ホリエアツシのロックン談義 第7回
:オカモトレイジ(OKAMOTO'S)とK-
POPのあれこれを掘り下げる

もはや連載になっていないロックン談義、1年8カ月ぶり第7回のゲストはOKAMOTO'Sのオカモトレイジ君です。

期せずして、昨年末最後の仕事がこの対談になりました。テーマはもちろんK-POP談義。
レイジ君とは、3年ちょっと前に意気投合して以来のKポペンチング(K-POPファン友達)。音楽的観点とミーハー目線の両側から語れるオールマイティな人なので、世代の違うお互いのルーツから掘り下げつつ、リアルタイムなK-POPを僕が教わっていくスタイルで展開します。
K-POPファンはもちろん、韓流ドラマきっかけで音楽にも興味を持ちつつある人にも楽しんでもらえると思います。
――ホリエさんがホスト役の対談として、SPICEでかなり不定期に連載している企画なんですけども。
オカモトレイジ:はい。
ホリエアツシ:まだ何回目だっけ?
――7回目ですね……4~5年間で。
ホリエ:(笑)
レイジ:すごいっすね(笑)。
ホリエ:これだけ空いたなら、もう趣味にしちゃおうかなと思って。
レイジ:良いじゃないですか。
ホリエ:だから今日はね、本当にただ喋りにきた。雑談しに来たっていう。
レイジ:お願いします(笑)。
――そこで「K-POP談義はどうだろうか」っていうホリエさんからのアイディアがありまして、面白いじゃないですかっていうので、今日なんですけど。本題に入る前にまず、お2人のこれまでの交友ってどんな感じなんですか。
レイジ:最初の出会いも、たしか『RADIO CRAZY』の楽屋でモンハンに混ぜてもらったっていう、オタクっぽいところから繋がって。
ホリエ:ストレイテナーがモンハンをやり狂ってたときで、怒髪天の増子(直純)さんとレイジくんが「やってるんだったら一緒にやろうよ」って言って、ほんの1クエスト一緒にやったのが出会いですね。まだみんなそんなに通信とかでやっていない頃で、その場で集まった人だけとやってたから、結果、自分のバンド以外でフレンドみたいになってるのが、レイジくんと増子さんだけだったっていう(笑)。その後は、イベント系で対バンしたときに立ち話したり。
レイジ:ラジオも来てもらいました。
ホリエ:何のときにK-POPの話になったのかなぁ。大阪のスピッツのイベントで対バンして、確かこのときにK-POPの話で咲いたんだ。それでハマ君とレイジ君がやってたラジオに出たときに、俺がテヨン(少女時代)のソロの曲をかけた。
レイジ:テヨン、最新のMV、可愛すぎてあんまり観てないですもん。ハマっちゃいそうなくらい可愛かったんで、観るのやめました(笑)。
――ホリエさんはそもそも何故、どういうところからK-POPにハマったんですか?
ホリエ:俺は最初にハマったのが少女時代なんですけど。少女時代がまだ日本デビューする前、先にKARAが日本ではK-POPガールズグループの走りみたいにデビューしたとき、友達から「KARAよりすごいのがもうすぐ日本に来るから」って教えられて。韓国版のMVで「Oh!」とか「Gee」とかを観て、それで即ハマった。特に「Oh!」のMVのチアガールみたいな衣装のインパクトが強くて。
レイジ:曲はもちろん知ってるけど、MVは観たことなかったです。逆に。
ホリエ:あ、ほんとに? 「Gee」がやっぱり少女時代の代表曲みたいだけど、俺は先に「Oh!」から入って……あれは日本語バージョンがちょっといただけないんだけど(笑)、韓国語バージョンは素晴らしくて。ちょっと間抜けなポップ感というか、あの感じはやっぱり日本にはないし、洋楽にもない。
レイジ:俺もまさに同じことを思っていて。ちょっとダサいあの感じがないと、K-POPって認めたくないと思いますよね。この、どこにも成りきれない感じがK-POPの良さ、魅力だよなって。だから、最近のワールドワイド前提でやっている音楽とかもすごいし良いんだけど、K-POPっていうかもうワールドポップだなと思っちゃう。
ホリエ:カッコ良すぎちゃう?
レイジ:うん、カッコ良すぎちゃう。
ホリエ:音楽的にはもう全然ワールドポップになっていて、やっぱりファッションとかのビジュアル的な部分もウケているっていうことだよね。
レイジ:そうですね。カルチャーとして仕上がっている感じがあります。だから音楽として考えたときには――「Oh!」とかが出たのって10年前くらい?で、BTSの快挙とかがあったのがここ3~4年だと思うんですけど、ちょうどその2017年くらいまでの感じがもう、良いんですよね。
ホリエ:アジアで止まってるくらいのね。
レイジ:そう。「聴いてて良いのかなぁ、この音楽」ってなっちゃう感じ(笑)。あんまり人に言えない感じがロック的だと思います。「これ聴いてるの、クラスに俺だけ」みたいな。
ホリエ:背徳感みたいな。で、少女時代はもうハマりまくって、曲もたぶん全部聴いてるし、後期は来日する度に観に行ってたくらい。
レイジ:いいなぁ。
ホリエ:しかも一人で(笑)。最初に行ったときは客も女子中高生とかばっかりで……女性のアイドルってファンの大半は男っていうイメージだったけど、少女時代は最初女の子ばっかりで、感度の高い女の子の中で流行ってるっていう印象だった。そこから回を重ねるとだんだん、母娘で来てたりとか、最終的には男が半分くらいに増えてたけど。
レイジ:最初の頃ってどのへんでやってたんですか?
ホリエ:俺が観たのはもう、さいたまスーパーアリーナだった。その前に『SMTOWN』っていう、SM ENTERTAINMENT(所属事務所)のイベントで、東京ドームで観たのが最初で。
ホリエアツシ 撮影=白石達也
レイジ:俺も去年かな、『SMTOWN』行きました。
ホリエ:そのときってテヨンは来てた?
レイジ:来てましたね、たしか。(少女時代は)テヨンしか来てないくらいの感じでした。
ホリエ:少女時代はいま基本的に活動してないですけど、周年のときとかに集まってSNSに写真を上げてくれたりするだけで、すごい有難いっていう。
レイジ:ははは!
ホリエ:テヨンはソロで活動してるけど、ずっと少女時代を大事にしていて。SNSでも定期的に少女時代のファンに対してメッセージも出していたりするから。少女時代ではテヨンが一番ミュージシャンシップも強くて、楽曲も最初はアイドルっぽい曲からデビューしたけど、徐々に音楽的な、それこそ洋楽的な曲がやりたいっていうのを言って、路線を変えていったみたいで。
レイジ:最近のソロの曲とかもめちゃくちゃカッコいいもんなぁ。
ホリエ:最近はちょっとR&Bとかそっち方面の曲が多くて。
――そもそも最初にハマったときって、音楽からだったんですか。見た目だったんですか。
ホリエ:見た目と音楽で同時に食らった感じはありましたね。それまで韓国のポップスに興味はなかったし、東方神起とかも、ダンスとかカッコいいんだろうなとは思うけど、どっちかというと歌モノ的なイメージだったから。ポップミュージックというよりは歌謡みたいな。
レイジ:うんうん。実際そうでしたしね、曲調は。間抜けなピコピコ系か、泣かせのバラードみたいな感じの、極端な2つのイメージでした。俺のきっかけは、SHINeeの『1 of 1』っていうアルバムがApple Musicの新着で出てくるところにあって、試しに聴いただけだったので、完全に音楽から入ってますね。聴いたらめちゃくちゃ曲がカッコよくて。
ホリエ:SHINeeは俺も『SMTOWN』で観て、すごかった。
レイジ:これはちょっとバカにできねえと思って。そのときの自分のモード的に、ニュージャックスウィングにすごくハマっていたんですけど、(SHINeeが)ニュージャックスウィングの曲をやっていて。いろいろ調べていったらテリー・ライリーがEXOのプロデュースをやったりとか、Red Velvetのデビュー曲にネプチューンズのメンバーが参加していたりだとか、パクリとかっていうよりもう本筋の人が介入してやってるんだ、みたいなところにたどり着いて。
ホリエ:へえー!
レイジ:洋楽の、すごくビックリするくらいクソなHIP-HOPのトラックとかってあるじゃないですか。そういう「これで世界中でヒットしてるのすごいな」みたいなのを、若干味付けして聴きやすくしてる感じが、K-POPの面白いところ、良さでもあるなと思っていて。天才的にパクり方が上手い!
ホリエ:(笑)
レイジ:っていうのと、乗りこなしが上手いっていうか。
ホリエ:サンプリングっていうよりは乗りこなしてるんだ。
レイジ:乗りこなし方が上手すぎて違う乗り物になってるわ、みたいな。三輪車だけどオフロード行っちゃってる、運転うまければココ走れるんだ、そういう感じですね。それでSHINeeを聴いたのと同時期くらいにBLACKPINKを聴いて。BLACKPINKの「フィパラム」――「WHISTLE」っていう曲があって、それはジュエルズ・サンタナの「There It Go (The Whistle Song)」のモロパクりなんですけど、「まだこういう音楽のブーストの仕方あるんだ」ってすごく感心したというか。元ネタを知ってたからこそ良かった。知らなかったらそんなにハマってないかも。ちょっと聴かせたいんですけど――(音源を探し始める)
ホリエ:俺、BLACKPINKは結構後乗りで、(ナカヤマ)シンペイの方が先にBLACKPINKにハマってて。「そういえばホリエくんK-POP好きだよね」「BLACKPINK聴かないの?」って。で、シンペイと一緒にラジオをやったときに「DDU-DU DDU-DU」っていう曲をかけていたので初めてちゃんと聴いたんですけど、実際にハマったのは2019年のコーチェラ(・フェスティバル)のパフォーマンスを観て……バックが生バンドだったでしょ、めちゃくちゃかっこよくて。Netflixのドキュメント映画もよかったよね。
レイジ:はい。俺は曲から入って、すぐにジェニーの顔がタイプで……あ、「WHISTLE」の元ネタがこの曲なんですけど――(曲を再生する)
――わかりやすいですね。
ホリエ:もろオマージュというか。
レイジ:そう。で、これが元々めちゃ好きな曲だったので。
ホリエ:元ネタのほうは音階はないんだね。
レイジ:ないですね。だからこっちはもうHIP-HOPで、K-POPはそれをちゃんとポップスに落とし込んでる。
ホリエ:この当時のHIP-HOPは結構、力の抜けたというか。
レイジ:そうです。サンプリングからシンセ弾きに変わって、ちょっとインダストリアルになったというか、密度がだいぶ低い、ビートがシンプルになっていった時代の曲です。それまでは古いジャズとかギチギチに詰まっているもののワンループにドラムマシンを乗っけてラップする、みたいな感じだったけど、ネプチューンズとかティンバランドとか、スウィズ・ビーツとかそのへんのスター選手が出てきて、サンプリングから生演奏の時代になっていったときのHIP-HOPですね。
オカモトレイジ 撮影=白石達也
――それを悪びれずに拝借してくるというか。
レイジ:その上手さ。パクり方の上手さ。
ホリエ:(「WHISTLE」は)メロディアスになってるしね。
レイジ:そうなんですよ。まんまなんだけど、全然まんまじゃない。コラージュというか、そのまんまの音をサンプリングしてきて打ち換えてるくらいの乗っ取り方してるじゃないですか。この曲を聴いて感動しました。それまではUSのトップチャートを丸パクリしてイケメンが歌って踊ってるくらいのイメージしかなかったから、音楽的には聴く必要ないかなと思ってたけど、そうじゃないなって。
ホリエ:クリエイターのオタク魂みたいなものが強く露わになってからが面白くなったというか。
レイジ:そうですね。それを自分がやっと分かるようになれたんだっていう喜びもありましたね。
ホリエ:構成が複雑で、「これで一曲作れるじゃん」っていう要素が3つくらい入ってるみたいなのとか、ビート自体も展開で変わっていったりとか、そのへんもK-POPならではと思っていて。少女時代の「I GOT A BOY」って曲とか。
レイジ:ビートスイッチは最近また流行ってきてますよね。USとかでも。……あ、そうだ。それこそSMの後輩にあたるNCTっていうグループは、派生ユニット達が今年リリースしたシングルを1曲の中にミックステープみたいに入れていて。それこそ「I GOT A BOY」がやってたことを今やってるんですよ。しかもそれを自分らのちょっと前に出した既発曲でやってる。
ホリエ:セルフミックスってこと?
レイジ:そう。ショートミックスというか、3~4分の中に自分らのメドレーみたいな。これ、TV番組用のメドレーじゃん、みたいなのを新曲として出してて、すごいなと。
ホリエ:その概念、なかったよね(笑)。
レイジ:さすがになかったですね、既発曲でやるのは。でも考えてみたら、そういう大胆なビートスイッチは「I GOT A BOY」でやってたんだなと思って。
ホリエ:全然違う曲みたいに転調したり、世界観もガラッと変わるみたいなのが当たり前になってきてるのかな。
レイジ:世界規模でいったら、やっぱりトラヴィス・スコットの「SICKO MODE ft. Drake」がビートスイッチを定番化させたというか、あれはかなりインパクトでかかったですね。
――お2人はバンドマンなわけですけど、バンド音楽に触れるときとK-POPに触れるときとで、着目点とか変わってくる部分もあるんですか?
レイジ:いや、結構バンドに取り入れたりもしますよ。
ホリエ:俺もしますね。
レイジ:でもやっぱりクラブミュージックじゃないから、バンドサウンドでこの圧を出すのは難しいなって、いつも苦戦してます。
ホリエ:たしかに。曲の構成だったりメロディとかは結構参考にする。昨今は日本の歌謡っぽいコード進行とかをやっと取り入れるようになってて、それもK-POPが逆にモデルになってるというか。このコードは今まで絶対使わなかったなっていう……例えばキーがCだったらDメジャーEメジャーとかほとんど使ってなかったのに、最近は使うようになって。エモいっていうよりメロいっていうかさ。
レイジ:それが逆に新鮮っていう。家でK-POPの曲の弾き語りの練習とか、コードを見ながらやると、超シンプルなコード進行だったりするけど、色々と音色とかアレンジとかで複雑に聴かせてるんだなって、それはすごいと思いますね。
ホリエ:どっちもあるもんね。……ドラマは観る?
レイジ:ドラマは観ないですね。
ホリエ:そっか。挿入歌とかで好きになるパターンもあって。Crushっていうシンガーがすごい引っ張りだこで、『トッケビ』っていうドラマの挿入歌の「Beautiful」っていう曲とかはもう、完全にヴァース→コーラス→ヴァース→コーラスだけ、みたいな構成でコードもシンプルで、メロディもリフレインしていくような感じなんだけど、めっちゃ良い。そういう“シンガー”も来てるよなぁと。
レイジ:アイドル以外もいっぱいいますよね。
――世間一般ではどうしてもK-POP=アイドルみたいな認識があるけど――
ホリエ:日本だとやっぱりね。
――実際そういうシンガーソングライターだったり、バンドとかも盛んなんですか?
ホリエ:バンド、どうなの?
レイジ:盛んではないですね。でもカッコいいバンドはいっぱいいますよ。HYUKOHとかSE SO NEON、Car,the gardenとかはみんな同じレーベルなんですけど(※厳密にはDRDRとBGBGだけど、同じ会社らしいです)、カッコいいですね。
ホリエアツシ 撮影=白石達也
ホリエ:HYUKOHってわりと日本にも来て、日本のバンドとも一緒にやってるよね?
レイジ:ネバヤンとかと対バンしてますね。
ホリエ:音楽的にも高度だよね。
レイジ:みんな演奏できるし歌もうまいんだから、ロックバンドはこんなにボーカルをオケで出さないで生歌だけで良いのになぁとか、別にクリックを聞かなくていいのになって思うんですけど、やっぱり韓国のエンタメの基盤として“完璧”みたいなのがあるから。ロックバンドのこう、テンションが上がってはみ出ちゃう感じとかはあんまりなくて。
ホリエ:ガチガチなんだ。
レイジ:そう。そこで根本の違いをちょっと感じましたね。揺らぎはあんまりない。
ホリエ:インディペンデント性みたいなものもないのかな。
レイジ:うーん。韓国の友達と話したときはHIP-HOPすらアンダーグラウンドにはないって言ってましたね。やっぱり国土が狭いから、ちょっとイケてたり良い感じになってくるとオーバーグラウンドのトップともすぐリンクできちゃうし、それが良さでもあるんですけど、あんまり界隈はセパレートされてないみたいです。
ホリエ:そうなんだ。ちょっと前に新大久保のバーで、韓国から日本に来てる店員さんと話してたら、彼はK-POPをあんまり聴かない、「僕はHIP-HOPしか聴かない」みたいに言っていて。で、BTSとかは違うの?って言ったら鼻で笑われたんだけど(笑)。でもアンダーグラウンドっていうよりは、そのシーンがちゃんとあるんだね。
レイジ:そうですね。HIP-HOP人気はすごいですからね。ラッパーの数も尋常じゃないし、みんな超カッコいい。あと、人口は多いから需要と供給がちゃんと成り立ってるみたいで、良いグレードのスタジオがポンポンポンってあって、超安く借りられるのは良いなと思いましたね。
ホリエ:日本と比べて、エンターテインメントの中での、音楽の役割が大きいのかもしれないと思うよね。
レイジ:そうでしょうね。
ホリエ:音楽番組とかは必ずみんな観てるみたいなところは、今もあるのかも。
レイジ:あとは、夜に店が外に向かって流してる音楽の、音量がでか過ぎてやばかった(笑)。逆に人来ないんじゃないか?っていうくらい爆音で音楽かけてました。
ホリエ:(笑) 新大久保とかでもさ、飯食いに店に入るとうるさいよね、曲が。
レイジ:うるさい。うるさいっす……韓国行きてえ~(笑)。
ホリエ:この企画も、本当は新大久保ロケとかしたかったけどね。
レイジ:ああ、行きたいですねぇ。
オカモトレイジ 撮影=白石達也
――ホリエさんは本場に行ったりはしてないですか。
ホリエ:K-POPを好きになってからは一回とかしか行ってないですね。それもライブで行ったから。でもドラマのロケ地とかは……
レイジ:行ったんすか。
ホリエ:『コーヒープリンス1号店』のお店がちょうどホテルの近くで、ひなっちと一緒に見に行った。
レイジ:普通の行い(笑)。
――レイジさん的に、「ここに行ったほうがいい」とかあるんですか?
レイジ:いやぁ、俺も全然、2回くらいしか行ったことないんですよ。それも現地の友達と散歩して、みたいな感じだったから。現地の友達は全くアイドル知らないし。
ホリエ:あ、そうなんだ?
レイジ:「韓国人より詳しいよ、あんた」ってよく言われます。でも逆に、一般的な方だったら知らないじゃないですか、モーニング娘。の何期生の誰々とか。アイドル好きの人だったらもちろん知ってると思いますけど。多分そんな感じだと思います。でもスルギ(Red Velvet)人気は高いです、韓国の友達からも。
ホリエ:Red Velvetだったらスルギ推し?
レイジ:俺はスルギです。スルギの画像を上げると、だいたい韓国の友達から「この娘は可愛い」みたいな。
ホリエ:へえー。俺はジョイですね。
レイジ:ジョイも人気ですよね。
ホリエ:で、BLACKPINKはジェニー。周りはだいたいリサって言うんだけどね。
レイジ:ああ、女の子はリサ人気高いっすよね。
ホリエ:BLACKPINKはライブ映像を観てハマる前に、最初に好きになったのはジェニーの「SOLO」だったから。
レイジ:あの曲、相当良いですもんね。
ホリエ:うん。お店で流れてるのを聴いてシャザムして、「あ、BLACKPINKの人なんだ」みたいな感じで。
レイジ:実際にあそこまで持っていけてるの、すごいよなぁ。やっぱ。
ホリエ:そういえばあの曲だったわ。BLACKPINKの入り口は。
レイジ:だから(パク・)テディはすごいですね、ずっと。BIGBANGから2NE1やって、自分も1TYMっていうグループでデビューしていて、YG(エンターテインメント)のアーティストを大体プロデュースしてるんですけど、それ以外にソンミって人のソロ曲とかもプロデュースして、それも大ヒットしてるから。
ホリエ:K-POPの仕掛け人みたいな。
レイジ:カッコいい路線での、HIP-HOP路線での仕掛け人って感じですね。
――興味深いです。
ホリエ:“今”の話もしようか。
レイジ:今のK-POP……今は少女時代以外にハマってるんですか?
ホリエ:今は、この前活動休止しちゃったけど、BOL4(ボルサ)。
レイジ:ああ、赤頬思春期。
ホリエ:Bolbbalgan4。2019年の春くらいに日本に来たとき、ライブを観に行って。O-EASTに。
レイジ:行きたかったわぁ。
ホリエ:ちょっとショウケース的な意味もあって、関係者で行ったから、最後あいさつとかもできて。
レイジ:うわ、羨ましいー!
ホリエ:歌声にまず鷲掴みにされるんだけど、仕草とかもかわいくて、めちゃくちゃ日本語も練習してて、MCとも自分が言いたいことは全部日本語で。あとはボルサのすごいのは、ふつう韓国語のバージョンを先に聴いちゃうと日本語バージョンが「あれ?」ってなっちゃうのがK-POPファンとしては定説としてあるのに、日本語バージョンの方が良いくらいの曲もあって。
レイジ:たしかに。「To My Youth」でしたっけ、あの曲が超好きだけど、日本語版もいいですもんね。
ホリエ:「好きだと言って」の歌詞も素晴らしくて、聞いたら本人もすごくこだわってるって言ってた。
――なるほど。
レイジ:ただ、一人脱退しちゃたんですよね。ボーカルの一人でやるんですかね?
ホリエ:一人になったんだけど、1作だけリリースしてすぐ活動休止しちゃった。俺はゴシップとかはあんまり見ないけど、脱退後にもいろいろあったみたい。ボルサはソングライティングも自分達でやってて、ライブはバンド編成だったから、シンガーソングライターの括りに入るような感じ。
レイジ:たしかに。アイドルではないですもんね。
ホリエ:プロデューサーはいるみたいだけど、アレンジとかにも関わってそう。
レイジ:天才じゃん。
ホリエ:超天才。サウンドもスタイリッシュでメロディも“ボルサ節”みたいなのがあって。ドラマの挿入歌にも結構使われてるんだけど、流れてきたらやっぱり“節”で分かるんだよね。最近も『スタートアップ』っていうぺ・スジが主演のドラマの――
レイジ:ぺ・スジ人気がまた最近すごくないですか?
ホリエ:めっちゃ可愛いよ。『スタートアップ』観た方がいい。
レイジ:絶対可愛いのわかるから観たくないですもん。
ホリエ:わかる。それもわかる。
レイジ:はっはっはっは!!
ホリエ:辛くなっちゃうもんね。で、その『スタートアップ』の中でボルサの「Love Letter」って曲がまた、めっちゃ良い。主題歌はRed Velvetだし。
レイジ:聴きたくなってくるなぁ。
――ここまでの話題の中で「聴かなきゃ」ってなってる曲、たくさんあります。
レイジ:2人のキッカケになった、「I GOT A BOY」と「1 of 1」は是非、記事に動画も埋め込んでもらって。あとは何が良いかなぁ。
――レイジさんの最近のオススメも紹介しましょうよ。
レイジ:最近は、ゴリゴリのK-POPだけどいいのかな。STAYCの「SO BAD」。
ホリエ:へえ。何人組?
レイジ:6人かな。TWICEのヒット曲をほとんど手掛けてるブラック・アイド・ピルスンっていうプロデューサー・ユニットが作ったレーベルからデビューした女の子たちで。やっぱりプロデューサー主軸で始まってるプロジェクトだから曲のよさが半端なくて。しかも顔もめちゃ可愛いです。
ホリエ:ほう!
レイジ:しかもタワレコとかでもSTAYCだけ売り切れ、みたいな。期待値が低かったぶん、入荷も少なかったんだと思うんですけど、CDが欲しくてもどこにもなくて。
ホリエ:今年(2020年)デビュー?
レイジ:つい最近です。
ホリエ:じゃあまだ1曲だ。K-POPって1曲をめっちゃ引っ張るよね。
レイジ:引っ張りますね。
ホリエ:BLACKPINKとかもまだそんなに曲数ないよね。
レイジ:BLACKPINK、この世に10曲ちょいくらいしか出てないんじゃないですか?
ホリエ:それも謎なんだよね。
レイジ:EPとか何枚も出してるけど、1年に1曲とかしか増えてないですからね。で、「待望のアルバム」とかいっても1曲増えただけとか。
ホリエ:はははは。
レイジ:ひどいんですよ(笑)。
ホリエ:あれは、長く生かすための手法なのかな。
レイジ:もう新しい音楽ビジネスの形ですよね。あと、アイドルだからこそできるんじゃないですか。毎回毎回それでも欲しくなる可愛さをメンバー全員が提示してくるので。しょうがないっすね。……あとは、やっぱりTWICEは良いっすね。
ホリエ:TWICEは曲が本当に強い。日本でも一旦ブームが去ったかなと思ったけど、最近の「MORE & MORE」とか「ファンファーレ」とかまた良いし。TikTokとかで流行ってるもんね。
レイジ:このあいだの新曲もめっちゃ良かったですもん。
ホリエアツシ / オカモトレイジ 撮影=白石達也
ホリエ:最近のちょっとレトロな流れってどこから来たんだろうと思って。ちょっと前、ジャミロクワイとかその辺ががレトロなサウンドに回帰したタイミングがあって、そのへんなのかな。
レイジ:やっぱりデュア・リパとウィークエンドがK-POPに及ぼしてる影響はでかいと思いますね。それこそウィークエンドの曲はTikTokでも流行ったし。
ホリエ:ブラックミュージックからのシンセポップが影響を与えてるのか。俺、Winkがすごい好きだから、Winkっぽくてグッと来ちゃうんだよね。
レイジ:ああ! たしかにたしかに。Wink感はめっちゃありますね、最近のK-POP。
ホリエ:聴き直しちゃうもん。
レイジ:WinkとK-POPをリミックスしたら良さそうですね。DJで掛けようかな。TikTokとかでも今流行りそうですよね、Winkの曲。
ホリエ:そうなんだよね。MGMTの曲とWinkを繋ぐと超良くて。死ぬほどベースを上げなきゃいけないけど(笑)。
レイジ:再発して欲しいなぁ。今掛けられるように。
――Night Tempoみたいなやり方でも面白そうです。
レイジ:あ、そうですね。その辺の人とかは絶対好きですよね。
――そのあたりもK-POPが日本のリスナーの耳に馴染む要因なんですかね?
レイジ:日本人というかもう、世界中の人がハマりやすい音楽にしてるというか。エッセンスはいろんなところから持ってきて。
ホリエ:で、なんとなく「ダサくない」って思えちゃうの、なんでなんだろうね。
――最初の方におっしゃってた10年くらい前の“ダサさ”とはまた違ってきていると。
ホリエ:そう、それはそれで韓国っぽさであるけど。
レイジ:今は迷いがなくなってる感じがあるんじゃないですか? 「どうしてったらいいのかな」とか「カッコよくていいのかな」とか、当時の人にはあったんじゃないですか。わからないですけど、ただやっぱり、明らかに気は遣ってましたよね。日本版は日本人の作家で日本語の歌詞だったし。
ホリエ:ああ。
レイジ:BIGBANGの「GARAGARA GO!!」とかも韓国では出てないですからね。そもそも作曲陣までローカライズされていた。それが今は逆に、SEVENTEENみたいに日本デビューせずに東京ドーム!みたいな、そういう強気がここ何年かで乗ってきて、カッコよさになっていってるのかな。
ホリエ:少女時代にハマった時点で、ライブは日本語バージョンじゃなくていいって俺は思ってたので。ファンもみんな韓国語版で覚えてるだろうから、元からある曲は全部韓国語版でやってくれないかなって。ただ、BTSが今年、日本語版でワールドヒットしたじゃん。
レイジ:ああ! 「Stay Gold」。
ホリエ:あれはめっちゃ良かった。今年のベストチューンに入るくらい。
レイジ:曲としては「Dynamite」とかより良かったですもんね。
ホリエ:良かったよね。嬉しい。共鳴できた(笑)。
――そろそろまとめたいと思うんですが、これまでこの連載を読んでくれていた人には、馴染みがない部分も多いかもしれないですけど――
ホリエ:むしろK-POPを好きな人が「そうそう」って思って読んでほしい。ロックファンはピンと来なくてもいいです……でも韓国ドラマとかの投稿をしたときには結構コメントもらったりするけど、K-POPとセットで聴いてる人どのくらいいるかな?
レイジ:どうなんだろう……どうなんですかね? 思ってる以上に浸透してる感じもありますけどね。
ホリエ:聴いてるかな?
レイジ:で、あと一歩っていうところで、俺とかホリエさんが発信してるのをキッカケに、「聴いてみよう」ってなる人、いると思います。
――実際、僕も遅ればせながら興味が出てきたタイミングでした。ここ最近は音楽シーンの中でどうしても目にしたり耳にするし、曲もカッコいいですし。
ホリエ:とりあえずBTSとかBLACKPINKはもう、聴いてなきゃダメだくらいのね。音楽業界としては。
レイジ:ビートルズっていう感じですね、マジで。
ホリエ:はははは!
レイジ:多分、60年代に生きてたらこういう感じだったんだなって最近思います。まあ、BTSは音楽的な発明は何もやってないけど、ただその世界進出の感じと、前代未聞の感じ――韓国人が世界を獲っていくというのは。
――たしかに。この記事をきっかけに、新たにハマる人も出てくるかもですし。
レイジ:でも……ハマんない方が良いんじゃないですかね?(笑)
ホリエ:はっはっはっは!!

取材・文=風間大洋 撮影=白石達也

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