5年ぶりの来日公演まで1カ月 ロシオ
・モリーナ舞踊団の魅力を大解剖

2020年3月7日(土)日本青年館ホールにて、世界最高峰の踊り手との呼び声も高いフラメンコダンサー、ロシオ・モリーナの来日公演が5年ぶりに開催されるが、今回はロシオ・モリーナ舞踊団の魅力に迫ってみた。
ロシオ・モリーナを語る上で欠かすことができないのは、その鮮やかなステップ。3歳から踊りはじめ、7歳のときには既にオリジナルの振付で踊っていたという、生まれながらの才能は、観客を魅了してやまない。
2016年にパリで初演、翌年スペインのセビージャで行われたフラメンコ・フェスティバル『ビエナル・デ・セビージャ』で上演、ダンサー及び振付師として最優秀賞を受賞した今回の演目『 Caida del Cielo 』の魅力は、何といっても見るものに勇気を与える挑戦的な展開。登場して 15 分、真っ白のドレスを着て無音で踊り続けた彼女は、ステージ上で目を疑うほど大胆な衣装チェンジを行い、その後舞台に4人のミュージシャンを招いて踊り続ける。
Photo by Simone Fratini
途中、ステージ上でミュージシャンとポテトチップスやフルーツを食べる姿を見ると、正直「いま、何を見ているんだろう?」という不思議な感覚に包まれが、こうやって『 Caida del Cielo 』の「旅」は進んでいく。
そして、ショーの終盤で客席まで降りて喝采を浴びながら踊る彼女が、真剣に、かつキュートに笑顔を見せながら踊る姿は圧巻。『あるがままを感じられるように、自分を解放して、楽しんで頂けることを願っています』と語る彼女の言葉通りに、普段ダンスを見ない、フラメンコに馴染みがない、難しいかも……と思っている人も、一日限りの90分のステージを観劇後は、想像以上の感動を味わえることになることだろう。
ロシオ・モリーナ プロフィール
1984年、スペインのマラガ生まれ。3 歳から踊りを始める。2001年にマリア・パヘス舞踊団へ入団し、世界各地で活躍。2002年、マドリッド王立舞踊高等学校を卒業。2005 年、ビトリア中央劇場にて処女作『 Entre Paredes (壁の間)』を発表。翌年以降も次々と精力的に新作を発表し、ヨーロッパ・北米など各地で好評を博す。
2010年には、26 歳という若さで「自由な発想による多彩な表現力」を評価され、スペイン芸術界でもっとも栄誉ある「 Premio Nacional de Danza 2010 (スペイン国家舞踊賞)」を受賞。伝統的なフラメンコを尊重しつつ、映画や哲学、文学といった他ジャンルの影響を受けて作り出される作品は、挑戦的な振り付けと高度なテクニックを駆使しており、世界各国を魅了し続ける。常に実験と挑戦を続ける、若手最高峰の舞踊家である。

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