【Merm4id インタビュー】
今のMerm4idには
未知なる可能性を感じるばかり
派手な音楽のイメージにそぐわず、
緻密な計算の上で活動が成立している
都田
これはメンバーにも初めて明かすけど、「I will never die」は“Floor KillerII”をテーマにしているんだよね。「Floor Killer」を制作した頃はメンバーの歌唱スキルも未知数で、一曲を作るのにとても時間をかけていて。だからこそ、僕はこの楽曲をMerm4idのテーマ曲として、ユニットの始まりと、ここから続く道のりへのひと区切りの意味を見出しているよ。
全員
そうだったんだ!? 知らなかったです。
都田
でも、結局のところ、キャストであるあなたたちの姿を歌詞に反映してしまうんだなと、今回は改めて実感したかな? Merm4idの楽曲を作詞する上で、《最&高》といった書き言葉のパリピ用語をあえて声に出すところに、パリピ中のパリピ感を見出しているんだけど、この楽曲には、むしろキャスト自身の信念やこれまでの思い出を綴っていて。きっとMerm4idの結成前からみんなの活躍を見せてもらっていたから、今の歌詞が生まれたのかもね。
とても素敵です。歌詞の話題つながりで、9曲目「HOLY WORRY」には《えーん¥ 欲しい↓ ヴィトンCOCOディオールプラダどれでもいい!》と、ハイブランドの名前が並んでいましたよね。さながらヒップホップのようでした。
岡田
私もあの歌詞を読んだ時は本当に衝撃でしたよ。“ここまで許されるの!?”って。
都田
お話いただいたとおりで、ヒップホップのフィールドに少しだけインスパイアされましたね。それと、昔は庭つきの大きな白い家を持ちたいなんて夢が一般的でしたが、今はハイブランド志向だったり…そんな現代のリアルな女子大学生らしさも意識しています。ただ、僕の中でキャラクターごとに細かな定義づけをしているので、こうしたフレーズを誰に振るのかはちゃんと気を遣っていますね。
葉月
あれはもうリカにしか歌えないと思う(笑)。でも、私たちの間でも歌割り発表の前に、“このフレーズはきっとこの子が歌うんだろうな”という直感が結構当たるよね。
平嶋
え〜(笑)。私としてはモデルもしているから、夢以ちゃんが演じる水島茉莉花ちゃんのイメージだったけど! あと、茉莉花と言えば「ING」で《Tequila ボトルごとOrder OK?》と歌っていたり、私が演じる瀬戸リカも『グルミク』(スマートフォン向けリズムゲーム『D4DJ Groovy Mix』)で二日酔いに苦しむシーンがあったり、『D4DJ』に登場する数あるユニットの中でも、こうした“Merm4id路線”は都田さんの歌詞のおかげで確立されているなと。
都田
「ING」のその部分は僕がかつて目撃した光景からアイディアを得たんだよね。というのも、実際のクラブではテキーラはショットグラスでしか注文できない。つまり、ボトルでは出てこないわけで。だけど、例えばMerm4idのような女の子たちがVIP席でゴネると、お店もしぶしぶながらOKしてくれることがあるらしくて。本当にパリピなディグラーさんなら“テキーラをボトルで出させるなんて!”と、突き詰めて理解してくれるのかなと(笑)。まぁ、テキーラがボトル提供されない話は、お酒好きで知られる平嶋さんならご存知だろうだけどね。
平嶋
どういう意味ですか!(笑)
(笑)。ところで、Merm4idのステージではよくバックスクリーンに歌詞を投影していますが、それも字幕のような小ささではなく、まさに迫力満点なリリックビデオのように仕上げていますよね。どういった理由があるのでしょう。
都田
これも情報として初公開になりますが、ライヴでの映像には特にこだわっているんです。人が人を好きになる瞬間でもっとも大切なのは目線が合うことなんですよ。だから、フロアーからのスクリーンの観え方や角度には配慮をしていて。メンバーの歌詞確認用のプロンプターも、よくあるスピーカー裏に設置していません。彼女たちがフロアーから視線を外さないようにするためです。その結果、フロアーからスクリーンの歌詞を眺めた時に、メンバーとパッと目が合うと、もう“Merm4idに一生ついていこう!”ってなると思う(笑)。
根岸
Merm4idのライヴを後日配信で視聴していても、自分の背景に歌詞が映っていて、その光景がとてもきれいだったんですよ。そう感じたのには、やはり理由があったんですね!
平嶋
歌詞が画面から出てくるくらい大きな時もあるし、その部分を歌うメンバーのイメージにマッチするようにフォントも細かくアレンジされているよね。それでも、2021年4月に『Merm4id 1st LIVE Luv♡4U supported by シンガポール政府観光局』を開催する以前は、コロナ禍でなかなか前に進めない時期があったのも事実で。何カ月間も活動ができず、どうにかしてライヴをしたいと直談判もしたし。
都田
とはいえ、メンバーからのお願いをすぐに実現できるわけがなく。だから、まずはMerm4idの存在を広く知ってもらうために、写真集とイメージ映像作品『Summer Flower Love Dream』(2020年8月発表)のリリースを進めて。映像作品への収録に向けてMVも撮影すれば、自分たちが音楽ユニットであることも伝えられるからね。先ほどのステージ映像の話もですが、派手な音楽のイメージにそぐわず、緻密な計算の上で活動が成立しているのがMerm4idなんです。
岡田
その後はライヴ開催の念願も叶って本当に良かったです。
根岸
ディグラーのみなさんも、当時こそどうなることかと心配されていたことでしょう。でも、今は私たちのライヴを本当に楽しんでいただいていて。多くの方々を幸せにできるユニットだと自信を持つことができました!
都田
でも、正直言ってもっといけると思う。今後、さらに多くの人々から応援されて、ライヴ会場のキャパシティーも大きくなると、それだけ大がかりなセットを組んで、派手な仕掛けを使えるようになるから、それまでにもっと精神的な余裕を培いたいよね。制作陣はすでに来年、再来年を視野に入れて、ステージの内容やユニットの進む道のりを考えているし、ディグラーのみなさんの期待も募るばかり。今回のアルバムは今のMerm4idの名刺代わりになる一枚だから、それを強みにしつつ未来を見据えてさらに前へと進んでいこうね!
全員
はい、頑張ります!
取材:一条皓太