Eve×Sou 格別な化学反応を見せたツ
ーマンライブ『蒼』Zepp DiverCity公
演をレポート

Eve✕Sou ツーマンライブ『蒼』追加公演

2018.8.29 Zepp DiverCity
2月28日にコラボアルバム『蒼』をリリースしたEveとSouが、5月に行ったツーマンライブ“蒼”の追加公演を、8月29日にZepp DiverCityにて開催。特別な2人は、格別な化学反応を見せてくれた。
待望の1曲目は、アルバム『蒼』の幕開けを飾る曲でもある「明星ギャラクティカ」。ナユタン星人が『蒼』のために書き下ろした、2人のかけ合いが映える楽曲だ。フロアにはEveとSouのイメージカラーであるブルーのペンライトが揺れて、2人がフロアにマイクを向ければ、オーディエンスの“パッパッパーヤ”コールが大きく響く。
Eve
EveとSouが「声出せるか?」と煽った「おどりゃんせ」では、2人にならってオーディエンスがものすごい勢いでクラップ。2人の少し翳を帯びた声質は、驚くほど組み合わせがよくて、耳に心地いい。歌い終わったところで「バイバーイ」とEveを見送ったSouは、「みなさんこんばんは、Souです」と挨拶。「安定に緊張していますが(苦笑)、どんどんいきます。Eveくんに初めて作ってもらった曲です」と前置きして、EveがSouのために書き下ろした「チョコレートタウン」へ。低音から高音までの幅広い音域が生きる曲は、ライブでますます輝きを放つ。「ガランド」からは、Eveのソロパート。ロートーンでアンニュイに歌ったかと思うと、「Dr.」では疾走するビートと浮遊感漂うギターを味方につけて“nyah!”でも沸かせたり、「雨とペトラ」ではサビの突き抜けた歌い方でも惹きつけたり。いくつもの色合いと表情で翻弄していく。
Sou
EveからSouにバトンタッチすると、「メルティランドナイトメア」ではSouにつられてオーディエンスも腕を振って、「ナンセンス文学」ではSouがマイクを向けると“ラッタッタ”とコール。テクノポップの雰囲気をまとう「tig-hug」にしても、楽しいが止まらない。
2人そろって「い~やい~やい~や」でキャッチーに一体感を高めた上で、MCタイムへ。フロアに向け、「夏休みの宿題は……終わってないよね?」と切り出すEveに、「大丈夫、あと2日ある!」とポジティブなSou。「なんかしゃべることある? あ、二十歳になったんだよね」とEveが振ると、「二十歳になったからっていろんなことをムチャブリしてくるんだよ、ひどい!(笑)」とうったえるSou。2人のマイペースで気張らないトークは、じわじわと面白いし、和ませてくれる。
“アハハーン”コールが巻き起こる中、2人で向き合って歌う場面も見られた「彗星ハネムーン」。KANA-BOONの「ないものねだり」では、ハイトーンやファルセットも駆使するEveとSouのエモーショナルなコラボに、フロアの熱量はどんどん上昇。さらに、「はくしの春」「帝国少女」を、感情を込めてしなやかに歌ったSou。愁い色をたたえた「メーベル」、ファンキーに振り切った「命ばっかり」とガラっと異なる表情を見せたEve。2人の歌声はとても叙情的で、鮮やかな情景を次々と思い浮かばせてくれる。
Eve、Sou
「本番30分前くらいになったら、Souくんが楽屋の机に突っ伏して地蔵みたいでさ。めっちゃ緊張してたから、背中バン!ってしてあげた」と優しさをアピールするEveに、「暴力振るわれたら緊張がほぐれた(笑)」とやっぱり前向きマインドなSou。「あと、みんなが“ワー!”って言ってくれたら……」とSouが言葉を続けると、「欲しがりだな!」とツッコむEve。いざ大きな歓声をもらって逆に緊張してしまうSouの姿にしても、微笑ましい。
そんな2人がカバーした米津玄師の「灰色と青 (+菅田将暉) 」には、真っ直ぐなリスペクトと、表現者としてのそれぞれの個性がしっかりと滲んでいたように思う。2人が息の合った掛け合いで沸かせた「ロキ」を経て、EveにうながされたSouが「Souだけに?」と呼びかけると、オーディエンスが「爽快!」と答える場面も。これは、Eve✕Souライブの恒例儀式(?)になりそうな予感だ。
Sou
2人で一緒にタイトルコールした「フェイク」はEveが初めて書いたコラボ曲で、それぞれに本領発揮できるサビは実にドラマティック。「ハイタ」では、2人がより近い位置で向き合って歌ったり、センターでばっちりハイタッチしたり。Eve✕Souのコラボは、とんでもなく昂らせてくれる。
中毒性の高い「スロウダウナー」で始まったアンコール。フロアを背にしての写真撮影で、Eveが「二十歳最初の……」とSouに振ろうとすると、「出た、二十歳ハラスメント!(笑)」と即座に反応しつつ、「せーの、アオ!」と二十歳最初のシャッターコールをするSou。なんていいコンビなんだ(笑)。
Eve、Sou
Eve「ステージにいるのに、家にいるかのようなアットホーム感があるライブで。平成最後の夏に、素敵な思い出ができました!」
Sou「ライブにあんまり出ていない僕ですけど、今日はとても楽しかったです!」
満ち足りた様子で、「またやりたいね」と笑顔を見せた2人が最後に歌ったのは、ライブで初共演した際に歌ったという「ウミユリ海底譚」。飾らないキャラクターのまま、大好きな歌でオーディエンスの心を動かす2人のコラボライブ、こちらとしてもまたの開催を心待ちにしている。

文=杉江優花 撮影=ヤオタケシ

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