『新テニミュ』、やっぱり大人も青春
しています!~ミュージカル『新テニ
スの王子様』Revolution Live 2022 
村上幸平、和泉宗兵、進藤 学、岸 祐
二インタビュー

ミュージカル『新テニスの王子様』初のライブイベントRevolution Live 2022がいよいよ幕を開ける。総勢37名のキャストが幕張メッセに勢揃い、本編同様しのぎを削って歌とダンスで燃え上がるこのステージに向け、今回は中学選抜メンバー&U-17(アンダーセブンティーン)選抜メンバーを翻弄するコーチが登場! 黒部由起夫役の村上幸平、齋藤至役の和泉宗兵、柘植竜二役の進藤 学、三船入道役の岸 祐二の4人が“オトナだからこそ”の視点で新テニミュの魅力を語ってくれた。
ーーまずはミュージカル『新テニスの王子様』(新テニミュ)に出演が決まったときのお気持ちから振り返っていただけますか?
岸:僕は(制作の)ネルケプランニングさんとは舞台版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」以来の長いおつきあいなんですが、その後何度か2.5次元作品へもお声がけいただいたもののなかなかタイミングが合わず、この『新テニミュ』で久しぶりに出演が実現したという感じです。思い返せば『こち亀』も『新テニミュ』も同じプロデューサーさんでしたし、三ツ矢(雄二)さんの作詞というのも共通で、僕はずっとまた三ツ矢さんの作品を歌いたいなって思ってたんですよ。だからそれが……三ツ矢さんの詞を歌うことがって嬉しかったなっていうのもありました。でも最初は「『新テニミュ』? どんな役?」って、さすがに学生ではないと思うけど、まずは役について詳しく教えてくれ! という興味が先でしたね。ただどんな役にせよ、みなさんがいいと思って声をかけていただいたのならそれを全うするだけだなって思いましたし、ほんとになにもかもやってみなきゃわかんない状況。とにかく信じてやらせていただきますっていう気持ちでした。後輩で仲良くしている『テニミュ』(ミュージカル『テニスの王子様』の略)出身の子たちもたくさんいて、「ぜひやってください」と言ってくれてたのも嬉しかったです。
岸 祐二
和泉:僕は衝撃でしたよ、ほんとに。最初は『新テニミュ』という概念が自分でわかっていなくて(笑)、『テニミュ』の新しいスタートみたいな感じかな? じゃあコーチとか南次郎みたいに誰かのお父さんとかかなと思ってたら、これは全く違う『新テニミュ』、『テニミュ』と同時進行で始める企画だとわかった。それからコーチを全部調べて……まだ誰になるかわからなかったのでね。でもまあ僕が三船なのは無理だよなってずっと思ってました(笑)。で、齋藤でということになりビジュアル撮影の日かな。初めて他のキャストが誰かっていうのを知って、そこでまた衝撃! 岸さんの名前を見つけて。僕、初舞台が岸さんと一緒だったんですよ。だから大先輩とまさか……しかも『テニミュ』の場で再会!? 人生ほんと何が起こるかわかんないなって。
岸:ハハハッ(笑)
和泉:あとね、今は僕も2.5次元の仕事も多くやらせてもらってますけど、やっぱりどこへ行っても「『テニミュ』出身です」っていう後輩たちの中にいると一種の疎外感というか……自分にはない目に見えない縦の強いつながりみたいなものに触れてたから遠巻きに「それいいな」と思ってたんですよ。でもこれからは晴れて自分も『テニミュ』出身……じゃないですね(笑)、『テニミュ』系だな、みたいな喜びが一番大きかったような気がします。いい大人になって、ついに晴れて『テニミュ』系。
村上:自分は『仮面ライダー555』という作品に出演したのが2003年だったんです。ちょうどその同じ年に『テニミュ』が一方で始まっていて……だから僕にとって『テニミュ』はすごい気になる存在ではあったんですよ、ずっと。で、仮面ライダーが終わった後も僕は映像の仕事がメインだったのでなかなか縁がなくて、その後舞台メインにシフトした時にはもう中学生をやるにはちょっと無理なお年頃になっていたので(笑)、「ああ『テニミュ』とはもう縁がないんだろうな」と思っていたら、今回『新テニミュ』という作品のコーチ役がある、と。そこで黒部のビジュアルを見た瞬間に「これは俺だ。絶対俺だ」と。
村上幸平
和泉・進藤・岸:おぉ〜っ。
村上:で、無事に出演が決まったのでよかったんですけど……和泉君と同じですね。これで僕ももう『テニミュ』に入って、『テニミュ』俳優の称号を手に入れたぞって感じです(笑)。今は。
ーー確かに『テニミュ』初期のあの頃、若手の俳優さんは特撮か舞台か、もしくは双方を行き来して……という活動の仕方が目立つようになっていました。そこでは観客側だけでなく、俳優さん自身もそれぞれちょっと意識しあっていたんですね。
村上:そうですね。あとやっぱり現場の共演者の若い人たちがほぼ『テニミュ』出身だったりするのが「いいな」と思ってたんです。共通言語、共通の思い出がある同僚同士というのが。
ーー進藤さんはまさにその『テニミュ』出身者。1stシーズンで六角・黒羽春風を演じ、OBとして『新テニミュ』に戻ってきました。
進藤:僕も25歳の時に特撮番組で俳優デビューさせていただいて、その後の初舞台がテニミュで。僕自身はデビューが比較的大人になってからだったのもあり、そこからはわりと俳優仲間の中ではイレギュラーな生き方をしてきたのかな……と。周りは『テニミュ』から世に出て俳優業をどんどん貫いてってとか、さらに本格的なミュージカル界に行ってという人が多い中、僕はエンターテインメントを続けつつも異色のトレーナー業に進みました。なのでもう一度『テニミュ』に戻ってくることはないんだろうなと思っていた矢先、突然(演出の)上島(雪夫)さんから「『新テニスの王子様』にお前みたいなコーチがいるんだよ!」って連絡があって。僕、すぐ調べたんです。大人はいるけどどれだ? で、柘植を見つけて薄々「これだろうな」って(笑)。でもThe First Stage上演が決まった時に上島さんからまた連絡がきて、「The First Stage、お前出ないみたいなんだ」「そうなんですね」って。じゃあ、このまままた無しなのかなと思ったら……The Second Stageの予定があるということで再びお話が出て。
進藤 学
ーーつまりきっかけは上島さんのひらめきのキャスティング!
進藤:そうなんですよね。僕、最初の『テニミュ』のときも上島さんが「こいつおかしな奴だから使おう」って推してくださっていたらしくて。今回上島さんからは「とにかくセクシーでやってくれ」というオーダーがあったので、まずは「じゃ、セクシーでいきますね」って(笑)。あとは……『新テニミュ』は僕以外にも結構テニミュから再び戻ってきたメンバーがいるんですけど、みんなが自分のスタート地点からここまで成長してきたものをまた新しい『テニミュ』という作品にしっかり還元している。だから僕自身の役割というのもきっとそこですよね。ここまでトレーナーとして世間の皆様の健美を守りつつ生きてきた糧を、このミュージカルのコーチとしてそのままやって伝えていければいいんだなって思いました。
ーーそういえば客席でほぐされる“柘植タイム”もありましたね。
進藤:そうですね。あそこからまた僕は夢が広がったので……しっかり2.5次元作品のお客様たちの健康を守っていくという使命があるなと思ったので(笑)、そういう展開も今後していきたいなと。なので柘植のことを好きな原作ファンの方には「ちょっとキャラ違うんじゃない?」ってなってしまったら本当に申し訳ないなという気持ちでいっぱいなんですけど。
ーーではこれまでの2作で体感した『テニミュ』の世界はいかがでしたか?
和泉:「『テニミュ』を観ると元気が出る」ってみなさんおっしゃるじゃないですか。それが劇場に入って「こういうことなんだ」って実感できました。お客様が舞台を観て元気になった姿を見て、僕らもまた元気をもらえる。『新テニミュ』の初演はまさにコロナ禍の一番最初の厳しい時期でお客様の入りもどうだろうって不安もあったんですけど、開場し、楽屋のモニターでたくさんのお客様が座席に座る様子が見えたときに、ものすごく感動したんですよ。本番が始まってからも客席でみなさんがものすごく喜んでくれてるなっていう空気もわかりましたし、1幕が終わって休憩に入った瞬間、声を出しちゃいけない中でも静かに抑えきれないざわめきがものすごくて、みんなが興奮して心がわーってなってるその盛り上がりがね、やはりモニター越しに感じられた。あれに、ものすごい感動してしまって。カーテンコールで歌ったりしてるときなんかもお客さんが手拍子をしながらとてもキラキラしてて……いわゆるカーテンコールで拍手をいただくっていうことだけじゃない“なにか”、僕らと客席との間に生まれるグルーヴ感、そこだけにしかないお互いのエネルギーみたいなのをすっごい感じましたね。それが本当に他の舞台ともちょっと違う感覚で、「ああこれが『テニミュ』か」って。
和泉宗兵
ーーわかります。不思議となにか清々しいモノが吹き抜けるんですよね。
進藤:役者同士のことで言うと、他の現場と改めて違うなと感じたのは袖の空気感というか……本番中のね。やっぱり大人たちが集まる現場ってもっとドライで、それこそ自分の出番が終わったら次の出番まで楽屋に戻っていたりそれぞれがそれぞれのルーティンで自分の時間を過ごすのが普通ですけど、ここはそうじゃない。自分がハケても結構熱い眼差しで仲間のことをずーっと袖から見守っているようなとても暖かな空気感があったりして。そういうのを体感すると、「懐かしいな」「こういうこと昔してたな、自分も」みたいな気持ちが蘇りましたね。
和泉:忘れてしまってた?
進藤:そう! いつの間にか……失くしてはいないけれど、どこかに置いてきて忘れてしまっていたような、かけがえのない大切なものをまた取り戻すことができた感覚。そういう意味では、確かに自分は大切なものを失いかけていたんでしょうね。それをまた取り戻しました。みんなが本当に仲間として一緒に成長しようという気持ちのあるカンパニー、チームとしてのああいう気持ち、すごくいいなと思った。
ーー年齢を超えて同じマインドになれた。素敵です。
進藤:そうですよね。
和泉:岸さんの出番のときなんかもうすごかったです、袖が。みんな観に行ってて。
岸:ほんと? 僕は覚えてないけど。
岸 祐二
和泉:観てましたよ。みんな。
岸:そうか。観てくれてたなら嬉しいね。やっぱり僕はミュージカル俳優としてここまでやってきたことを『新テニミュ』に渡すというか、僕の存在が作品のクオリティーを上げられるとするならば、そこを伝えるために入れてもらったんだろうなと思うので……出演者はもちろん、お客様にそれを伝えなきゃっていうことがまず最初のテーマでしたよ。
ーー三船の「革命だ!!」という雄叫びは、「これを聴くためにこの公演を観に来たのかもしれない」と思うほど作品を貫く全てが篭っていましたし、そこで躍動するテニス少年たちも一層熱く輝いていました。
岸:上島さんの考えというか、僕とやりたいと思ってくれたことがステージ上でしっかり形になったというか。それぐらいあの流れは良かったなと思いますし、それこそ(当時のネルケ会長)松田(誠)さんが終演後に興奮してらっしゃったんで、それも嬉しかったな(笑)。
お客さんに関してはやっぱり他のミュージカル作品とは違う新しいものを目にするっていう出会いと、あとこれも『テニミュ』シリーズの独特な文化だと思うんですけど、上手さは関係なく、一生懸命やっている役者の子たちを純粋に応援する気持ち、そういう支え合うエネルギーみたいなものに溢れてますよね。そこにいるみんなで『テニミュ』という世界を大切に共有し合う時間みたいなものが感じられて、僕も「いい空間だな」と思いました。
村上:The First Stageで特に思ったんですけど、『新テニミュ』ってやっぱり岸さんという絶対的存在があって、みんなが岸さんの背中を追いかけてて、岸さんに一歩でも近づこうとするエネルギーそのものがこの『新テニミュ』という作品のパワーなんじゃないかなっていうのを僕はずっと感じていて。さっきの袖のエピソードもホントにみんながちょっとでも岸さんのテクニックを盗みたいと思って観ていた光景ですしね。その絶対的存在感がこの作品のクオリティーをもう一個高いものに上げてくださっているんですよね。
村上幸平
ーー表現者の先輩としても、絶対的なコーチ・三船としても、でっかい壁としてここにいてくれている岸さんは、2つの意味で若者を鼓舞する存在。
村上:そうそう。だから岸さんThe Second Stageは出演されていなかったですけど、そのマインドっていうのは僕らの中に強烈に残っていて、特にThe First Stageを経験した人は常に岸さんの存在感を感じながら「もっと上にいくぞ」と挑んでいた。
僕自身はThe First Stageでは作中ですでに中学選抜メンバー、U-17(アンダーセブンティーン)選抜メンバー、コーチ陣という縦のラインがしっかりあったので、なるべくその原作に忠実であろうと思いましたし、黒部のクールビューティーをしっかり表現できればいいなと思ってやっていたんですけど……The Second Stageに関しては上島さんから「ちょっと箸休め的な存在でいてくれ」というオーダーをいただいて。
ーー中高生が必死で戦い続ける中、その上に立つ大人の余裕を見せてもらいました。
村上:The First Stageできっちり軸を作ったというのもあるのでちょっとふざけても大丈夫っていう信頼のもと、狂言回しというか、コメディタッチな面もたくさん見せるようになった。僕としてはそうすることでより黒部というキャラクターに深みが出せたようにも思います。
(左から)岸 祐二、和泉宗兵、進藤 学、村上幸平
ーー稽古場での様子もぜひお聞きしたいです。
和泉:The First Stageのときはコロナのこともあって、広い稽古場で人も時間もしっかり区切られてという感じだったから、雑談もなかなかできず。マスクもしているし名前を覚えるのにも一苦労でしたよ。
岸:僕は途中から歌の先生のフォローができるところは指導しようかってことになって。彼らはまずこれからどうやって自分のスキルを磨いていけばいいかってところを自覚すること、その上で自分のスイッチを入れていくこと自体が最初はちょっと大変だったかな、とは思いました。もちろん楽しく一生懸命やってるのはわかるけど、……あくまでも与えられているものではなく掴むものというか。やはりもう一個自覚があってこそ初めて練習にも身が入るので、それには上手かろうが下手だろうが何が足りてて何が足りてないかっていうのを一つひとつ全部自分でわかっていくことを伝えてあげなきゃいけないなっていうのはあって。
ーーシビアな言葉で現実を伝えることも必要だった、と。
岸:厳しく言うのではなくできるだけ優しくは伝えたつもりなんですけど、それでも「こうすれば良くなる」っていうことだけは強くしっかりと伝えて。そこはみんな一生懸命受け止めてくれてましたね。結局、一番怒ったのがこの2人(村上、和泉)なので。
進藤:おお。
進藤 学
和泉:うん。本当に岸さんがいなかったらやばかったんです! もう自分の中でも歌への自信が崩壊しちゃってて。
村上:岸さんは絶対音感をお持ちなので、楽屋で鼻歌歌っても「いや、それ違う」って言われちゃいますしね。
岸:そのうち楽屋で鼻歌も聞こえなくなった。
村上・和泉・進藤:(笑)。
ーーコーチだけのナンバーも雰囲気があってとても引き込まれたのを覚えています。大人組も岸さんに歌の指導を受けていたんですね。
和泉:少しずつ少しずつ足りないところを聞いて教えていただいて……でも本番始まってからもずっと「まだまだだなぁ」とは思っていたんですけど、ある時、本番もだいぶ過ぎたところで岸さんに初めて「よかったんじゃない」って言われた瞬間、まじで泣きましたね。良い大人ですが、ほんとに泣いた。やっぱり厳しかろうとなんだろうと岸さんがそういうふうに僕らのことを見てくれて、客観的な言葉でアドバイスし続けてもらえて、それでああしてお客様に見せられるところまでいけたんだなぁって。だからね、大人も青春してたのかもですよね。必死に頑張って……お客さんに喜んでもらうためにって。若者たちもいろんなタイプがいましたけど、みんなわからないときは岸さんのところに聞きに来るんですよ。「ここなんですけど……」みたいな感じで。そういう積極的な子もいれば、そういう様子を横目に見て密かに「自分もやらなきゃ」と思ってた子もいただろうし。
和泉宗兵
ーー基本は本人の自主性で。
岸:そこは僕もまんまThe First Stageのストーリーと一緒で「この中のどいつが生き残って、誰が死んでいくかなんか知ったこっちゃねえ」っていう心境。「やらない奴は終わりだ」っていうマインドで、ただもう食らいついて来た子にはとことん教えるぞっていう交流があったのがね、リアルで面白かったなという。
村上:僕はこの現場に関してはたぶんすごく楽をさせてもらいました。The First Stageでは岸さんが全体の歌の指導をがっつりされてて、和泉くんは若者とコミュニケーションをとっていて、僕はそこになんとなく居て。ただ、岸さんが本当に怒りそうになったときだけは自分が止めるぞって、それだけを心がけてました(笑)。
岸:そうそう。僕も怒んないようにまず幸平くんに「あいつあんな感じなの、どうなの?」って、「ちょっと言っといて」みたいな(笑)。
村上:だから岸さんが若者に指導されているときも、僕、一応そっと近くにはいましたよ。
和泉:ハハハッ(笑)。
ーーいいバランスですね。
進藤:僕はThe Second Stageからの参加だったので岸さんとはご一緒できてなかったんですが、やっぱり稽古場でも各セクションにちゃんと年長者が存在してたので……『テニミュ』経験者だったりね。だから幸平さんに近いんですけど、直でなにかやってあげないとなっていうのはそんなになかったですね。フレッシュなキャストを中心にいいバランスで大人や経験者が混ざっていて、キャスティングもさすが上手だなって思いました。あとやっぱり今までの僕はもうずっと稽古場以外のところでコミュニケーションをとってきた人間なので、それがこのご時世でなかなかそういう交流もできず──。
進藤 学
ーー「わいわいご飯でも」の時間が取れないですからね。
進藤:圧倒的にそこですね。もっとみんなと深く関わるタイミングがなかったのはちょっと残念でしたし、これからはご飯やアルコール無しでも深く交流を持てるという新たなスキルを学ばないとな、とも思いました。
和泉:実はね、この4人が揃ったのもこの取材が初めてなんですよ。
岸:うん。僕は明日から稽古に合流するんで。みなさん、よろしくお願いします。
ーーいよいよ稽古も濃密になっていく時期ですね。本編とライブでは内容もかなり変わってくるとは思いますが……幕張メッセ、どんな内容になるのか今はまだちょっと想像がつかないです。
村上:役者が立てるステージじゃないですからね。超一流のミュージシャンしか立てない場所に自分が立てるというのは、本当に『テニミュ』という作品に感謝しかないなと思います。
村上幸平
和泉:いやぁ〜広いよねぇ。どこ見てやったらいいんだろう(笑)。セットの感じとかも今はイマジネーションでやってますけど、現地に行ったら全然違うだろうし、イヤモニもするんですよね。そのへんも全部未知の感じなので、いい経験ができそうです。
岸:僕は衣裳が……格好がどうなるのか不安でしょうがない。
村上:確かに。あのままだったらちょっと寒いかもしれませんよ。
岸:そう、絶対寒いよ〜。
和泉・進藤:(笑)。
ーーみなさんのライブ仕様の装いもぜひ拝見してみたいです。でもパフォーマンスの熱量で寒さは忘れられそうですよ。
村上:今回、このコーチ3人は特に働かされてますからね。運動量、当初の想像の5倍ぐらいありますよ。
和泉:ほんと、ひざに水溜まるわ。
和泉宗兵
進藤:ハハハッ(笑)。
岸:そうなんだ。いや、でもこの3人面白いですよね。バランスがすごくいい。3人でキングオブコント出れるよ。
村上:上島さんもどうやらこの3人が出てきて必死になってる姿っていうのが結構面白いんじゃないかっていう演出を考えてくださっていて、ずーっと怖い顔して僕らを見てるからなんだろうと思ったら……どうやら僕らを困らせることをずっと練っていたみたいで(笑)。体力が削られるような振りがどんどんついています。
和泉:無茶振り!
進藤:中1トリオならぬ“中年トリオ”。すでに稽古場ではそう呼ばれています。
村上:そう。そして中年トリオ、意外に中学生並みにフレッシュですよ〜。気持ちはボーイズの感じで稽古してますから。
進藤:ですね。なにしろ今回テニミュボーイズがいないので。
和泉:そうなんですよぉ〜。だから実際僕らはボーイズと中1トリオの役割を全部やっているんです。そういうことです。
岸:ハハハッ(笑)。楽しみにしてるよ〜。
岸 祐二
ーートリオ&三船で会場を制圧する瞬間もあるのでは?
村上:今回一番のお勧めというのはやはりこの4人が揃うということですよ。すごいです。やっぱり本公演で4人揃うっていうのは今後もなかなか難しいことだと思うので、まずはお客様もぜひこの4人が揃った姿を観ていただきたい。必見。
進藤:そう。岸さんがいる我々4人は最強! 僕もThe First Stageは観る側で度肝抜かれましたし、「うわ、僕もここにいたかった。体感したかった!」ってすっごく思っていましたからね。やっと4人揃うぞ、いよいよだぞって気分。本公演の経験も生かしてちょっと面白いこともできますし、たぶんたくさん笑顔にもなれるし気持ちも大いにアップするでしょう。あとは今回も……体操ですね(笑)。やっぱり心も体も健康にしてみなさんをおうちに返すことが僕の使命だと思っているので。この秋、このライブを観れば健康状態も良好にしてこの先の日々も乗り越えられすはず。もういろいろ楽しみにしてくださいね。
和泉:本当に終わったらたぶん興奮状態で帰りの電車にも乗れないんじゃない!? ちょっとクールダウンして帰らないといけないくらい、僕らが盛り上げてやるぜ、という意気込みでおります。ぜひ楽しみにしてください。
岸:『新テニミュ』としての初めてのライブ。コロナで自粛している気持ちの分も含めて、今一番楽しんでもらえるようなステージにしたい。我々はとにかく持てるものを全部みんなに渡してあげたいなと思って挑みます。と同時に、個人的には幕張メッセが壊れるくらい……できれば亀裂を入れられるくらいにはこの声を轟かせたいと思うので、避難経路だけはちゃんと確認しておいていただき──。
村上・和泉・進藤:(笑)。
岸:(笑)思い切り楽しんで、そして安心安全で帰路につけるよう、とにかく頑張りたいと思います。
(左から)岸 祐二、和泉宗兵、進藤 学、村上幸平
取材・文=横澤由香    撮影=荒川 潤

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