L→R KENTA(Dr)、MOMIKEN(Ba)、IKE(Vo)、UZ(Gu&Programming)

L→R KENTA(Dr)、MOMIKEN(Ba)、IKE(Vo)、UZ(Gu&Programming)

やさしく温かい曲で耳を休めて また頭
から何度も聴いてほしい

「STAND UP」はゴリゴリのロックナンバーで、SPYAIRの新しい一面だなと思いました。

UZ
唯一、設計図外だった曲です。本番のレコーディングの前に全曲を通して何度も聴いた時、何だかしっくりこないところがあって。グッと心を掴まれるようなものが、もうひとつ足りないと思って、最後に急遽作ったんです。SPYAIRって歌優先で作ってきたところがあるけど、これは思い切りギターのリフに寄せていて、歌も楽器の一部という考え方で作りました。アルバムの中に、こういう曲もあってほしいなって。

ノリがポイントの曲なので、演奏が難しそうですね。

KENTA
実際にすごく難しいんですよ!
IKE
それに、アルバムで唯一4人の音だけで構成した、すごくバンドらしい曲なんです。サウンドでシビれたっていうベクトルでいうと、一番はこの「STAND UP」ですね。出来上がった瞬間、“うわ〜、カッコ良い!”って。俺らが昔憧れたロックバンドたちが鳴らしていたような音を、現代の自分たちの技術と現代のレコーディング環境で録ったら、こういうものになるんだ! って。すごくドキドキしました。
UZ
俺らが聴く音楽の趣味も、実はどんどんこういう方向に寄ってきているんです。だから、そういう意味では、自分たちの未来につながっていく一曲じゃないかって思います。

ハードな曲がある一方で、温かいナンバーもあるのがSPYAIRの魅力で。「雨上がりに咲く花」は浮遊感のあるサウンドで、東京の街の情景が描かれていて、中でも《帰りたい 帰れない》というフレーズが印象的でした。

MOMIKEN
僕らは愛知県が地元で、今東京にいるけど、だからと言って地元への愛情を忘れたわけじゃないし。もちろん帰りたいと思う時もあるけど、東京も楽しいというのもあって。何かそういう、さまざまな想いが込められています。
IKE
分かるな〜。この曲はアルバムの中でも一番感情がカオスなんです。答えがないというか、分からないという感情のまま曲が終わっていくんです。「現状ディスクトラクション」を筆頭に、現状打破をテーマに掲げるSPYAIRの中では、ちょっと変わったタッチの曲だと思います。
UZ
コード感も他の曲とはまったく違っているんです。ちょっとオシャレ感みたいなものもあると思いますね。

そして、ラストの「16 And Life」はアコースティックテイストの温かいナンバーですね。

MOMIKEN
毎回アルバムには自叙伝的な曲を入れたいと思ってて、それで作った曲のひとつです。俺が音楽を始めたのがちょうど高校1 年生の時で。そこから今まで走ってきて、その道のりを振り返って感じた、いろいろなことを歌っているんです。もしも何か後悔を抱えているんだったら、次に進むためにそれを許してあげて、またここから歩んでいこうと。
IKE
16歳の頃の自分にタイムスリップしちゃう時もあるし、親の顔がフッと浮かんでもくるし。サビで《こんな僕を 許してくれる》ってあるんですけど、そこがすごく気に入ってて。地元とか親とか、やさしい人の存在を思い描かせてくれるし、誰でもそういう人に許されて生きてきた経験があるからこそ胸に響くと思う。自分に対して、一回紐をゆるめてもいいかなって思わせてくれるような、安心感を与えてくれる曲ですね。俺自身も、そういうやさしくて温かい人のことを思って歌いました。あと、ピアノとかアコースティックのサウンドなので、ひと休みしてまた1曲目の「OVERLOAD」につなげられるんじゃないかなって思います。
UZ
アルバムってやっぱり何度も聴き返してもらいたいじゃないですか。最後に「16 And Life」のような温かい曲で締めると、落ち着けるし、耳も休まるし、だからまた最初に戻りたくなるんじゃないかと思います。

この3年間の集大成を目指して制作した作品ですが、今後のSPYAIRにとってはどんなものになるんでしょう?

IKE
3年間積み上げてきて得た、SPYAIRはこれだ!というものを、この『MILLION』に詰め込みました。これがSPYAIRの代表作と呼ばれるものになっていくと思うし。これでひと区切りというか、ひと幕を終えたみたいな。

次から第二章ということ?

MOMIKEN
というか、これがあれば今後は何をしても大丈夫なんじゃないかと思うんです。これがSPYAIRです!というものなので、これがあるからこそ、むしろ違うことに対して勇気を持ってやれるんじゃないかなと。
KENTA
プレーヤーとしても、いち個人としても、本当にそうだと思いますね。例えば、何年後かにこれを聴いたとしても、きっとすぐに今の気持ちに戻れると思うし。

何年か経っても、SPYAIRを聴くなら、まずこのアルバムからでしょう!というものになったと。

UZ
そういう自信はあります! でも、アルバム単位での美学にこだわるのは、これが最後かな。そういう意味で区切りかなって。次はもう少し楽に作りたいですね。だって設計図を作って、自分たちガチガチに縛って作るなんてね…(苦笑)。
IKE
こういう作り方を一生って言われたら無理だよね。
UZ
でも、最高の作品ができた満足感はすごくあります!
『MILLION』2013年08月07日発売Sony Music Associated Records
    • 初回生産限定盤A(CD+DVD)
    • AICL-2557〜8 3500円
    • 初回生産限定盤B(CD+CD)
    • AICL-2559〜60 3300円
    • 通常盤(CD)
    • AICL-2561 2800円
SPYAIR プロフィール

スパイエアー:2005年結成。10年8月にシングル「LIAR」でメジャーデビュー。東京ドームでのステージをバンドの次なる目標に掲げ、新たなるフィールドに挑んでいく、いわば“戦への狼煙上げ”となる第一弾シングル「THIS IS HOW WE ROCK」を16年7月にリリース。同年11月に発表した“戦い”をテーマにした「RAGE OF DUST」はTVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期OPテーマとして大きな話題を呼び、ロングセールスを記録。17年8月にはオトナの土ドラ『ウツボカズラの夢』主題歌でもある「MIDNIGHT」をリリースした。SPYAIR オフィシャルHP

OKMusic編集部

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