギターソロもあるなど、程良く緊張感をほぐしてくれる曲だ。
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