堀込泰行

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【堀込泰行 インタビュー】
またいろんな人とコラボして
刺激を受けたかった

メジャーキーのもののほうが
今の自分の気分にも合ってる

そして、今回一番驚いた楽曲が「蟻と惑星(プラネット)+ machìna」です。

machìnaさんは今回共演した人の中でエレクトロというか、一番自分と違うタイプの音楽をやっていたので、それゆえに一緒にやってみたかった感じですね。僕みたいにコードを弾きながらメロディーを紡いでいく音楽の作り方とはまったく違う行程でクリエイトしているんだろうなと思って。ビンテージの機材とか最新の機材とかを織り交ぜながらすごく現代的なことをやっているんだけど、聴いていると原始的な部分を刺激されるんです。ビートの強さとか、そのサウンドの心地良さとか…抽象絵画とかを見て“なんかこれ、気持ち良いな”と思うみたいな。あとは、音楽の起源って、きっとこういうビートとシンプルなメロディーだったと思うんですよ。原始的というか、原初的というか、そういうものも感じられるところが面白いと思っていましたね。

蟻っていう小さい生物が登場するのが、逆に強い感じがして面白いです。

machìnaさんの曲を聴いた時、普通にラブソングとかの歌詞が乗っかっても変というか、合わないと思って。サウンドの世界観からなんとなくインスピレーションを受けて、意味があるようなないような、だけどイメージは広がるぞ…そういう歌詞がいいなと。まぁ、ナンセンスな言葉を最初並べようと思って、《何も無い 影も無い》って始まって、なんの拍子か分かんないけど、《小さな蟻のように》という言葉が出てきて、そこからちょっとこう…これは勝手なイメージですけど、自分の中での孔子や老子とかの中国の人が言いそうな、なんとなく言ってることは分かるけど、なんとなくよく分かんないみたいなイメージで筆を進めてったというか(笑)。だから、言いすぎずに聴き手にイメージや解釈を委ねるという。そんなイメージが広がるものが面白そうだなと思いましたね。

すでにレコードの日にアナログリリースされた「スウィートソウル(Lovers Version) + LITTLE TEMPO」ですが、これは賑やかで明るくなりましたね。

このセルフカバーはLITTLE TEMPOの陽気な感じにしてくれましたね。原曲はもうちょっとしっとりしてて、スケール感も大きい感じだと思うんですけど、より等身大になりました。前回は「エイリアンズ」の“Lovers Version”を作ったので、その続きみたいな感じではあるんですけど。レコーディングも一緒にやって、すごく面白かったです。もちろんリーダーはTokiさんなんだけども、みんなが自分の意見を結構言ってて、民主的なバンドというイメージがしましたね。全体のプロデュースに関してはキリンジの時も一緒にやっていた田村玄一さんが中心になって進めてたんですけど、それぞれが自分の意見を言いつつ、それを却下する際にも和気藹々としたムードの中で、“それはちょっと違うんじゃない?”って感じのコミュニケーションが飛び交ってて。そこは“あぁ、いいなぁ”って思いましたね。バンドが羨ましいと思ったりとか(笑)。

最後はソングライターとしては兄弟みたいな澤部 渡さんとの「サンシャインガール + SKIRT」で。

澤部くんの作るものにシンパシーを感じていたし、きっと好きなものも結構似てると思っていたりしたので、ぜひ一緒にやりたいかったんですよ。と言いつつ、ふたりともギターポップが好きだろうからって、なんとなくいい感じのギターポップの曲を一緒にやってもそんなに面白くならないだろうと。

想像通りみたいな?

そうです。それは危険なので、そうならないようにしたいと思ってました。なので、ちょっとこう…ポール・マッカートニーとかXTCっぽい雰囲気がある、どこか展開の中でひねりがあって、ポップなんだけど面白みたいな。サウンドは澤部くんにお任せしたんですよ。僕はSKIRTのサウンドが好きだし、彼のほうからもデモを聴いてもらったあとに“こんな感じでやりたいです”っていう意見をもらってて、“あっ、分かる分かる”っていう感じで、“そこ、突いてきたか!”とちょっとニヤリとしたり。根っこが近いところにある人だし、お互いバンドサウンドが好きなんですよね。あと、シンプルで効果的なアレンジが好きなところとか。そんな感じで実際のサウンドに関してはほとんど澤部くんがやって、キーボードだけ元・森は生きているの谷口 雄くんがやってくれました。そのキーボードが入る前のギター、ベース、ドラムを澤部くんが演奏して録ってくれたものが一回返ってきた時点ですごくカッコ良かったから、自分が想像していた以上に面白くしてくれたというか、とにかくいいメロディーの曲をやらないとつまんなくなっちゃうぞって気持ちはあったので、曲選びを慎重に考えてやったのは良かったなぁと思ってます。

これはコラボしてるアーティストのキャラクターの違いかもしれないですけど、今回はわりとメジャーキーを使ってて、前回のほうは都会かつ夜みたいな印象だなと。

確かにそれはあるかもしれないですね。「エイリアンズ」もあったし。意図したわけじゃないんですけど、自然とそうなりましたね。あと、メジャーキーのもののほうが、今の自分の気分にも合ってるのかもしれないです。まぁ、コラボした人もそういう感じの人が多かったのもありますね。エンターテインメント性が強い。

今作のリリースが発表されてからコラボするアーティストの全容が楽しみだったんですけど、すごく面白かったです。

ありがとうございます。僕も気に入ったものができてすごく嬉しいですね。みなさんに感謝しています。

取材:石角友香

EP『GOOD VIBRATIONS 2』2020年5月13日発売 日本コロムビア
    • 【CD】
    • COCP-41116
    • ¥2,000(税抜)
    • 【LP】
    • COJA-9385
    • ¥3,000(税抜)
    • ※800枚限定生産

『堀込泰行 LIVE TOUR 2020 Billboard Live & Blue Note』

6/08(月) 大阪・Billboard Live OSAKA
6/14(日) 東京・Billboard Live TOKYO
6/16(火) 神奈川・Billboard Live YOKOHAMA
6/18(木) 愛知・Blue Note NAGOYA

堀込泰行 プロフィール

1997年に兄弟バンド“キリンジ”のヴォーカル&ギターとしてデビュー。13年4月、17年活動をしていたキリンジを脱退し、以後はソロアーティスト/シンガーソングライターとして活動を開始する。14年11月にソロデビューシングル「ブランニュー・ソング」を、16年10月には1stソロアルバム『One』をリリースした。代表曲に「エイリアンズ」「スウィートソウル」「燃え殻」「Waltz」などがあり、希代のメロディーメーカーとして業界内外からの信頼も厚く、ポップなロックンロールから深みのあるバラードまで、その甘い歌声もまた聴くものを魅了し続けている。堀込泰行 オフィシャルHP

『GOOD VIBRATIONS 2』
ティザー映像

OKMusic編集部

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