L→R:DUCK-LEE(Ba/戸城憲夫)、TAKAURA TOMMY(Dr/たかうらみつたか)、TUSK(Vo/板谷祐)、HAYATO(Dr)、参代目ACE DRIVER(Gu/坂下丈朋)

L→R:DUCK-LEE(Ba/戸城憲夫)、TAKAURA TOMMY(Dr/たかうらみつたか)、TUSK(Vo/板谷祐)、HAYATO(Dr)、参代目ACE DRIVER(Gu/坂下丈朋)

【THE SLUT BANKS インタビュー】
耳を塞ぐな! 身を委ねろ! 
この狂暴さの先に待つ絶対的な
THE SLUT BANKSの美学に辿り着け!!

“うるさい音楽は嫌い”と言う奴に
嫌われる作品にしたかった

今回、全体的にかなり攻めた楽曲ばかりですが、なぜこのような一本鎗な路線に?

DUCK-LEE
もう今回はバランスとか、バラエティーさとかは一切排除で。どうせ売れねぇし、喜ぶ奴だけを喜ばせてやろうって(笑)。こんな音楽が好きな奴に飛びついて欲しいというか。とにかく今作は“うるさい音楽は嫌い”と言う奴に嫌われる作品にしたくて(笑)。
ACE DRIVER
レコーディング中もよく言ってたもんね、“ギリギリまで聴きにくい作品に仕上げたい”って。
DUCK-LEE
そうそう。不愉快までいかないギリギリの音楽として成立するライン、そこを目指して。決して耳障りの良い心地良い音楽ではないけど、計算されたギリギリの汚い音でのロックンロールみたいな。まがりなりにもメジャーで出すもんだし、俺たちも伊達にキャリアを積んでないからさ。初期衝動でガツンと一発勝負とはまた違った、ロックの持つヤバさやカッコ良さで勝負したかった。

あと、今回はこれまで以上にギタリストがふたりいるバンドって感じがしたんです。きちんとバッキングとリードを弾き分けるツインギター体制とでもいうか。

DUCK-LEE
まさしくその体で録ってもらいましたね。いわゆるギターをあまり重ねない感じ。だけど、ギタリストがふたりいて、きちんと重厚感を出す…そんなイメージがあった。
ACE DRIVER
あえてギターを重ねずにリフとオブリの一人二役をやっちゃうみたいな。それこそ昔の16チャンネルぐらいで録っている感覚。ライヴだと俺ひとりだから、どっちをどうやろうかって今から心配だけど(笑)。

対してベースもドライブ感あふれるものが多く、それらが躍動感を生んでますよね。

DUCK-LEE
今回はまったく遠慮せずにガンガンに動いてるからね。気付いたらこう弾いてた。これまでは本来の役割である“支える”ってことを意識してたけど、今回は全員攻撃でいいんじゃないかって。“みんな意識はリード楽器”みたいな。逆にどう弾いたか覚えてないから、ライヴでも同じフレーズや動きができない(笑)。昔さぁ、レコーディングの時に当時のプロデューサーに言われたんだよね。“ベースは他の演奏を支える役割だから”って。で、その時は何も分からず従って弾いてたけど、今だったらあの頃の自分に“大丈夫だから動き回れ!”って、これ聴かせたいね(笑)。

TUSKさんはそこに歌を乗せていかがでしたか?

TUSK
今回はエンジニアも前作から関わってもらってる方に継続してやってもらったんですけど、それが結構大きくて。録り方にしても、あえてヴィンテージっぽいマイクを使って質感やあの頃に近い独特の鳴りや響きを意識してくれたんですよ。

でも、不思議だったのは、このような作風ですが一発録りにしなかったところなんです。

DUCK-LEE
逆にファイルのやり取りを経て完成させた面もあるから。でも、ほんと一発録りにしなくて良かった。最後の歌入れの時にTUSKのキーに合わなくてキーを変えた曲も出てきたし。そうなると一発録りだと最初から録り直しになるからね。
HAYATO
ミックスやマスタリングにも時間をかけてますしね。結果、最終的にはガラッと手触りや雰囲気も変わって、通して最後まで一気に聴き抜けていく印象を持ちました。

その聴き抜けていくって感覚、まさにです。TUSKさんの歌詞にもよりメッセージを帯びたものがうかがえました。

TUSK
聴く人の解釈を大事にしたいんで、あまり歌詞は説明したくないんだけど、今回はそういった曲が幾つかあるよね。物申す!って感じなんだけど、みなまでは言わないみたいな。

他に何か苦労したところはありました?

ACE DRIVER
「病んでんのさ」の中でダウンビートを間に取り入れている箇所があるんだけど、そのニュアンスを出すのはちょっと大変だったかな。30回ぐらいやり直した(笑)。それとは別に、今回、このメンバーでやってみて、ジャンルとか年齢とかってあまり関係ないんだなと改めて感じましたね。音を出せば一緒になれる。もちろんそこに上手い下手や順応力が問われるんだろうけど、やろうと思えば何でもできるし、それって素晴らしいことだなって。今回、このふたりにはかなり刺激をもらったから。
TAKAURA
自分的に挑戦したのは、「me and」のブリッジに入る前の部分ですね。レコーディング初日に自分のパートを全部録り終えて安心していたところ、戸城さんからボソッと“本当はツインペダルが鳴って欲しかったんだけどな…”と言われたのがずっと引っ掛かってて。地元に戻れるタイミングがあったんで、実家に帰ってツインペダルを引っ張り出してきて録り直しました。
DUCK-LEE
小田原の実家までわざわざ取りに帰ってくれてね。
TAKAURA
久々の挑戦で不安でしたけど、やはりTHE SLUT BANKSでドラムを叩くということはこういったことなんだと、改めて噛み締めながらツインペダルを踏みまくりました(笑)。
HAYATO
僕的には「人形姫」がややチャレンジ的だったかな。これらをはじめ、作品内でのそれぞれのドラマーの個性や叩き具合の違い、それからライヴでそれを各々違うドラムを違ったドラマーがやる際のその変化やアイデンティティーも楽しんでほしいですね。一番気に入っているのは「HELLO MURDER」で。“もういてまえー”って感じで叩いたのが「Trap」でした。
TUSK
厳密に言うと、HAYATOくんは「The Rolling」「人形姫」「丸こげ」「Trap」「HELLO MURDER」を叩いてます。
ACE DRIVER
俺的にはやっぱ聴きどころは「The Rolling」かな。曲のキャッチーさとTUSKの歌詞には感動したね。

私もこの曲はなんか夜明け感があって好きです。

ACE DRIVER
そうそう。まさにその夜明け感。上手く出てるんだよね。“また日は登る。今日も頑張るぞ!”みたいな。なんか救われた気になりながらギターを弾いてたよ(笑)。そういった意味ではラストの「かったりぃ日々抜け出して」もそんな曲だよね。最後ああいった感じで明日への活力が得られるタイプの曲というか。
TUSK
あと、俺たちのお気に入りの首振りDollsのドラムのnao.も全面的にコーラスに参加してもらっていて。結構贅沢な使い方をさせてもらってます。だから、お礼に次の首振りの作品に“俺、コーラスで参加するよ”と打診したんですが、“結構です”って見事に断られました(笑)。

そりゃ、TUSKさんが参加した日には、その存在感で持っていかれちゃいますからね。結果、誰の作品か分からなくなっちゃう(笑)。では、そんな今作を引っ提げてのツアーもありますが、その辺りの意気込みを最後に。

DUCK-LEE
いつもと変わらず、各地盛り上げていきたい。作品が作品なんで、いわゆる初期衝動みたいなものが蘇ったり想い出して一緒に盛り上がってくれたら嬉しいよね。

取材:池田スカオ和宏

アルバム『NOIZ THE RIPPER』2019年4月10日発売 KING RECORDS
    • KICS-3783
    • ¥3,000(税抜)

『THE SLUT BANKS “切り裂きノイズ”ツアー』

5/11(土) 東京・吉祥寺Rock Joint GB
5/17(金) 新潟・GOLDEN PIGS BLACK STAGE
w)AGE of PUNK
5/18(土) 長野・長野J
w)AGE of PUNK、OA:VALLIA
5/19(日) 群馬・高崎FLEEZ
w)THE BLACK COMET CLUB BAND
5/25(土) 愛知・名古屋UPSET
5/26(日) 兵庫・神戸ART HOUSE
w)スキッツォイドマン、首振りDolls
5/28(火) 広島・SECOND CLUTCH
w)スキッツォイドマン、首振りDolls
5/30(木) 福岡・DRUM SON
w)首振りDolls
6/01(土) 岡山・DESPERADO
w)スキッツォイドマン、首振りDolls
6/02(日) 大阪・KINGCOBRA
6/09(日) 宮城・仙台FLYING SON
w)首振りDolls
6/14(金) 神奈川・横浜BAYSIS
w)夷狄、首振りDolls
6/15(土) 千葉・稲毛K’sDream
w)首振りDolls

THE SLUT BANKS プロフィール

1996年結成。オリジナルメンバーはTUSK(Vo、板谷祐:ex.ZI:KILL,CRAZE)、DR SKELTON(Gu、横関敦:ex.筋肉少女帯)、DUCK-LEE(Ba、戸城憲夫:ex.ZIGGY)、SMOKIN STAR(Dr、新見俊宏 :ex.BOWWOW)という日本ロック界の猛者四士。97年にメジャーデビューを果たし、2000年に惜しまれながら解散するも、07年に復活。現在も精力的にリリース、ツアーを実施中!THE SLUT BANKS オフィシャルHP

「BRUSH MAN」MV

アルバム『NOIZ THE RIPPER』
全曲トレイラー

OKMusic編集部

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