【GACKT】“LAST VISUALIVE”へ向け
てGACKTの壮絶なドラマが始まる
来年のツアーはひとつの区切り その先
また走れるかは分からない
時代を遡ってストーリーを綴る『MOON SAGA』に、そんな意義もあったとは。もしや、そういった時代背景が、GACKTさんに“人の背中を押すことが自分の使命”と思わせる一因でもあります?
いや、それをボクが選んだってだけ。ボクは企業の社長たちとすごく親交が深くて、彼らは何百人の従業員を使うことはできても、その背中を押すことはできないって言うんだよ。ボクみたいに人の背中を押すっていうのは選ばれた仕事であって、誰にでもできることじゃないから、これからもできる限り続けてもらいたいとは言われる。それも冷静にね。やっぱり上に立つ者って、何がこの世の中に足らないのかっていうのを、よく分かってる。もちろん、それは自分でも認識してることなんだけど、いつまでもこのままできるとは思ってない。だから、今回の“LAST VISUALIVE”っていうのは、自分の中で“まず、ここまではやろう”と決めたひとつの区切りであって、これがボクにとって幕引きになるのか、また新しい道を走れるのかはボクにも分からない。やり続けるには努力と体力と精神力が必要で、やっぱり永遠には走っていけないんだよ。身体がどこまで持つのか?という問題と向き合い続けてきたのも事実だし、この17年…バンドを入れると22年かな? ずっと“GACKT”をやってきて、恐らくは心も相当やられている。だから、自分で線引いて、そこまでは走り切ろうと決めたから走ってこれたんだよ。あとはその線を越えた上での判断になる。
その想いは、志半ばで散りゆく義経の姿を描いた「ARROW」にも通じる気がします。
単純にボクの身体から出てるものだから、自分の想いとは重なる。あとは、この曲になぜ“矢”という言葉がたくさん出てくるのか? それぞれの解釈で感じて、考えてほしい。きっとすぐに出てくる答えと、しばらくして出てくる答えは違うだろうけど、その過程が意味のあることになる。
ちなみに最後のサビには《今はまだ 描いた未来が訪れはしないけど》というフレーズが登場しますが、GACKTさんの描く未来というのはどんな姿なんでしょう?
ナイショ。
えぇ!
そんな答え合わせみたいなことしたらダメだよ(笑)。まぁ、言えばたくさんあるからさ。ただ、自分の中で描いてる夢は、最後まで追い続けるつもり。ひとつは…日本人が本気で日本人であるということ、日本人が作ってきた文化を海外にもっと自分たちで示していく糸口やきっかけを作ることは、今やってる。それができないと日本は本当にダメになって、日本人の尊厳もなくなる。
美学を追求する男の生き様を、まさにGACKTさんご自身が体現していらっしゃいますよね。“LAST VISUALIVE”への構想も、着々と固まっているのでは?
うーん、機構的な部分では四苦八苦してるね。例えば、義経の舞台ではプロジェクションマッピングを使ってみたけど、今の音楽シーンで思い通りに活用するには、まだ技術的に足らないことも分かったし。まぁ、楽しみにしてて。もしかしたらライヴ飛ばすかもしれないよ。“あぁ、ごめん。やっぱりできなかった!”って。ウソウソ!(笑)
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