【Merm4id インタビュー】
今のMerm4idには
未知なる可能性を感じるばかり
DJをテーマにアニメ、ゲーム、声優によるライヴなどを展開するブシロードのメディアミックスプロジェクト『D4DJ』。同作に登場するユニット・Merm4idの1stアルバム『V.I.P LAGOON』がリリースされる。今回はメンバー4人だけでなく、音楽プロデューサーを務める都田和志氏も招いて詳しく話を訊いた。パリピという派手なコンセプトの裏に秘められた、緻密な制作理念とはいかに。
“V.I.P”を謳いつつも、
彼女たちは常にウェルカムな雰囲気
みなさんは今年7月に結成3周年を迎えるそうですね。改めてMerm4idというユニットをひと言で表すと?
根岸
とっても陽キャで、やさしいパリピギャルですかね(笑)。私の友人にも似たような子がいるんです。初対面では近寄りがたくも話してみるととてもフレンドリーで、周囲の人々をポジティブにしてくれるんですよ。
岡田
でも、今のMerm4idには未知なる可能性を感じるばかりだよね。メンバー自身ですら思わされるほど、チャレンジングに踏み込める発想力とパワーを持ち合わせていて、いつも予想の斜め上をいくようなワクワクする展開ばかりで。
葉月
『D4DJ』でも唯一無二のユニットだよね。これからもディグラーさん(ファンの呼称)には、他にはない私たちの姿を見せていきたいな。
平嶋
ライヴの話だと私は瀬戸リカちゃんとしてステージに立つ上で、どんなに大変な場面でもメンバーの誰よりもたくさん笑顔を見せることを意識しているんです。リカちゃんは自分のパフォーマンスで会場全体を埋め尽くせるだけのオーラを持っていて、どこにいても目が離せない。
葉月
私はDJとしてステージの少し後方からみんなを見守りながら、同時にフロアーから少し目線を上にすると、常に視界に入る存在なんです。もし私が元気のない姿だったら、きっと会場のディグラーさんも盛り上がらないと思っていて。だからこそ、もうフロアー全体を支配するくらいの気持ちで、後方から身体を大きく動かしてアピールしています!
それでは、記念すべき1stアルバム『V.I.P LAGOON』の出来栄えはいかがでしょう?
平嶋
もう“完璧”のひと言ですよ。ユニットの第1章の集大成、そして第2章の幕開けを飾るべく、この3年間の全てを詰め込んだ一枚になっています。新たな試みとして、新衣装で撮影した実写ジャケットにも注目ですね!
岡田
ジャケットもイラストのA ver.とキャストバージョンのB ver.があってね。しかもイラストは、先に撮影した私たちの写真に表情などを近づけるように描いていただいて。それと、両形態とも“V.I.P LAGOON Remix”として、それぞれ既発曲「Princess advent」と「Make some noise!」のリミックス音源も収録されていたり。どちらもディグラーのみなさんの間で原曲がすでに浸透しているからこそ、リミックスという違う楽しみ方ができるのかなと。
葉月
それこそ結成1年目の頃は、他のアーティストさんの楽曲をカバーしつつ、ライヴで披露できるオリジナル曲が「Floor Killer」だけだったもんね。この3年間でこんなにたくさんの楽曲を歌えるようになるなんて、当時は考えていなかったかも。本当に幸せなことですよ。
平嶋
もうみんなの言うとおり。よくさ、ストリーミングサービスで入門プレイリストみたいなのがあるじゃん。それで言うと、今回のアルバムは“はじめてのMerm4id”なんてプレイリスト名がぴったりなのかな? そう言えば、都田さんが以前に教えてくださった“V.I.P LAGOON”というタイトルの由来を改めてうかがいたいです! 私たちだけでなく、ディグラーさんのことも考えて名づけられているんですよ。
都田
僕のイメージだと、Merm4idのいる美しい珊瑚礁(LAGOON)にディグラーのみなさんも集まってくるんです。そこで純粋に音楽を楽しむ空間が、まさしく“V.I.P”だなと。名前だけだと敷居が高そうな“V.I.P”を謳いつつも、彼女たちは常にウェルカムな雰囲気なんですよ。イラストバージョンのほうを少しだけクラブに近づけて描いているのも、ライヴ会場の光景を意識してのことですね。
そういうことでしたか。本作には前述の代表曲「Floor Killer」をはじめ、頼もしいフロアーバンガー「BOOM-BOOM SHAKE!」や「High tension BPM」なども収録されています。全楽曲とも掘り下げたいところですが、代表して新曲「I will never die」でお気に入りのフレーズを教えてください。
根岸
この楽曲自体、Merm4idが歌ってきた中でも特にメッセージ性が強く、他とは違う雰囲気なので迷うのですが…2番Aメロの《この道を真直ぐ進んでた/後戻りはもう出来ないから》ですかね。“この道で生き続けていく!”、そんな決意が込められている気がして。
葉月
私はラップパートの《でもここから立ち上がる/もう逃げたりしないから》かな? この楽曲をいただいた時、ちょうど落ち込んでいる時期だったから、このフレーズにとても励まされて。私も諦めちゃダメなんだなって勇気づけられたんですよね。
平嶋
分かるなぁ。私はもう“I will never die”というタイトルそのものが大好き。この楽曲はライヴで初披露した時、セットリストの最後に歌ったんだよね。1時間半、ステージから一回も捌けられないライヴで。
平嶋
改めて信じられなくて、自分で言いながら笑っちゃった。ディグラーさんが目の前にいてくれる本番はまだ大丈夫だったけど、ゲネプロの時は体力面でも本当に大変だったよね。ただ、「I will never die」はライヴ終盤で披露してこそ歌詞の説得力が自分にも伝わってくるし、ここだけはメンバーと顔を見合わせなくとも、私以外の3人の存在をしっかり感じられて。“孤独だけど、孤独じゃない。みんなで一緒に頑張ろう!”という想いを、パフォーマンスを通して届けられていたら本望です。