ヴァイオリニスト・島田真千子インタ
ビュー「偉大な作曲家たちとの“2回
目の出会い”を感じながら」

サイトウキネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団などで広く活躍するヴァイオリニスト・島田真千子が、2022年11月5日(土)、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールでピアノの広瀬悦子とともにリサイタルを行う。
広瀬悦子 (c)Mich el Restany
島田は名古屋市出身。東京芸術大学附属音楽高等学校を経て、1998年東京芸術大学を首席で卒業。2002年、デトモルト音楽大学を最優秀の成績で卒業後は、2005年に同大学院にてドイツ国家演奏家資格を取得し6年間、ヨーロッパ各地で研鑽を積む。現在はセントラル愛知でソロコンサートマスターを務めるほか、愛知県立芸術大学などで後進の指導にも当たっている。大阪でのリサイタルは2020年に続き2回目となる。
「コロナ禍の真っただ中、2020年にデビュー20周年を迎えたことをきっかけに、大阪と名古屋の2つを拠点にしていければと思いザ・フェニックスホールでリサイタルを行いました。大阪で自分の名前が出るリサイタルは初めての経験でした」柔らかな口調で島田は語る。
もとより日本センチュリー交響楽団ほかへの客演や、いずみシンフォニエッタ大阪での演奏により関西との縁は深く、オーケストラ、室内楽、そしてソロとオールラウンドをこなすプレイヤーとして多くの実績を築いてきた。
「これまで長くバッハの無伴奏ソナタに夢中で、全曲リサイタルやCDの録音をしていたので、20周年を機にもう一度ピアノとのソナタに向き合いたいと思いました。それ以来、自分がその1年以内に演奏したオペラやバレエの作曲家のソナタを中心に選曲しています」プログラムについて島田はそう説明する。特にモーツァルトついては「人生で2回目の出会い」と呼べるほどの手応えを、今、感じているという。
「8月にサイトウキネン・オーケストラで『フィガロの結婚』を弾いたんですが、その前と後でモーツァルトへの理解がまったく変わりました。今はこんなにもモーツァルトの言葉がわかるようになったんだという喜びを感じています。もちろんこれまで半分以上の交響曲は弾いて来たし、経験は重ねてきたつもりですが、ひと夏『フィガロ』に集中的に取り組んだことで、以前には見えなかった景色が見えてきて、このソナタKV.454に対してもこれまでとは違う閃きが得られたような気がします。そんな喜びとともに演奏したいと思います」
その充実はプロコフィエフの第2番についても同様だ。この数年の間に2回、コンサートマスターとしてバレエ音楽『ロメオとジュリエット』の全幕を弾く経験をした。それにより作曲家全体への理解がかつてないほどに深まったという。自分でも驚くほどの進化に「演奏家としてまだこんな幸せが残っていたことに感謝」と言葉を弾ませる。
後半にはイザイとフランクを弾く。
「生誕200年のフランクと、その作品が捧げられたイザイの無伴奏を。プログラム全体に言えることなんですが、2020年のリサイタルが決まった時にまず思ったのが広瀬悦子さんのピアノで弾きたいな、ということでした。楽譜の存在を忘れてしまいそうになるほど、体の中から音楽が溢れている素晴らしいピアニスト。今度もご一緒できて幸せです。実は前回のリサイタルは新型コロナの第2波直後で、たくさんの方に声をかけることができませんでした。今回また、最高のピアニストと一緒に私自身の新しい音楽の学びをお届けできることとなり、とてもうれしく思っています。何気ない日常から少し離れてさまざまな感情や色彩が溢れる音楽の時間を、お客さまと一緒に過ごしたいと思っています」と語った。

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