新キャストも交えた新旧ハコガクメンツ。左から真波(谷水力)、泉田(河原田巧也)、葦木場(東啓介)、新開隼人(宮崎秋人)、黒田(秋元龍太朗)、荒北(木戸邑弥)

新キャストも交えた新旧ハコガクメンツ。左から真波(谷水力)、泉田(河原田巧也)、葦木場(東啓介)、新開隼人(宮崎秋人)、黒田(秋元龍太朗)、荒北(木戸邑弥)

【ペダステ】新キャラ登場にキャスト
変更も、次世代への確かな手応え!「
舞台『弱虫ペダル』“新生ハコガク”
」ゲネプロレポート

大人気舞台シリーズ『舞台 弱虫ペダル』。9月末から公演が行われた今作は、キャストを大幅に入れ替えてのシリーズ最新作。新キャラ登場、新しいチームハコガクのお披露目など、さまざまな見所が散りばめられたペダステ新作を、ペダステファンの筆者がレポートする。

今回の“ペダステ”最新作は、“新生ハコガク”のストーリーらしい――。そんな噂を聞いてから、筆者は胸をときめかせていた。なぜって、原作ファンでもある筆者は、新生ハコガクチームがとても好きだからである。
【この記事のオリジナル版を見る】「ペダステ」ガチ勢が新生ハコガク篇をレポート(画像6点)
先に公演されていたインターハイ篇では、小野田坂道(おのださかみち)をはじめとするチーム総北に敗北を喫した箱根学園。長年の“王者”、強豪たるアイデンティティを失った彼ら。先輩から後輩へ、“王者”ハコガクのプライドを伝え継いでいく。箱根学園が総北への敗北をチームで乗り越え、次世代につなげるシーンが描かれているのが今作『箱根学園(ハコガク)新世代、始動』なのだ。
まず、今回の特徴のひとつとなっているのは、キャストの大幅な変更だ。前作までのハコガク旧3年生(福富・荒北・東堂)キャストが変更となり、新キャストがお披露目となった。
また、インターハイ篇で坂道と激闘を展開した真波山岳(まなみさんがく)も、植田圭輔さんから谷水力さんへと世代交代。新3年生である葦木場拓斗(あしきばたくと)役の東啓介さんや黒田雪成(くろだゆきなり)役の秋元龍太朗さんが主役級の存在感を発揮するなど、今回の舞台では今までの“ペダステ”とは違うキャスト陣の魅力を見ることができた。
新生ハコガクメンツを紹介
新生ハコガクの役どころとは?ここで、新生ハコガクチームの主力となるキャラクターを改めて紹介しておこう。
第2作(箱根学園篇~眠れる直線鬼~)から河原田巧也さんが演じる泉田塔一郎(いずみだとういちろう)は、新生ハコガクのキャプテンとなる主要人物である。「アブ!!!!」のかけ声でお馴染み、今までは劇中でコミックリリーフ的な役割を担うことも多かったが、今作の泉田はマジでクールなキャプテンだ。新生ハコガクを率いて、王者復権を目指すキャプテンのオーラが、河原田さんによって舞台から溢れんばかりに表現されている。
また、副キャプテンとなっ たのは秋元龍太朗さん演じる黒田雪成。鋭いツッコミが特徴の彼は、ご存じの通りハコガク内のインターハイ予選で、真波に敗北して昨年のインターハイに出られなかったのだが、新3年生となった黒田は、個性派の新生ハコガクチームをまとめ上げていくのに欠かせないツッコミ役として、また、頼もしい先輩として、板の上に存在する。これまでの“ペダステ”でも説明役として出張ってきていたものの、本格的なレースシーンは今回初めてとなる黒田の走りは、 今までの蓄積を頼もしさとして感じさせるに足るものだった。
旧3年生が卒業した後、新生ハコガクのエースを務めることになるのは東啓介さん演じる葦木場拓斗だ。長身でのんびり屋さん、ちょっぴり天然キャラだけど走りは超逸品……そんな特徴ありまくりの葦木場を、東さんの演技力がしっかり再現していた。今回は特に座長を務めたということもあって、その長身も相まって舞台上での存在感を思う存分発揮していた。 ボケ役としてしっかりボケて、黒田や手嶋にツッコまれまくる……ふんわりとした“葦木場”と、エースとしての鋭さを演じきる東さんの演技力に脱帽である。
ここまでの新3年生3名は、今までの“ペダステ”にも出演済みだ。今回の見所は、新しくチームハコガクに加わった新1~2年生たち、そして新キャストたちだと筆者は思う。
注目の新キャストは?
個性派揃いの1~2新年生まず、新1年生として登場した新キャラ・新開悠人(しんかいゆうと)役に飯山裕太さん。彼は言わずと知れた“箱根の直線鬼”と恐れられた旧3年生スプリンター・新開隼人の弟なのだ。
新開隼人といえば、原作でも大人気、舞台でも宮崎秋人さんが演じた超人気キャラなだけに、飯山さんの感じるプレッシャーは大きなものだったろう。劇中でも、「新開隼人の弟だから」というだけで注目される悠人の葛藤を描いたシーンがあったが、筆者から見ても、20歳の若手ならではの初々しい演技は、隼人と比べられたくないと足掻く悠人のエモーショナルな部分をうまく表していたと思う。
また、個人的にとても注目していたのが、人気キャラである真波役がキャスト変更されたことだ。
新キャストとして真波を演じたのは、若手注目株である谷水力さん。『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』では衣更真緒役を演じたこともあり、筆者は彼にとても注目していた。
第2作目から前作まで植田さんが演じていた超人気キャラとしての期待を超えることができるのか? そんな気負いもきっと谷水さんの中にあったことだろう。その気負いさえもスパイスに変えて、前作までよりも少しキリッとした雰囲気の真波が板の上に立っていた。「インターハイでクライマーとして坂道に負けた」、その重さを背負っ た作中の真波の心境はきっと、植田さんからキャストとしてバトンを渡された谷水さんの状況にリンクしているのではないだろうか。
劇中でもクライマーの先輩である東堂に「自由に走れ」と諭されるシーンがあるが、これからの“ペダステ”でもきっと“谷水力らしい真波”を思う存分見せてくれるに違いないと思う演技を、今回見られたと思う。
前作『総北新世代、始動』からの出演、兼崎健太郎さん演じる銅橋正清(どうばしまさきよ)も、今作では圧倒的な存在感を放っていた。
箱根学園自転車競技部で退部と再入部を繰り返した男。どんなに先輩に理不尽な扱いを受けても、 “強さ”という純粋な信念を決して曲げることなく貫いた銅橋――そんなキャラクターの持つ純粋な魅力を、兼崎はしっかりと理解して表現してくれる。
きっとこの先に上演されるであろう続編でも、銅橋は兼崎さんに任せておいて安心に違いないと思わされる。
手嶋役を演じる鯨井康介に注目!
鯨井康介&八島諒の演じる“チーム2人”の存在感!そして、今回のステージで一番筆者が注目したのは、鯨井康介さん演じる手嶋純太(てしまじゅんた)、そして八島諒さん演じる青八木一(あおやぎはじめ)の“チーム2人”。通称“T2”だ。
手嶋役の鯨井さんは、かなり舞台キャリアのある俳優だが、“ペダステ”には前作からの出演だ。そんな彼の才能が思う存分発揮されたのが今回の舞台で、ストーリー進行、そしてツッコミ役、さらにはコミックリリーフなどさまざまな役を、八島さんと“2人で”こなしていたように思う。
ストーリーを進行させときに説明役を務め、突っ込みを入れ笑いを取り……といったステージ上の“お父さん”役(と筆者は呼んでいる)。それが鯨井さんに受け継がれた今回なわけだが、意外なほど安心して見ていられたのは、はやり鯨井さんと八島さんの素晴 らしいコンビネーション、そして鯨井さんの存在感によるものだろうと思った。
「総北新世代、始動」でも鯨井さんの素晴らしい演技力には触れさせていただいたが、今回の舞台を拝見して、改めて続編を見るのが楽しみになった。きっと鯨井さん演じる手嶋は、総北だけでなく、“ペダステ”全体を背負って立つキャストになるに違いない。
そんなさまざまな見所があった今作だが、新生ハコガクのそろった姿は続編への期待を大いに感じさせた。そして、卒業した旧3年生たちの大学進学への言及など、“これからのペダステ”を期待させる描写も。
きっとこのシリーズはこれから先も私たちファンを飽きさせることなく続いてくれるだろうと、予感させた今作であったことはお伝えしておく。
はやく続編を、舞台の上で見てみたいものである。

ウレぴあ総研

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