初演キャストもパワーアップ! ミュ
ージカル『フィスト・オブ・ノースス
ター~北斗の拳~』ビジュアル撮影レ
ポート〈第二弾〉

2022年9月~10月、ミュージカル 『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』がかえってくる。昨年2021年末に世界初演。“ミュージカル”誌<2021年ミュージカル・ベストテン>において、オリジナルミュージカルでは第1位に輝く快挙を遂げた本作が、更なる進化を遂げて再演される。ビジュアル撮影レポート 第二弾が到着した。(編集部)
上川一哉/ジュウザ
上川一哉/ジュウザ
初参加の上川、衣裳姿でスタジオに現れると、おお!とスタッフから歓声が上がった。華がありどこか艶やか。「すごく似合ってます。これは絶対にモテます!」とプロデューサーが断言。版元スタッフも「色気がムンムン。すでにジュウザになっています」と感心した。上川は照れ臭そうにニッコリ。本当にみんなの言う通り。早くジュウザのソロ「ヴィーナスの森」を美女たちに囲まれながら歌ってください!とお願いしたいくらいだ。
上川がベルトに片手をかけて立つと、カメラマンが流し目をリクエスト。まさに少年漫画のようなビジュアルに、キラキラ感が増すからすごい。髪の両サイドを手のひらで、また人差し指で前髪を触ると、デザイナーが今度は「カメラを相手だと思って、セクシーダダ漏れください」。上川が視線をバチバチ送る。いやー、これ、観客は絶対にノックアウトされちゃうだろうなぁ。シルエット撮影もカッコいいの一言で、体幹の強さを感じさせた。
撮影後に上川はモニターをチェックしながら「アハハ!」と大笑いした。「実はとても緊張しちゃって」と、本心を吐露。カメラマンも一緒に見返しながら、「全くそうは見えなかったけど?一枚一枚にドラマがあるよね」としみじみ。本番でも素晴らしいドラマを見せてくれるだろう。新ジュウザ、恐るべし!
上川一哉/ジュウザ
伊礼彼方/ジュウザ
伊礼彼方/ジュウザ
伊礼の今回の出演はジュウザの一役。彼のジュウザはモテモテの色男、快活なソロナンバー「ヴィーナスの森」で客席を湧かせていたことは記憶に新しい。「ジュウザ、再びですね」と伊礼に声をかけると、「頑張らなきゃね!」と意欲を見せた。スタジオのBGMにも「ヴィーナスの森」がかかると、「キタキタ!」と伊礼はカメラの前に立った。ベストから伸びる筋肉隆々とした腕に、自信が満ちているようだ。
リクエストに応えてどんどん表情とポーズを変えながら挑んでいく伊礼。カメラマンから「色気ください!」「流し目!よりセクシーに!」と求められる一方で、「クールに思い切り強く!」「遠くを見て何かを想う」など、実に振り幅の広いキャラクターだということがよくわかる。ポーズにしても、他のキャラクターは使う技が決まっているが、「ジュウザは我流の拳だから、何でもありなんだよね」と伊礼。その言葉通り、構え、派手な蹴り、自由奔放に伊礼は動いた。モニターを見ると、その迫力、ライブ感、シズル感が写真にそのまま収められていて、思わず唸ってしまう。
伊礼はこの作品に関わってからずっと、日々の筋トレを欠かさないそうだ。俳優の中にキャラクターは確実に宿り、成長する。伊礼はより進化したジュウザを見せてくれるに違いない。
伊礼彼方/ジュウザ
◆小西遼生/トキ
小西遼生/トキ
『フィスト〜』には初参加ながら既に太極拳の道場に通い柔拳の使い手であるトキの役作りにいそしんでいる小西。待ち時間には一人で太極拳の型を練習し、自らイメージを作っている様子。長髪にヘアバンド、髭というトキらしい扮装、小西に施すと凛々しさすら感じられる。ヘアメイク担当いわく、「トキは放射能に晒されているので、髪をあまりツヤツヤには見せたくない」。よく見ると小西の身体には汚しが入り、そんなところからもトキの生き様が伝わってくる。
小西は左の掌に右の拳を合わせ、北斗天帰掌のポーズをとった。カメラマンの掛け声とともにシャッターが連続で切られた。小西はいつしか憂いを帯び、ミステリアスな表情に。すでにトキという、静と柔を担う男を捉えているように見える。次もこれまた有名なポーズ、北斗有情破顔拳。小西はあぐらをかき、両腕を曲げて手のひらを正面にしたまま上に上げる。目をつむったその姿はまるで仏像のよう。シルエット撮影のために逆光の照明が当たると、スタジオにいた人々から「うわぁ」とため息が漏れた。闘う相手を苦しませない、トキの美しい精神が表れているようにも思える。
奇跡のような瞬間がカメラに収められ、小西も満足げだ。本番でもしっかり魅せてくれることだろう。
小西遼生/トキ
May’ n/ユリア
May’n/ユリア
清楚なドレスに身を包んだMay’ nがスタジオに現れると、ステキ!とスタッフ一同が息を呑んだ。高貴で奥ゆかしく、しかし芯の強さを感じられるMay’ nのユリアがそこにいた。
猛々しい男性陣とは打って変わって、女性らしくしっとりした雰囲気でMay’ nはカメラの前に立った。手を胸元で組む、顎の角度を変える、身体の向きを振るなど、繊細な動きでバリエーションをつけていく。何とも柔らかく心穏やかな表情に、「きれい〜」との声が。「May’ nさん、これまでにない表情。すでに慈母が出てる!」とプロデューサーが驚く。
より動きをつけた祈りのポーズでは、デザイナーが「空を見上げて、自分の運命を想ってください」。May’ nはうなずくと、美しい横顔で場を魅了した。まるで歌声が聴こえてくるような奇跡の一瞬が切り取られた。
撮影が進んだところで、デザイナーが「難しい注文ですが、May’ nさんならではのユリアのポーズ、お願いします」とちょっとした無茶振り。May’ nは少し考えて、「ユリアは常に待っているんですよ」と、手を前に伸ばしてみせた。「もう少し憂いがあったほうがいい?」など確認しながら、繊細に表情を作り込む。May’ nの凄さを目の当たりにするとともに、こんなユリアならみんなが好きになるのも納得だ。
May’n/ユリア
平原綾香/ユリア
平原綾香/ユリア
平原がドレスに身を包んで登場すると、「キレイね!」と男性陣はもちろんのこと、女性陣もうっとり。華というかオーラというか、まとっている空気が独特で、スタジオが一気にユリア色に染まったかのよう。しかし平原はまだ、冷静に見える。試し撮影をして細かくチェックしてから撮影に臨んだ。
カメラの前に立つと、平原はもうユリアそのものだ。気品があり、世界を全て許容し包み込むようなスケールの大きさと慈愛に溢れている。立ち姿を一通り撮ると、デザイナーが「美しいです。そのまま、横を向いて、前にある何かに手を伸ばすように」とリクエスト。平原がゆっくりと両手を前に伸ばすと、中世ヨーロッパの絵画のような奇跡的な一枚が!カメラマンが「このままシルエットを撮ります!照明、急いで!」とこの瞬間を一瞬たりとも逃さないとでも言うように、セッティングを変えた。逆光に浮かび上がる平原のシルエット。「これはマリア様だね。慈母そのもの」とプロデューサーが感動している。「鳥肌が立った」とデザイナー。モニターを見にきた平原は「慈母、出てた?」といつもの気さくな感じで、いやいや、カメラの前に立つと変貌する、その表現力はどこから?と聞きたくなった。平原ユリアが歌う「氷と炎」、また聴けると思うとワクワクが止まらない。
平原綾香/ユリア
大貫勇輔/ケンシロウ
大貫勇輔/ケンシロウ
待ってました!と主役の大貫がやってきた。ケンシロウは大貫でなければできないと言われているほどのハマり役。久しぶりの扮装姿だが、すっかり板についている。ご本人は「また闘いの日々が始まるんだね」と、熱く激しい舞台を思い出したよう。撮影の準備が進む中、大貫はスタジオの片隅で、おもむろに腕立て伏せを始めた。30回ほどやって一息。終わったかと思いきや、再びスタート。あまりに軽々とこなし、スッと立ち上がると何事もなかったかのようにスタッフと会話をしている。この強靭な肉体と精神が、この作品の要と言えるだろう。
いざ撮影。大貫がカメラの前に静謐に立っただけで、そこは世紀末、ケンシロウの世界になった。身体を左右に振る、重心を変えるなど、大きく動かずとも力がみなぎる。デザイナーに「ポーズはお任せします」と言われ、大貫は次々と必殺拳の型を繰り出した。カメラマンは「もう完成しているね!カッコいい!ヘイ!」とすごい勢いでシャッターを切り続ける。スタッフが照明を持って大貫の周りを走り回り、多角的な光のもとで寡黙さに秘められたマグマのようなものと肉体美が次々と切り取られていった。
「じゃ、飛びますか」と大貫は最後に、ジャンプしての横蹴りを見せ、「オーッ!」と歓声が上がった。「これはすごい!掛け声で飛んでください、ワン、ツー、スリー、ヘイ!」とカメラマン。空中での華麗なケンシロウがカメラに収められ、撮影は終了。大貫はモニターを見ながら「撮れたね!」と爽やかに言う。ああ、ケンシロウ、帰ってきてくれてありがとう!という気持ちだ。
大貫勇輔/ケンシロウ
文=三浦真紀
宣伝衣裳=前田文子 宣伝ヘアメイク=馮 啓孝

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