夢は、幾つになっても卒業なんてしな
くていい。d-girlsのメンバーたちが
掲げていた目標動員を達成。次は、Z
epp Hallへ向けての夢を描こうか。
ワンマン公演は、d-girlsではお馴染みとなった、着替えの時間中にゲストのライブを挟む形を取りながら、ノンストップで続く二部構成のスタイルで行われた。この日は、舞台の背景に巨大なスクリーンを用意。そこへ、楽曲ごとに似合うサイバーな映像を映し出す形で進んでいたことも、先にお伝えしておこう。
前編は「universe」をテーマに、壮大な宇宙空間を舞台にした物語が似合う楽曲を中心に構成。ライブは、杉本よしみと瀬戸千花の歌う『CHANGE THE WORLD』の英語バージョンから物語を綴りだす。力強いキックのリズムが、気持ちを熱く騒がせる。彼女たちが前半部に並べたのはすべて、強いビートとプログレッシブでスペイシーなシンセの音が飛び交う、現実を遠ざけ、サイバーでワンダーな世界へ連れだす曲たち。観客たちも、次々と流れるメロディアスな歌とドラマチックな展開も見せるハウスミュージックに身を任せ、心地よく身体を揺らせば、メンバーたちのパフォーマンスに動きや振りを合わせ、一緒に踊っていた。
d-girlsの特色が、全員歌唱ではなく、1人、もしくは2人の歌い手が、曲ごとに込めた想いや物語を歌い表現していくこと。『distination』では、メンバーらの「いつまでも歌い続けたい思い」を斉東由奈が歌唱。グループを支えてくれる仲間たちと一緒に、d-girlsの歌の数々を紬いでゆく思いを。何より、メンバー一人一人がd-girlsの楽曲を歌い続けてゆく意志を、斉東由奈が代表して伝えていた。澄み渡る杉本よしみの歌声からの幕開け。その声へ百瀬めいが彩りを加えだす。強烈な四つ打ちのリズムの上で、2人は伸びのある透明な歌声を響かせながら歌った『only once』。どの楽曲も、そう、歌い手の描きだす物語へ、他のメンバーたちがパフォーマンスで彩りを与えてゆく。
瀬戸千花が、新曲の『meteor』を初披露。彼女の澄み渡る歌声から始まった物語は、楽曲が力強く躍動するのに合わせて輝きだす。恋愛曲に見立てながら、仲間たちの支えがあるからあきらめずに進み続けられる彼女たちの思いを投影。「誰も知らない物語なら、僕が最初のページをめくる」と瀬戸千花は歌っていた。まさに、今の自分たちの意志を強く現した楽曲だ。杉本よしみが披露した新曲の『blue regret』は、歌謡曲/ユーロビートという日本人の歌心のツボにしっくりはまるダンス曲。杉本よしみの歌声には、メロディアスな楽曲が似合うように、まさにピッタリの組み合わせだ。歌謡メロと言えば、斉東由奈にも似合う表情。彼女は甘い、でも深みを抱いた歌声を魅力に、歌謡ユーロビートに生まれ変わった『Reverse』を通して、華やかさも覚える歌声で爽やかに、夢を追い求める気持ちを重ね合わせ歌っていた。瀬戸千花が歌った『幾星霜の物語』でもキラキラとしたスペイシーなユーロビート系の楽曲に乗せ、観客たちの気持ちをアゲ続けていった。ノンストップで続くd-girlsのライブ。微妙に緩急や色の変化も与えながら、でも、一度上がったテンションを落すことなく、彼女たちは宇宙と星を舞台にした、夢を繋ぐ人と人との心の物語を描き続けてゆく。
前編最後に届けたのが、百瀬めいが歌う新曲の『Addictive』。思いきりユーロビートしている、アニメのテーマソングのような楽曲だ。派手な華やかで、喧騒的。ギラギラとした楽曲に、百瀬めいが甘くチャーミングな歌声で彩りを与えていた。間奏でメンバーたちが見せたパラパラ風のダンスを、観客たちもその場ですぐに真似、一緒に踊りに興じていた姿も印象的だった。
ゲストとして出演したRONLONのライブを挟み、ライブは後編へ。ここでは、d-girlsのライブを形作ってきた「HAPPY/POP」な曲たちをラインナップ。後編の楽曲はどれも、理性のストッパーを外してはしゃぐのはもちろん。夢を輝きとして追いかけていた少年や少女の頃の自分へ揺り戻してゆく曲ばかりが並んでいた。
夢へと馳せる途切れぬ想いを描いた、杉本よしみの歌う『Smile again』では、心地好く弾むビートに乗せ、フロア中の人たちがメンバーらと同じ振りを真似ながら一緒に飛び跳ねていた。流れる歌に合わせ、夢に夢見る乙女や少年に自分たちの心を染めあげていた。彼女たちが真っ直ぐな気持ちで歌を届けるたび、一瞬にして青春時代に舞い戻り、夢中になってはしゃげるのが嬉しい。
ゲストに、オリジナルメンバーの喜屋武里奈が登場。6人のd-girlsは、とても華やかだ。杉本よしみと瀬戸千花を歌い手に、活動初期からd-girlsのライブに華やかな空間を描き続けてきた『brave heart』は、その華やかさを具現化するに相応しい楽曲。この曲を胸に受け止めるたび、互いの絆を深く結びあい、夢に向かって一緒に飛び立つ気持ちになれる。6人が大きく振る手が羽ばたく翼になれば、一緒に振り上げた手を翼に変え、未来へ向けて羽ばたき続けていたかった。喜屋武里奈を加えたことで、ダンスパフォーマンス面に彩りと奥行きを与えていたのも嬉しい。
「今すぐ君に伝えたい 明日のことはわからない この瞬間側にキミがいてくれる幸せを」。杉本よしみと瀬戸千花が歌う『moment』だ。 『brave heart』『moment』と続くこの曲の流れが、d-girlsのライブに於ける、理性を忘れてブチ上がれる最高にエモい流れ。今、この瞬間、一緒にこの輝きの中に包まれていれたのが最高だ。ずっとずっと胸のドキドキが膨らみ続ける。止まらない衝動。沸き立つ楽しさが二乗三乗と無限に膨らみだす。
ライブも終盤へ。「悲しみつらさ寂しさも全部夢が埋めてくれるから」。飛びだしたのが、杉本よしみが歌うd-girlsのエモキラーチューン『dreamer』だ。フロアにいる大勢の人たちが、夢を夢で終わらせない勇気を手に、彼女たちと一緒に夢中になって騒いでいた。杉本よしみが、「d-girls」と甲高い声で叫ぶ声が胸を熱く騒がせる。このままズッと、メンバーと一緒に大きく手を振り上げ、飛び跳ねていたい。HAPPYなこの気持ちこそが生きる証。何時までだって夢を追いかける勇気を分かち合える、最高のひとときだ。
いろんなアイドルやアーティストたちが歌にしている、「夢で終わらせない」という言葉。何度もどん底を味わえば、そのたびに新たなスタートを切り続けてきたd-girls。今回の挑戦がもう何度目になるかはわからない。でも、先日9周年を迎え、10年目に入った今も、「挑戦」を掲げ、それを叶えられることを彼女たちは証明した。夢に卒業なんて、ない。幾つになろうと、何度失敗を重ねようと、あきらめない気持ちと、それを本気で示す行動が伴えば、こうやって夢に共感を覚え、一緒に走ろうとパートナーになる人たちとの出会いが生まれる。もちろん、長く一緒に夢を追いかけてくれる人たちの心の支えがあるから、彼女たちは何度も立ち上がってこれた。この日のように、久しぶりに再会した人たちだっている。これからだって、夢を夢で終わらせない気持ちが無くならない限り、何度だって「成功」を手にし、みんなで「笑顔」を分かち合える。そこに規模の大小はない。あなたの心から夢が欠けてきたなら、d-girlsのライブに足を運び、夢をチャージしてほしい。夢は、幾つになっても卒業なんてしなくて良いのだから。
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
yoshimi15周年記念公演〜d-trance復活祭〜
2022年11月25日(金)
出演
一般ご予約URL(10/19 21:00~11/24 21:00)
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yoshimi15周年記念単独公演〜15周年目のありがとう〜
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