XOX(キスハグキス)第2章スタート。
雲の向こうはいつも青空

ボーイズグループ・XOX(キスハグキス)が2018年3月10日、東京・渋谷WWW Xにてワンマンライブ『Re:6』(リ・シックス)を開催した。本記事では、当日の模様をレポートする。

Photography_Hiroyuki Dozono
Text_Sotaro Yamada

XOX(キスハグキス)って?

XOX(キスハグキス)は、原宿発のストリートカルチャーを全国に展開するアパレルショップWEGOとSony Musicが仕掛ける「BOYSグランプリ2014」プロジェクトとして誕生したボーイズグループ。2015年12月にシングル『XXX』でメジャーデビュー。Zepp Divercityでの単独公演を成功させ、2ndシングルから4作連続でオリコンウィークリーチャートトップ10入りを果たす。近年勢いを増すボーイズグループのなかで一際強い存在感を示しているグループだ。2017年にはフジテレビ『めちゃ×2イケてるッ!』への出演なども話題になった。

しかし、2017年11月29日発売の5枚目のシングル『PINKY BABY』をもって、リーダーのとまんがグループを卒業。グループの柱を失ったことで、メンバーやアンキス(※XOXのファンのこと)は大きなショックを受けた。
バトシン、志村禎雄(しむら・さだお)、田中理来(たなか・りく)、木津つばさ(きづ・つばさ)の4名体制となったXOXの動向に注目が集まるなか、2018年1月29日に大隅勇太(おおすみ・ゆうた)、安井一真(やすい・かずま)の2名を新メンバーとして迎え入れることを発表。

そしてXOX新体制のお披露目として開催されることになったのが、この日のライブである。

XOX第2章のはじまり

(本番前に気合いを入れるメンバー・スタッフ)

本公演のチケットはソールドアウト。XOX第2章のはじまりに、大きな注目が集まっていることがわかる。XOXのファンは女性が多い。渋谷WWW X周辺には開場前から多くの女性ファンが駆けつけ、いつもとは少しだけ違う宇田川町の景色があった。

開演時間となり、客電が落ちると、フロアはXOXのイメージカラーであるさくら色のペンライトで埋まった。バトシン、志村禎雄、田中理来、木津つばさ、そして大隅勇太と安井一真が現れ、ライブは『Skylight』からスタート。
XOXのディスコグラフィーにおいて、メンバーのソロパートを大幅に増やして転機となった『Skylight』は、いまではXOXの代表曲になった。リリース時(2016年11月)よりも格段にスキルアップしたバトシンのラップを筆頭に、田中理来と木津つばさの力強いラップとエモーショナルな歌、「天性のぶりっこ」というキャラからは想像もつかない志村禎雄のキレのあるパフォーマンスに、フロアからは大きな歓声があがる。
(バトシン)
(田中理来)
(木津つばさ)
(志村禎雄)

大隅勇太と安井一真という新メンバーの2人は、はやくも高いレベルの仕上がりを見せつけた。はじめからこの6人で活動していた、と言われても、過去のXOXを知らない人なら信じてしまうかもしれない。大隅勇太による恵まれたプロポーションを活かしたダンスには強い存在感があってかなりステージ映えするし、安井一真の色気のある声は「SEXY」をコンセプトに取り入れた新体制のXOXにマッチする。そして2人に共通しているのは、歌唱力の高さ。この日のMCではメンバーの口から「音楽を届けたい」という言葉が何度も出たが、大隅勇太と安井一真の加入によって、XOXの強い気持ちは実現に一歩近づいたことだろう。
(大隅勇太)
(安井一真)

ライブ中にラジオの公開収録

ライブ中盤では、TBSラジオにて毎週放送されているレギュラー番組「XOX &radio」の公開収録も行われた。ラジオ番組の収録がライブ中に行われることはもちろん珍しい。メンバーがメールを読み上げ、穏やかな笑いが起き、さっきまでのライブとは一転して和やかな雰囲気になった。

番組内では、『XOXに叱られたいドM女子集まれ〜!』というコーナーが盛り上がった。これは、普段ファンには優しい田中理来がメンバーの前でだけちょっぴり怖い一面を見せることがあり、それを羨ましがるファンが多いことから生まれた『田中理来に叱られたいドM女子集まれ〜!』というコーナーの特別編。オーディエンスがハッシュタグをつけてツイートしたものをリアルタイムで拾い、それに対してメンバーが叱るというユニークなもの。

6人の叱り方にはそれぞれメンバーの個性が色濃く現れていたが、どのように叱っても、かわいさが漏れてしまう。フロアからは「かわいい〜」などの黄色い声が飛び交い、ファンがドMなのかメンバーがドMなのか、もはや判別できなくなってしまう楽しい時間が流れた。

XOXが愛される理由はおそらく、単にビジュアルが良くてステージングに魅力があるからだけではない。こうしたトークを通して表れるメンバーそれぞれのキャラクターの良さ、かわいさ、面白さがファンの心をつかむのだろう。そして、大隅勇太と安井一真いうトーク力のあるメンバーが加入したことによって、そうした彼らの魅力はさらに引き出されたのではないか。2人のトークに推進力があるおかげで、バトシンと志村禎雄は自由を得て、のびのびと本来の自分らしさを出せているようにみえる。田中理来の知性と熱さはより目立っていたし、木津つばさは最年少ながら、裏のリーダーとでも呼びたくなるような進行能力とバランス感覚をみせた。

また、XOXがSony Music内に設立する新レーベルの名前も発表された。その名も「生粋music」。「生粋(きっすい)」とは「まじりけのない」という意味であり、もちろんXOXの「キス」という言葉にもかけられている。メンバーによって名付けられたこのレーベルにXOXが所属、今後の活動が注目される。

雲の向こうはいつも青空

本編ラストは『WE ARE』。「僕らの現実 僕らの夢まだ見ぬ日々を探して 雲の向こうはいつも青空 そう信じていたいな」という歌詞が現在の彼らのムードを反映しており、会場には感動的な雰囲気が漂っていた。

アンコールでは『Nice Day』で一体感をうみだし、ラストは5月23日にリリースされる新曲『OVER』を初披露。ちなみに、5月23日は田中理来の誕生日。どこからともなくバースデーソングが歌われはじめると、やがて会場全体の大合唱に。2ヶ月も早い誕生日の祝福に、大きな笑いが起きた。
(XOX『OVER』MV)

「OVER」には、様々な困難を「越えていく」という意味が込められている。「終わりからはじまりを探そう」という歌詞もあり、まさに第2章のはじまりにふさわしい曲だと言える。この曲をともない、3/17よりリリースイベントがスタート。5/26からは新体制初の全国ツアーも始まる。さらに、6/2〜6/3にはファンクラブ会員限定の沖縄ファンミーティングツアーの開催も発表された。
こうして新体制お披露目ライブは幕を閉じたわけだが、田中理来が「この6人になったのは偶然じゃない。またイチからのスタート」と語ったように、XOXは順調に新たなスタートを切ったように思える。

新メンバーの大隅勇太と安井一真は、実は、田中理来と木津つばさが受けたXOXのオーディションを受けていたそうだ。当時はオーディションに落ち、同じグループになることは叶わなかったわけだが、時を経てこうして同じグループに所属することになった。これは、本当に縁のある者同士はいずれまた出会うというロマンティックなエピソードでもある。

新メンバーとして加入することが発表されたとき、大隅勇太は公式リリースでこんなコメントを発表している。

「いつか、2人が入ってよかったと思ってもらえるようにXOXにとってよかったと思ってもらえるように」

リーダーの卒業というショッキングな出来事があり、XOXには一瞬、暗雲がたちこめたかのようにみえた。しかしこの日のライブを見る限り、そして『WE ARE』の歌詞に照らして言えば、「雲の向こうはいつも青空」なのだ。

「証明しよう、俺たち6人がここに立っている意味を(木津)」

XOXの、アンキスの目に映る未来はいま、底抜けに明るい。
セットリスト

1. Skylight
2. Touch
3. THE MUSIC
4. Ex SUMMER

DANCE PART
XOX &radio 公開収録

5. SNOW WHITE
6. WE ARE

En1. Nice Day
En2. OVER


XOX
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XOX(キスハグキス)第2章スタート。雲の向こうはいつも青空はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

アーティスト

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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