【サマソニ東京ライブリポート】エレ
ファントカシマシ

知り合いのカメラマン(30代前半)と、エレファントカシマシの話をしたことがある。「エレカシは20代後半から急激に好きになる」と言われ、「へぇ」と思いながら聞いていた(筆者は今年25歳)。

仰っていたこと、今なら非常によく分かります。なるほど、これは「日本の歌」だ。『今宵の月のように』の四季特有の切なさや、『デーデ』に込められたルサンチマン。彼らは紛うことなき日本のロックバンドなのである。「厳しい社会」ってヤツを知り始めた20代後半に差し掛かる今、エレカシの曲はどれも胸に突き刺さった。
しかもなかなか抜けてくれない。その理由を考えてみたのだが、僕が辿り着いた答えは、彼らが今もなお「当事者」であるということ。例えば、新曲の『風と共に』。デビュー30周年にして、彼らは「私」のために歌えるのである。あなたの未来でも、お前の未来でも、君の未来でもなく、私の未来のために曲を書けるのだ。それが僕には何よりカッコイイことのように思えた。遠くから「君」のことを歌うミュージシャンよりも、目の前で汗だくになりながら『俺たちの明日』を歌ってくれるバンドのほうが、僕は好き。
隣で同世代くらいのカップルが、涙目になりながらエレカシのライブを観ていた。僕はその光景になぜか心強さを感じて、とても嬉しくなった。色々と大変だけれど、20代後半、悪くないスタートを切れた気がする。頑張ろう。

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