渋谷すばる

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【渋谷すばる インタビュー】
今、自分の作る音楽が
どう変化していくのかがすごく楽しみ

その勇気が持てたら、
きっと新しい世界は開かれると思う

渋谷すばる

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監督とは曲が仕上がってからお話しされて、歌詞を少し直したとお聞きしましたが、それは自主的に変えたほうがいいと感じたということですか?

そうなんです。1行だけなんですけど。まだその時点でも撮影は始まっていなくて、映像もなかったんですが、監督さんの構想をお聞きして、一箇所だけどうしても歌詞を変えたいなと。

それはどの部分だったんですか?

最後のサビの部分です。《今度は一緒に踊りましょう/それまでお預け最初のダンス》というところの、《今度は一緒に踊りましょう》の1行です。最初はそれまでのサビ部分と同じく“あの世で一緒に踊りましょう”だったんです。

それはどういうところから、何を感じ取ってのことだったのでしょうか?

“自分に自信をなくして、もう踊れないと思ってしまったバージンさんが、この映画の最後にどう思えたのか?”というところを、監督は最後にどう描きたかったのかと考えたんです。その答えは映画を観た人が決めることでもあると思うんですけど、僕としては“今度”にすべきだと感じたというか。来世じゃなく、あの世じゃなく、この世で、“今度”一緒に踊ってほしいと思ったんですよね。監督とお話して、監督の願いをそこに感じたりもしたんです。

ひと言のワードの違いではありますが、とても大きな違いを感じますよね。

はい。バージンさん目線での《今度は一緒に踊りましょう》というところと、まだ一度も踊ったことのない人に向けて《今度は一緒に踊りましょう》という意味も込めたのに加えて、最後に《それまでお預け最初のダンス》って歌詞も書いたんです。“一歩を踏み出してごらんよ”っていう意味の“最初のダンス”。その勇気が持てたならきっと新しい世界は開かれると思うから、“頑張って!”っていう意味というか。

なるほど。とても大きなメッセージだったんですね、“最初のダンス”は。

この映画を観た人が最後に笑顔になってくれたらいいなと思ったんです。狭い世界、狭い道を歩いてきた人が、ちょっと目線や考え方を変えただけで景色は大きく変わるっていうことを、この映画は教えてくれていると思ったので。
渋谷すばる

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田中監督もこの映画を観てくれた人がとにかく元気になってくれたら嬉しいっておっしゃっていましたもんね。

そう。この映画は田中監督のオリジナルの脚本で、本作が映画監督のデビュー作になるということもお聞きしていたのも、僕の中ですごく大きなことだったんです。歌詞の最後の1行を書き換えようと思ったのも、監督に対して、監督がこの映画にかける想いの深さを強く感じたからでもありました。映画の舞台となった岐阜の郡上八幡は監督の故郷でもあって、その場所で映画を作りたいという強い想いがあったところから始まったそうなんですが、僕が監督とお話しさせていただいたのはコロナの感染がまた広がりつつあった時期で、監督が一番撮りたかった郡上八幡の郡上踊りのシーンが撮影できなくなるかもしれないという状況だったんです。本来なら実際に郡上踊りが行なわれる時期に郡上に行って、そのリアルなお祭りの様子を撮影したかったみたいなんですけど、コロナの感染拡大による自粛から、お祭り自体が中止になってしまったらしく。郡上踊りは遊びに来た人たちが地元の人と一緒に踊れることが魅力で、監督はその“どんな人でも参加できて、一緒に踊れるお祭り”というところに、この映画から一番伝えたいメッセージを重ねたかったそうなんですよね。だから、それができなくなってしまうかもしれないのは、本当に頭を抱えていたタイミングでもあったんです。監督は郡上八幡の話をする時、本当に楽しそうにお話しされるんですよ。“あぁ、この場所を本当に愛しているんだな”っていうのが伝わってきて、“この人が一番伝えたいものを主題歌という立場から、音楽で100パーセント表現したい!”と思って、最後の最後までこだわりました。そうすることで、きっと観てくれる人たちにも監督がこの映画に込めた想いが伝わってくれると思ったので。

素敵なお話ですね。

そう。ほんまに素敵なお話しやなって思ったんです。監督の人柄もすごく伝わってきたし。結局、コロナの影響もあったから通常どおりのお祭りはできなかったみたいで。でも、郡上八幡の人たちの協力によって、撮影の2時間だけ郡上踊りをやってくれたそうです。本当にみんなの愛の力で作り上げられた映画だったんやなって感じたら、本当に胸がアツくなって。またそれを監督が嬉しそうにお話しされるんですよ! “絶対にいい音楽で締め括らなくちゃ!”って気持ちがどんどん強くなりました。

OKMusic編集部

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