L→R Mona、Hina

L→R Mona、Hina

【Kitri インタビュー】
『Kitrist II』には新しさと
変わらないものが入っている

“自由に生きていいんだ”と
再認識できた

「赤い月」のラテンな感じもすごくカッコ良いです。歌詞は『ドン・キホーテ』の主人公からインスピレーションを受けているそうで。

Mona
曲の展開が歌劇のように変わっていくものを作ってみたいと思って、先に曲調ができたんですけど、手応えもあったので、主人公が劇の中でいろんなものを情熱的に表現しているような歌詞を書いてみました。

『ドン・キホーテ』の主人公は喜怒哀楽がとても激しくて、すごく愛らしいキャラクターですよね。作品への愛を感じるし、タイトルの“赤”はKitriにとってもキーカラーだから、ふたりの憧れが詰まった、ある意味の原点を表現するような曲なのではないかと。

Mona
確かにそうかもしれません。思う存分、空想しちゃった曲というか、特に私の歌詞の作り方の原点には“空想”があるので、それをこの曲で表現できたと思います。
Hina
初めて聴いた時から物語の中に迷い込むような曲だと思いましたね。

物語の中では、主人公は自分が読んだ小説によって空想が止まらなくなってしまい、人生が狂わされているけど、その小説に救われているようにも思えるというか。音楽にも似たような魅力がある気がします。何かご自身にシンクロするものを感じたりしますか?

Mona
現実で悩みごとやうまくいかなかったことがあったとしても、音楽はいつでも味方でいてくれるので、励まされた経験はたくさんあります。だから、音楽の世界に入ることが癒しでもあるんです。
Hina
音楽だからこそ自分の感情を表せたり、空想の世界にも行けますし、『ドン・キホーテ』に出てくる小説みたいに、いろんなところに連れて行ってくれる芸術ですね。

今作で挑戦をしている部分もたくさんある傍ら、今までのKitriもしっかり感じます。

Mona
今回の制作でピアノの音がすごく好きだってことを再認識したというか。Kitriは“ピアノ連弾ユニット”とずっと言ってきて、そんな中でいろんな方と出会って、ピアノだけじゃない世界を知って、今までなかった扉を教えてもらったんです。『Kitrist II』には新しさと変わらないものが入っていると思います。

例えば「NEW ME」で描いている“私は私という確固たる意思”や、「青い春」での《一瞬一瞬 移り変わる今日の日を/刻むしかない》というフレーズも、“前向きに進んでいきたい”という気持ちの表れだなと。

Mona
コロナ禍で自粛期間も長くて、こうやって思い描いていたことが崩れちゃうこともあると実感した一年でもあったんですけど。一方でその状況だからこそ生まれた曲があったり、視点を変えるだけで景色や生活のとらえ方も変わっていくのかもしれないと思って、間違ったり、うまくいかなかったとしても、肯定していきたいと思うようになりました。
Hina
以前から“どこかに希望の光があったらいいね”って話していたので、Kitriの曲はどんなことを歌っていても、どこかに希望があるような気がします。昨年は“未来ってどうなるか分からないんだ”と思いましたし、分からなくても“自分の意思があれば想像するように進んでいけるんじゃないか”とか、“自由に生きていいんだ”ということを再認識しました。

「小さな決心」はそんな想いを歌った曲に思えました。特に《見覚えある頁の角を握る》というフレーズが本当に素敵で、この短い一文に“進んでいこう”という気持ちを感じます。

Hina
ありがとうございます。この曲はふたりで作詞をしていて、1番でMonaが《安らぎを求めて ひたすら飲み干した/見かけのいい空っぽな文字の羅列》と書いていたので、文字がなくなっている状態というか。今開いているページの中に文字はなくなってしまったけど、次のページにいけば、また言葉が出てくるんじゃないかっていう期待も込めたフレーズです。

Hinaさんが作詞した「水とシンフォニア」に、Monaさんのピアノアレンジで「別世界」(『Kitrist』収録)のメロディーが入っているのも感動しました。

Mona
この曲は現実とは違う世界にワープできると思ったから、サビに「別世界」のメロディーを入れてみたら見事にハマったので、ぜひ注目して聴いていただきたいです。

それに、「別世界」は『Kitrist』で最後に収録されていますが、歌詞が《光さす出口を求めてる》というフレーズで終わっていて、今作『Kitrist II』はその出口を見つけたような解放感にも満ちていると思います。

Mona
確かに。「別世界」はデビュー前に書いた曲なんですけど、最初は“どんな音楽を作ったらKitriになるんだろう?”と自分たちのことがよく分からなくて、先も見えずに不安だったんです。今は少しずついろんな方に応援してもらったり、周りの方に支えてもらって、“何をやってもKitriの音楽として成立するんじゃないか”って小さな自信が出てきたのかもしれないです。
Hina
前作の『Kitrist』があったこその『Kitrist II』なので、「別世界」に表れた模索している時期があってこそ生まれた音楽が今作に入っている気がします。

その少しずつ見つけたおふたりにとってのKitriとは、言葉にすると何ですか?

Mona
今後の目標も込めて、“変幻自在”です。ピアノ連弾ヴォーカルユニットだけど、その想像を超えて“こういう表情があるんだ!?”ってずっと面白がってもらえるような存在でいたいです。
Hina
そうですね。変幻自在であり、核には光があるユニットでいたいです。

そんな今作は、おふたり自身のことを歌った「君のアルバム」で締め括られているのも最高でした。さまざまなインスピレーションを受けながら作ったアルバムの最後に、ふたりだけの時間が流れているような心地良さも感じます。

Hina
もともと私たちの幼少期から今までの写真を使ってMVを作る案があって、それをきっかけに家にあるアルバムをふたりで見ながら、懐かしい気持ちになって曲を作っていくのが楽しかったです。
Mona
自分たちの中でエンドロールっぽいイメージもありました。今まで起きた出来事や、このアルバムを静かに振り替えられるような曲だと思います。

このような振り返る曲を今作ろうと思ったのはどうしてですか?

Mona
デビューが2019年で、その年は本当に何もかもが初めてで右も左も分からず、目まぐるしくて心のどこかですごく怯えていたんです。それが昨年、今までを振り返る時間ができたから、自然と私たちがKitriになるまでのストーリーを静かに見つめることができたのかなと思います。

変幻自在を目指しながら、Kitriを見つめ直した時に“これは変わってないな”と思ったことはありましたか?

Mona
ふたりの距離感でしょうか。私はHinaとの間に居心地の良さを感じているので、私たちふたりのことは何も心配せず、それ以外のことに意識を向けていられるっていうのはあります。
Hina
そうですね。これからもお互い支え合っていけるっていう安心感はあると思います。

取材:千々和香苗

アルバム『Kitrist II』2021年4月21日発売 BETTER DAYS
    • COZB-1741~2
    • ¥5,000(税込)
    • ※Blu-ray付き

ライヴ情報

『Kitri Billboard Live 2021SS「Kitri & The Bremenz Live」』
6/13(日) 神奈川・Billboard Live YOKOHAMA
1部:open 15:30/start 16:30
2部:open 18:30/start 19:30
6/20(日) 大阪・Billboard Live OSAKA
1部:open 15:30/start 16:30
2部:open 18:30/start 19:30

Kitri プロフィール

キトリ:幼い頃よりクラシックピアノを学んでいた姉のMona(モナ)とHina(ヒナ)によるによるピアノ連弾ユニット。ふたりが大ファンだと公言する大橋トリオの手に自主制作音源が渡ったことをきっかけに、大橋が手掛ける2016年公開映画『PとJK』の劇伴音楽に参加。2019年には大橋がプロデュースしたEP『Primo』でメジャーデビューを果たした。その後、同年リリースの2nd EP『Secondo』、20年リリースの1stアルバム『Kitrist』に続いて、21年4月には2ndアルバム『Kitrist II』を発表する。Kitri オフィシャルHP

「未知階段」MV

「赤い月」MV

『Kitrist Ⅱ』Teaser ダイジェスト

OKMusic編集部

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