アリス・イン・チェインズ、本日8/2
4世界同時発売の新作にダフ・マッケ
イガンの寄稿も

アリス・イン・チェインズの新作アルバム『レーニア・フォグ』が8月24日、ここ日本も含めた世界各国で同時発売を迎えた。前作から約5年ぶり、まさに満を持してのリリースとなる今作は、ウィリアム・デュヴァール(vo,g)加入後の現体制での3作目にあたるものだ。
タイトルに掲げられている“レーニア”というのは、このバンドの出身地であるシアトルを象徴するもののひとつであるレーニア山のこと。そうした事実からも察することができるように、彼ら自身の音楽や人生そのものにも多大な影響を与えてきたシアトルという土地に対する敬意や愛情といったものが、今作における重要なテーマのひとつになっている。バンドの中枢であるジェリー・カントレル(g,vo)は「俺たちが育った場所、俺たち自身、そして今まで経験してきた栄光や悲劇……。そうした人生のすべてにちょっとした敬意を表した作品だ」と語っており、実際、バンドは今作のレコ―ディングの一部をシアトルのSTUDIO Xで行なっている。かつてBAD ANIMALS STUDIOの名称で知られていたこのスタジオは、彼らが通算3作目にあたるフル・アルバム『アリス・イン・チェインズ』(1995年)を録音した場所でもある。

ところでこのアルバムの発売のために、熱のこもったバイオグラフィを寄稿した人物がいる。ガンズ・アンド・ローゼズのベーシスト、ダフ・マッケイガンである。彼がこのバンドと同様にシアトル出身であること、バンドと古くから友人同士であること、両者がお互いへの協力を惜しまない関係にあることをよく知るファンも少なくないはずだ。2016年4月、誰もが期待していながらも現実になるとは思っていなかったはずの歴史的リユニオンを経ながらガンズ・アンド・ローゼズが新たなツアーを開始するにあたり、最初にスペシャル・ゲストとして声を掛けたのもアリス・イン・チェインズだった。今作の日本盤には、このダフの寄稿文の翻訳も掲載されている。

バンドは現地時刻の8月24日夜には、そのシアトルにあるザ・クロコダイルというクラブにおいてアルバム発売記念のプレミアムなライヴを行ない、翌25日には同じくシアトルのホワイト・リヴァー・アンフィシアターのステージに立つ。実のところ彼らはアルバム発売まで待つことなく去る5月からロードの生活を再開しているが、ここからが『レーニア・フォグ』に伴う正式なツアーの幕開けということになる。今後、11月にかけては全米各地を巡演するのみならず南米各国にも足を延ばすことになっており、当然ながら2019年もこの『レーニア・フォグ』を携えての大々的なツアーが続いていくことになる。日本公演の実現を祈るとともに、まずは過去2作以上に起伏と表情の豊かなこの最新作を味わい尽くしたいところである。

取材・文◎増田勇一
撮影◎Pamela Littky

■アルバム『Rainier Fog / レーニア・
フォグ』

2018.08.24発売
WPCR-18088 ¥2,500+税
01.The One You Know / ザ・ワン・ユー・ノウ
02.Rainier Fog / レーニア・フォグ
03.Red Giant / レッド・ジャイアント
04.Fly / フライ
05.Drone / ドローン
06.Deaf Ears Blind Eyes / デフ・イアーズ・ブラインド・アイズ
07.Maybe / メイビー
08.So Far Under / ソー・ファー・アンダー
09.Never Fade / ネヴァー・フェイド
10.All I Am / オール・アイ・アム

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