Joey Bada$$、およそ5年ぶりとなる単
独来日公演のレポートが到着

NYブルックリンのヒップホップ・コレクティブ〈Pro Era〉率いるラッパー・Joey Bada$$の来日公演が9月1日(金)に東京・EXシアター六本木にて開催された。

およそ5年ぶりとなる単独来日公演は、事前にチケットがソールドアウトし、SNSではチケットを求めるファンが続出。そんなプレミアムな夜となった本公演は、会場が異様な熱気と高揚感に包まれる中、名曲「Paper Trail$」で幕を開け、その後は新旧の楽曲を織り交ぜた約1時間半以上にわたるセットを披露。大盛況の内にジャパン・ツアーの幕は閉じた。そんな熱狂冷めやらぬ本公演のライブ・レポートが到着した。
「デビューから11年も経ってるなんてクレイジーだぜ。かつ、俺はまだ30歳にもなっていないなんて」とステージ上で本人が語っていた通り、すでにこちらがびっくりするほどの貫禄と風格を漂わせて登場したJoey Bada$$。東京での単独公演は2度目とあってか、客席との息もピッタリ。「俺がARIといったらGATOと返して!」と呼びかけ、「ARIGATO!」のコール & レスポンスを何度となく行っていた姿も印象的だった。

「Paper Trail$」とともにステージ上へと登場後まもなく、「デイ・ワン(Day1)からのファンはいるか? 1999!」と呼びかけ、早速17歳の時に発表したデビュー・ミックステープ『1999』のセクションへ。「Waves」や「95 Til Infinity」といった今も色褪せない初期のアンセムを披露していく。ステージ上に用意した酒のボトルを煽りながら、オーディエンスの反応をしっかりと捉えつつショウは進む。「Rockabye Baby」、「Distance」、「THE REV3NGE」とヘヴィでアグレッシブな楽曲も立て続けに披露し、ライブが開始して20分も立つ頃にはすっかり場内のエネルギーはマックス値に。
「去年、アルバムをリリースしたんだ。『2000』って言うんだけど」と語り、「Where I Belong」をキックし始める。途中、アカペラでラップするシーンもあり、さらに彼の姿へ引き込まれていく。「New 911」や「Zipcodes」と『2000』からの楽曲が続き、『2000』のパートは、ラッパーとしての成長・成熟度合いを一段と感じる充実のセクションでもあった。「Cruise Control」ではスツールに座り、メロウな雰囲気で歌う。広い会場の空気を自在に操る様子も見事。

「Show Me」を挟み、「次の曲はfallen HIPHOP soldiers(ここでは、キャリア半ばで逝去したヒップホップ・アーティストたちという意味)に捧げた曲だから、携帯のライトを照らしてくれ」と切り出してNipsey Hussle、Juice WRLD、Pop Smoke、King Vonらの名前をシャウト。最後は「King Capital Steez」と、同じ〈Pro Era〉クルーのアーティストだったCapital Steezに触れて「Head High」へのパフォーマンスへ続いた。その後、「Xのハンドサインを掲げて」と呼びかけ、XXX Tentacionとのコラボ曲「infinity (888)」へ。ここでもまた、最後のフックはアカペラで歌い、会場はさらにエモーショナルな空気に包まれる。
The Notorious B.I.Gの「Juicy」からの有名な一節、「Spread love, it’s the Brooklyn way」を引き合いに出し(いうまでもなく、Joey Bada$$もブルックリン出身だ)、なんと会場にはKiss Camが登場。「大切な人と来てる人はいる〜?」と尋ねながら、スクリーンにカップルたちのキス・シーンが映し出される。最後はJoey自身も恋人をステージ上に招き、アツいキスを披露してくれた(!)。そんな温かな空気の中、「Love Is Only A Feeling」をパフォームし、ライブは徐々に終盤へ。

「他人のせいで自分のことを小さく感じるようなことがあってはダメ。やるべきことをきっちりやるんだ」とオーディエンスに語りかけ、「Shine」を披露した後、「2ndアルバム、『AmeriKKKa’s Most Wanted』からの曲をやってもいいかな、まずはこの曲から」と前置きし、「For My People」へ。速いフロウでスピットする2ndヴァースではさらに歓声が上がる。「Land Of Free」の後、「自分が書いた曲の中で一番お気に入り」と付け加えてから「Temptation」をパフォームし、会場の一体感も絶頂へ。「みんなの顔が見たいから携帯のライトを点けて欲しい」と、最後の一曲に選んだのは「Devastated」だった。オーディエンスの合唱具合も凄まじく、彼が放つ言葉の一つひとつに宿るパワーを改めて実感した。

初期の作品からスタートし、最新作やコラボ曲(Westside Gunnとの「327」も!)を経て、最後は『AmeriKKKa’s Most Wanted』からの楽曲群で締めるという流れも、上手くオーディエンスのエナジーをコントロールしているようで見事な構成だった。深々とお礼をしてステージを去るも、鳴り止まぬアンコールの声に応えて最後の最後に「Survival Tactics」をスピット。みっちりと濃いステージで、隅々まで彼のラップ力を堪能した一夜だった。
Text by Shiho Watanabe(https://www.instagram.com/shiho_watanabe/)
Photo by Kazumichi Kokei(https://www.instagram.com/kazumichikokei/?hl=ja)

Setlist
01. Paper Trail$
02. Hardknock
03. Righteous Minds
04. Waves
05. 95 Til Infinity
06. Hazeus View
07. Christ Conscious
08. Rockabye Baby
09. Distance
10. THE REV3NGE
11. Where I Belong
12. Brand New 911 (intro only)
13. Zipcodes
14. Make Me Feel
15. Cruise Control
16. Head High
17. infinity (888)(XXX TENTACION)
18. 327
19. Show Me
20. Love Is Only a Feeling
21. Shine
22. For My People
23. Land of the Free
24. Temptation
25. Devastated
26. Survival Tactics
【イベント情報】

Joey Bada$$

日時:2023年9月1日(金) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:EX THEATER ROPPONGI

■ 公演詳細(https://kyodotokyo.com/pr/joeybadass.html)

■ Joey Bada$$ 日本オフィシャル・サイト(https://www.sonymusic.co.jp/artist/joeybadass/profile/)
NYブルックリンのヒップホップ・コレクティブ〈Pro Era〉率いるラッパー・Joey Bada$$の来日公演が9月1日(金)に東京・EXシアター六本木にて開催された。

およそ5年ぶりとなる単独来日公演は、事前にチケットがソールドアウトし、SNSではチケットを求めるファンが続出。そんなプレミアムな夜となった本公演は、会場が異様な熱気と高揚感に包まれる中、名曲「Paper Trail$」で幕を開け、その後は新旧の楽曲を織り交ぜた約1時間半以上にわたるセットを披露。大盛況の内にジャパン・ツアーの幕は閉じた。そんな熱狂冷めやらぬ本公演のライブ・レポートが到着した。
「デビューから11年も経ってるなんてクレイジーだぜ。かつ、俺はまだ30歳にもなっていないなんて」とステージ上で本人が語っていた通り、すでにこちらがびっくりするほどの貫禄と風格を漂わせて登場したJoey Bada$$。東京での単独公演は2度目とあってか、客席との息もピッタリ。「俺がARIといったらGATOと返して!」と呼びかけ、「ARIGATO!」のコール & レスポンスを何度となく行っていた姿も印象的だった。

「Paper Trail$」とともにステージ上へと登場後まもなく、「デイ・ワン(Day1)からのファンはいるか? 1999!」と呼びかけ、早速17歳の時に発表したデビュー・ミックステープ『1999』のセクションへ。「Waves」や「95 Til Infinity」といった今も色褪せない初期のアンセムを披露していく。ステージ上に用意した酒のボトルを煽りながら、オーディエンスの反応をしっかりと捉えつつショウは進む。「Rockabye Baby」、「Distance」、「THE REV3NGE」とヘヴィでアグレッシブな楽曲も立て続けに披露し、ライブが開始して20分も立つ頃にはすっかり場内のエネルギーはマックス値に。
「去年、アルバムをリリースしたんだ。『2000』って言うんだけど」と語り、「Where I Belong」をキックし始める。途中、アカペラでラップするシーンもあり、さらに彼の姿へ引き込まれていく。「New 911」や「Zipcodes」と『2000』からの楽曲が続き、『2000』のパートは、ラッパーとしての成長・成熟度合いを一段と感じる充実のセクションでもあった。「Cruise Control」ではスツールに座り、メロウな雰囲気で歌う。広い会場の空気を自在に操る様子も見事。

「Show Me」を挟み、「次の曲はfallen HIPHOP soldiers(ここでは、キャリア半ばで逝去したヒップホップ・アーティストたちという意味)に捧げた曲だから、携帯のライトを照らしてくれ」と切り出してNipsey Hussle、Juice WRLD、Pop Smoke、King Vonらの名前をシャウト。最後は「King Capital Steez」と、同じ〈Pro Era〉クルーのアーティストだったCapital Steezに触れて「Head High」へのパフォーマンスへ続いた。その後、「Xのハンドサインを掲げて」と呼びかけ、XXX Tentacionとのコラボ曲「infinity (888)」へ。ここでもまた、最後のフックはアカペラで歌い、会場はさらにエモーショナルな空気に包まれる。
The Notorious B.I.Gの「Juicy」からの有名な一節、「Spread love, it’s the Brooklyn way」を引き合いに出し(いうまでもなく、Joey Bada$$もブルックリン出身だ)、なんと会場にはKiss Camが登場。「大切な人と来てる人はいる〜?」と尋ねながら、スクリーンにカップルたちのキス・シーンが映し出される。最後はJoey自身も恋人をステージ上に招き、アツいキスを披露してくれた(!)。そんな温かな空気の中、「Love Is Only A Feeling」をパフォームし、ライブは徐々に終盤へ。

「他人のせいで自分のことを小さく感じるようなことがあってはダメ。やるべきことをきっちりやるんだ」とオーディエンスに語りかけ、「Shine」を披露した後、「2ndアルバム、『AmeriKKKa’s Most Wanted』からの曲をやってもいいかな、まずはこの曲から」と前置きし、「For My People」へ。速いフロウでスピットする2ndヴァースではさらに歓声が上がる。「Land Of Free」の後、「自分が書いた曲の中で一番お気に入り」と付け加えてから「Temptation」をパフォームし、会場の一体感も絶頂へ。「みんなの顔が見たいから携帯のライトを点けて欲しい」と、最後の一曲に選んだのは「Devastated」だった。オーディエンスの合唱具合も凄まじく、彼が放つ言葉の一つひとつに宿るパワーを改めて実感した。

初期の作品からスタートし、最新作やコラボ曲(Westside Gunnとの「327」も!)を経て、最後は『AmeriKKKa’s Most Wanted』からの楽曲群で締めるという流れも、上手くオーディエンスのエナジーをコントロールしているようで見事な構成だった。深々とお礼をしてステージを去るも、鳴り止まぬアンコールの声に応えて最後の最後に「Survival Tactics」をスピット。みっちりと濃いステージで、隅々まで彼のラップ力を堪能した一夜だった。
Text by Shiho Watanabe(https://www.instagram.com/shiho_watanabe/)
Photo by Kazumichi Kokei(https://www.instagram.com/kazumichikokei/?hl=ja)

Setlist
01. Paper Trail$
02. Hardknock
03. Righteous Minds
04. Waves
05. 95 Til Infinity
06. Hazeus View
07. Christ Conscious
08. Rockabye Baby
09. Distance
10. THE REV3NGE
11. Where I Belong
12. Brand New 911 (intro only)
13. Zipcodes
14. Make Me Feel
15. Cruise Control
16. Head High
17. infinity (888)(XXX TENTACION)
18. 327
19. Show Me
20. Love Is Only a Feeling
21. Shine
22. For My People
23. Land of the Free
24. Temptation
25. Devastated
26. Survival Tactics
【イベント情報】

Joey Bada$$

日時:2023年9月1日(金) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:EX THEATER ROPPONGI

■ 公演詳細(https://kyodotokyo.com/pr/joeybadass.html)

■ Joey Bada$$ 日本オフィシャル・サイト(https://www.sonymusic.co.jp/artist/joeybadass/profile/)

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