石田ゆり子さんの思い出(8):杉作J太
狼XE「美しさ勉強講座」連載128
軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XE先生の「男の魅力がぐんとアップする美しさ勉強講座」
128時限目・石田ゆり子さんの思い出(8) 石田ゆり子さんが喫茶店を好きと知ってからたのしみが増えた。
もしかしたら……というやつである。
もともと私は大の喫茶店好き。「トラック野郎」は菅原文太、愛川欽也。「お祭り野郎」は松方弘樹。「ラグビー野郎」は矢吹二朗。ならば私は「喫茶店野郎」かもしれない。というぐらい喫茶店が好き。
誰かと街角でばったり会った時。選択肢はない。「ちょっとお茶でもしようか」
仕事の途中でちょっとひといき。「ちょっとお茶のんできます」これを私の在籍していた週刊誌編集部のダンディなキャップは「おちゃっこしようか」と言っていた。
ひとりでもよく行った。喉がかわいたとき。ちょっとおなかがすいたとき。いまみたいにコンビニもなかったし、牛丼屋もめったにはなかった。
夏なんかとくによかった。
冷房が効いた中、キンキンに冷えた銅製のコーヒーカップで呑むアイスコーヒー。
たまねぎざく切りにケチャップたっぷりのナポリタンは定番。塩味が効いたピラフも美味しかった。
ドライカレーなんていうのも喫茶店に入り浸ってなかったら食べなかったかも。
ひとりで座っていても退屈はしなかった。
漫画雑誌や週刊誌はひととおり置いてあった。ソフトなエロ本もよく置かれていた。そしてスポーツ新聞。
コミックスの充実した店は社会人の仕事をさぼる場所として人気だった。とくに店の裏側に駐車場がある場合はずらりと各社の営業車が並んでた。
学生から主婦、サラリーマンからやくざ風のおやじから少年少女、ご老体まで、あらゆる世代あらゆる階層の人間たちが言葉を交わすわけではないが、クーラーの風に吹かれて、
「キーモチイイー!」
と、目じりを下げながら漫画読んだり店内に流れる音楽を聴いたりおしゃべりしたり。私なんかはひとりで行ったときはタバコを次々すいながら大きな窓の外を行きかう人や車をぼんやりながめるのが好きだった。
そう。その頃。私はタバコをおいしくすうために喫茶店に入っていたのかもしれない。自分の部屋ですったり、外で立ったままタバコをすうのに比べて喫茶店ですうタバコはおいしかった。きもちよかった。タバコに酔えたね。
それはたぶん、灰皿がいつもきれいな状態のものを使えたからかもしれないし、店内の換気がよかったからかもしれないし、コーヒーのかおり、味との相性もよかったのかもしれない。だがそれらすべてをこえた、なにか喫茶店マジックのようなものがあり、そこではすべての行為がなんていうのか、気分よくなるのだ。
もちろんすべての喫茶店が、とは言わない。
が、よほどのことがなければたいていの喫茶店にそのマジックはあった。
いまはどうだろう。
私も10年ぐらい前にタバコをやめてしまった。やめるつもりはなかったが病気をしたのだ。タバコをやめたぶんだけ喫茶店に行く回数が減った。
それでも。
初めて入る喫茶店の場合。
それが表通りではない、一本はずれた路地にひっそりたたずむウッディな喫茶店だったりした場合。
もしかして、と考える私はいる。
石田ゆり子さんがいたりしないのかな。
いらっしゃったとしても別に話かけはしない。
ましてや、
「あのときの、素敵なボクですよ」
なんて言うわけがない。
いや、桃さんことトラック野郎なら言うかもしれないので喫茶店野郎の私としては言うべきなのだろうか。
ま、冗談はさておき、いらっしゃったとしても静かに離れた席に座るだけだ。そして思うだけだ。石田ゆり子さんが喫茶店を好きだというのは本当だったんだなー、と。そしてそのとき喫茶店に曲が流れていたら。その曲を私は好きになるだろう。
(つづく。2週間後、またお会いしましょう)
<隔週金曜日掲載>
写真/2016年2月25日・『僕だけがいない街』完成披露試写会
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【杉作J太狼XE:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろうXE
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
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