スキンケアはズボラでいい!? 皮膚科
医に聞いた「お疲れ顔が“極上肌”に
生まれ変わるポイント」

鏡に映る自分の疲れ顔。見るたびに気分が下がってしまいますよね。忙しいからこそ、シンプルかつ正しいスキンケアでお肌を整えてあげましょう! 医学的な理論に基づくスキンケアを実践する皮膚科医・小林智子先生に基本的なスキンケア・習慣をお聞きしました。

生活が乱れて疲れ顔になっていませんか? トラブル肌をなんとかしなければと、必要以上のケアをしていませんか?
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時間に追われる生活をしていても、できる限りベストに近い肌状態を保ちたいですよね。
忙しい人でも最低限心がけたい、スキンケア・習慣とは?
『皮膚科医が実践している極上肌のつくり方』の著者であり、医学的立場から発信するレシピ情報サイト「ドクターレシピ」の監修をされている小林智子先生に伺いました。
化粧水はさっとつければOK。必要以上のケアは逆効果皮膚科理論に基づくシンプルなスキンケアを実践し、どこから見てもつるつるの、まさに「極上肌」をキープされている小林さん。
基本的なスキンケアのポイントは――?
小林智子先生(以下、小林)「以前、なにかのアンケートで、『スキンケアの何に一番お金をかけているか』という項目があったのですが、そのアンケートでは化粧水が一番だったんです。クリームや美容液だろうと思っていたので、意外でした。
アメリカではクリームやオイルがメインという感じで、化粧水はそれほど重要視されていません。化粧水は、保湿というよりはクレンジングの締めのような役割。
日本人の肌は欧米人に比べて乾燥しやすいので、肌を整えるという意味では大事なのですが、少し化粧水に重きをおきすぎているような気がしています。
いい化粧水をたっぷり使っているからいい、というわけではないですし、何度もパッティングしたり、化粧水パックを長い時間、顔にあてていたりするのは、逆に肌によくありません。
むしろ、その後に使うクリームや美容液の準備として、肌を整える役割のほうが大切です。
コットンは使っても使わなくても構いません。素早く次の段階にいくために、化粧水はさっとつけ、クリームなどでしっかり保湿します。
化粧水が浸透するのは、肌の表層の部分だけ。『ぐんぐん浸透する』ようなイメージがあるかもしれませんが、それほどの保湿効果はないのです。
スキンケア製品をラインで揃えるのもいいですが、スキンケアの中でどれにお金をかけるかということであれば、化粧水は安くてもよく、美容液やクリームにお金をかけた方がいいと思っています」
基本は肌質に合う好みのものを。ブランドや価格より成分で選びたい――自分に必要な化粧品の見つけ方を教えてください。
小林「私はスキンケアはわりとずぼらでいいと考えています。でもやはり、肌の汚れを取らないと別の肌トラブルを引き起こしたりもしますので、最低限のスキンケアは必要かと思います。
化粧品は、肌によって合う・合わないがありますから、敏感肌用のものを選ぶのが無難。ですが、人によって使用感などの好みも違いますし、実際に使って、自分の感覚に合うかどうかを判断されるといいと思います。
サンプルなども利用して、気になったものを使ってみる。それで、気に入ったらずっと使い続ける、でいいのではないでしょうか」
最も大切なことは…
小林「選び方としては、ブランドや価格の高さで選ぶよりは、何が入っているのか、有効成分を確認して選ぶとよいでしょう。
美容液は、使用用途によって選びます。例えば、美白したいなら、美白成分が入った美容液を選ぶ。容量は少ないですが、やはり濃厚に作られていますし、使っているという安心感はありますよね。
ただ、スキンケア全部に美白成分が入っている必要はありません。美白化粧水などもありますが、美容液なら美容液、クリームならクリーム、というように1点集中で、求める有効成分が入っているものを使うとよいでしょう。
ピーリングに関しては絶対悪とまでは言いませんが、長期的に考えるなら、それを頻繁に使うと、肌にとって負担が大きくなってしまいます。
本来、ピーリングは、ある程度皮膚の深いところまでピーリングすることで、ターンオーバーを促進させるのが一番の目的です。けれども市販品の場合は、肌表面の薄い部分、角層を剥ぎ落とすだけなので、効果に限界があるのです。
たしかにピーリングの後は、ゴワついた肌がつるっとするような実感があります。でも結局ターンオーバーは毎日繰り返されているので、その場しのぎの方法でしかなく…。それは毛穴パックも同様です。
デイリーユーズではなく、勝負の日の前日に使うなどして、あまりそれに頼りすぎないほうがよいでしょう」
最も大切なのは睡眠。美肌の維持をサポートする栄養素をしっかりとりたい――不規則な生活になりがちな人も、「これだけは気をつけたい」という習慣は何でしょうか。
小林「当たり前のことになってしまいますが、一番は睡眠です。仕事で帰りが遅くなったり、仕方がない部分はあると思いますが、周りの話などを聞くと、夜遅くにスマホをやったり、TVを観たりしてダラダラしてしまうことも多いようです。
私の妹も、夜中の2時3時まで起きていて、2~3時間何をしたのか不明…というような過ごし方をしています。それが積もり積もって、睡眠不足を招いているのではないかと思われます。
自分が試してみて一番よかったのは、『スマホをするのは何時まで』というルールを作り、時間が来たらスマホから離れる方法です。スマホのブルーライトは、かなり睡眠の質を悪くすると言われていますよね。今は6カ月の息子に合わせて夜10時くらいには寝ています。
睡眠の質を上げるには、寝る前にストレッチをしたり、音楽を聴いたり、といった習慣をなにか1つ取り入れるとよいでしょう。赤ちゃんを寝かしつける際に絵本を読み聞かせたりする『入眠の儀式』のように、自分の中で習慣を作ると、自然と寝るモードになり、すっと眠れるようになります。
それから、日本人では男女を問わず、亜鉛不足の傾向があり、それが睡眠の質を下げる一因になっているかもしれません。亜鉛にはビタミンAの働きを助ける作用がありますし、いつもより少し積極的にとるというのも、1つの方法です。
亜鉛は、お肉やキノコ類(特に乾燥したもの)などに多く含まれます。牛肉としいたけなどキノコ類のオイスター炒めやしぐれ煮等にしてもよいでしょう。亜鉛を摂ることで睡眠の質も向上しますし、肌にもいいのでおすすめですよ」
『皮膚科医が実践している「極上肌のつくり方」』では、このほかにも、肌をキレイにする食事・生活習慣がたくさん紹介されています。ぜひ参考にして、肌にいい生活をめざしてみてはいかがでしょうか。

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ウレぴあ総研

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