May’n

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【May’n インタビュー】
たくさんのMay’nを
ジャンルレスに見せていくのがテーマ

2025年のデビュー20周年を前に到着したニューアルバム『Prismverse』は、カラフルな万華鏡のように色とりどりの楽曲が収められた全12曲を収録。アーティスト名に込めた想いを今一度再確認し、次元を超えてリスナーに寄り添う力を放って、さらにキラキラとギラギラと輝く一枚だ。

プロとしてステージに立っている以上、
最高・最強を届けていないとダメ

“Prismverse”というタイトルを聞いて、色とりどりに煌めく音楽をイメージしたのですが、実際にアルバムを聴かせていただくと、まさにそのとおりの作品になっていますね。

“みんなにとってのメインテーマになるような音楽を作りたい”という想いで“May’n”というアーティスト名をつけた時から、音楽的にはロック、ポップス、R&B、ダンスミュージックと、ジャンルレスでやっていきたいとは考えていたんです。もちろん長く音楽を続けていく中で、“本当にそれでいいんだろうか? 何でもやっていることで芯がないように見えてしまうんじゃないだろうか?”と悩むこともあったんですけど、やっぱり私はいろんな音楽を歌いたいし、“全部がMay’nだよね”って言っていただけるようなアーティストになっていきたいって、今は迷いなく言葉にできるようになってきました。なので、もっともっとジャンルレスに、たくさんのMay’nを見せていこうというのが今回チームとしても一番大きなテーマになっていて、この“Prismverse”というタイトルも最初に決めた上で制作に入りました。

結果「あはっててっぺんっ」のようなコミカルな曲もあれば、「Follow Your Fantasy」のようなファンタジックで壮大なもの、「GLORY」のような激アツのロックもあって、本当に振り幅がすごいです。

配信曲やタイアップ曲など、シングル以外ですでに聴いていただいている曲も今回はたくさんまとめられているんですが、自分の中でも本当にいろんな曲を作ってきて、歌えている実感はありました。ただ、普通は「あはっててっぺんっ」みたいな曲があるとすごく曲順に迷うものなのに、全然そんなことなかったんです。あまりにもいろんな曲がありすぎて、すぐに“一番気持ちの良い流れってこれだよね”って決まりました。どの曲にもちゃんと想いが込められていて、多面的な面を見せたいというコンセプトにぴったり合っている楽曲たちなんだと感じましたね。

どの曲も際立った個性があるから、特定の曲だけが浮くこともなかったというのは納得です。結果、幕開けはアッパーで、ちょっと楽しかったりスローなパートになり、再び上がって最後は新曲で締める…という流れになったのかなと。

そうですね。やっぱりアルバムのために新曲も作っているので、“『Prismverse』とは?”ということを伝えるためにも最初と最後には新曲を置きたかったんです。

1曲目の「To the Prismeverse」はエレクトロかつダンサブルで、まさに『Prismverse』の世界へと導く入口のような曲ですね。

今作は既存曲も多いので、実は先にジャケットとかアーティスト写真とかの撮影から入ったんです。その撮影に向けてプリズム感だとか、“Verse”という単語から連想される“ユニバース=宇宙的”なビジュアルにしようという話をする中で、まずそのジャケットに合う楽曲が欲しいと思いました。その時、私がプロデュースとメインヴォーカルを担当しているAbyssmareでご一緒しているD&H(PURPLE NIGHT)さんの楽曲が合うんじゃないかとピンときたんです。別にAbyssmareで宇宙らしさを目指したことはなかったんですけど、トラックがバキバキした浮遊感があって、シンガーとしての芯を感じさせてくれるから、『Prismverse』の世界観を表すには打ってつけじゃないかなと。それでD&Hさんに『Prismverse』のイメージをお伝えしてオファーさせていただいたら、“僕が一番得意なジャンルです! 待ち受けも常に宇宙なんです!”っておっしゃってくださって! D&Hさんもめちゃくちゃ気合を入れて作ってくださいました(笑)。

May’nさんご自身が書かれた歌詞には《more than "NOW"》というワードも入っていて、もっと前に進もう、上へ行こうという強いメッセージも感じました。

やっぱりプロとしてステージに立っている以上は自信を持って、その時点での最高・最強を届けていないとダメだと思うんです。今が最高ってことは、明日はもっと最高になるし、そうでありたいと私はずっと願い続けているんです。そんな自分のプライドを歌詞にした時に、宇宙を手に入れていくシンガーみたいな映像が浮かびました。なので、曲頭のAメロでは“どんなFlight明けでも、私、最高のパフォーマンスできるから”というような歌詞を作りました。飛行機とか新幹線とかで移動した直後の公演って、むくみやすいし、喉も乾燥するしで結構大変なんですけど、キャリアを重ねていくうちに、どんなに身体的にストレスがかかるような状況でも万全な状態でステージに立てるようになってきたので(笑)。

まさにプロですね!

あと、2番の《Do you Copy?》はトランシーバーとかの無線通信で使われる言葉で、本来は“聞こえますか?”という意味なんです。それが転じて、ドラマとかでは“私は準備できてるけど、君はどうなの?”みたいなシチュエーションで使われているのがすごく好きで。そこも宇宙を探検しながら歌を届けているシンガーみたいなイメージから膨らませて書いていったところです。

Cメロに“Let's go!”を表す歌詞が、フランス語、ドイツ語、中国語、タガログ語、タイ語、インドネシア語、韓国語で入っているのもユニバース感がありますよね。

これ、全て行ったことのある国の言葉なんですよ。マレーシアとインドネシアは言葉が似ているのでひとつにさせてもらったり、英語圏は英語ひとつでまとめさせてもらいましたけど、今まで一度でも行ったことのある国の言葉は全部入れたかったんです。また、歌い続けていくことで新しい国にも出会えるだろうし、出会いたいという未来への希望を込めて、最後に“…”を入れました(笑)。

今後、そこにどんどんワードが足されていくのかもしれない。初めての国で歌う時、その国の言葉で“Let's go!”を入れたら盛り上がるのでは?

確かに! それも素敵ですね。

ぜひ(笑)。しかし、宇宙をモチーフにした詞世界なのでフィクション感が高いのかと思いきや、想像以上にご自身の体験や思考に紐づいた歌詞になっているんですね。

それはタイアップ楽曲を書かせていただけたおかげですね。どれだけフィクションっぽい世界観だとしても芯となる部分にリアルを入れていなければ、やっぱり想いが乗らない歌になってしまうんです。それをタイアップ曲の制作を通して体感できたので、宇宙を舞台に映画っぽい雰囲気の曲にしたい想いはありつつ、18年間歌手として活動してきた自分のプライドとか信念みたいなものも込めたかったんです。でも、そこまで自分の音楽人生を象徴する歌詞にしたいとは実は考えていなかったんです。最初は普通に“カッコ良い歌詞を書こう!”程度だったのに、どうしても“もっと私は歌いたい!”という想いが入ってきてしまって、おかげでラストの「カラフルスコープ」の作詞に苦労しました(苦笑)。
May’n
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アルバム『Prismverse』【CD+Blu-ray】
アルバム『Prismverse』【CD】

OKMusic編集部

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