三石琴乃「背中を押してくれるセーラ
ーパワーを感じてほしい!」劇場版『
美少女戦士セーラームーンEternal』

世界中の『美少女戦士セーラームーン』ファン待望の劇場版最新作が前後編2部作で、ついに公開となる。女の子が華麗に変身する、愛と戦いの物語。夢をテーマに描かれる劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」スーパーセーラームーン/月野うさぎ役の三石琴乃にインタビュー! 劇場版最新作への想いやアフレコの様子、前編の見どころと後編への期待、さらに三石自身が今、戦っていることについて、たっぷりと語ってもらった。

(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
――劇場版の製作が決まったとき、どのように感じましたか?
第3期の収録が終わった頃、第4期はいつ始まるかわからない……みたいな話をしていました。しばらくしてから「劇場版になります!」というお話を聞いて、「映画になるの? 本当に?」というと驚いたのを覚えています。セーラー戦士たちが大きいスクリーンで活躍する姿を観たいという気持ちはありましたが、キャラクターの個性の描かれ方、クライマックスはどうなるかなど想像がつかなくて、正直心配な部分はありました。
――映画だと尺が限られますからね。
そうなんです。あとは、「美少女戦士セーラームーン」の見どころがきちんと描き切れるかどうかがすごく気になりました。侵略してきた敵と戦うというのも作品の大きな見どころですが、日常生活の何気ない会話も重要な要素です。下校時の会話でツッコミを入れてわちゃわちゃするシーンは、彼女たちの個性が出る部分なので、カットしてほしくない気持ちが強くありました。
(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
――出来上がった作品を観たときの感想を教えてください。
うさぎちゃんたちの日常がちゃんと残っていてよかったって、ホッとしました。遊園地でのシーンは、偵察という名目なのに遊びに来ちゃったというテンションがいつも通りのうさぎちゃんたちで(笑)。ちびうさちゃんとのやりとりも、観ていてこちらも楽しくなりました。うさぎちゃんとちびうさちゃんが入れ替わるシーンは印象に残っています。うさぎちゃんがダブダブっとした制服から肩を出しながら、まもちゃんとしっとりした会話をしている感じは、かわいいなって思いました。
――あのシーンいいですよね。
逆に大きくなったちびうさちゃんが、思い悩んで外に飛び出した際「スモール・レディ!」って追いかけてきたダイアナに「もうスモールじゃないわよ」って言い返すと、ダイアナは律儀に「・・・レディ」って言い直す(笑)。二人の関係性がよく出ている好きなシーンです。
――大きなスクリーンで観ると、より素敵に感じますよね。
特別なものがあると思います。アクションはもちろんですが、それぞれの葛藤や進むべき道を見つけたときの表情はアップで観るとすごくいいんです。只野さんキャラクターデザインが素敵すぎて、みんなの表情を切り取って額に入れて飾りたいですね。

(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会

――前編のアフレコはコロナ前とのことでしたが、現場はいつも通りという感じでしたか?
「セーラームーン」のショーレストランで会って以来だったので、「久しぶり!元気だった?」という会話から始まりました。そして、身につけている「セーラームーン」のグッズを見せ合って、それはもう賑やかです(笑)。今、大人向けのセーラームーングッズがたくさん出ていて、さらに普段使いできるものも多いので、片っ端からゲットしています。なかなか自慢する機会もないので、みんなで集まると「これ、持ってる?」「今度出るファンデーションチェックした?」と情報交換会になります。もちろん、アフレコ前の話ですよ。アフレコ中はしっかりお仕事しています!
――仲の良さが伝わってきます!
もう第4期なので、みんな自分の中に役を落とし込んでいます。のびのびと演じているように見えます。キャリアのあるプロの集まりなので、作品にスッと入り込めるようなスイッチも出来上がっています。
(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
――今回の敵キャラはいかがでしたか?
アマゾン・トリオは、ツボを心得ているという感じがしておもしろいと思いました。もっと3人の絡みを観たいという気持ちになりました(笑)。アマゾネス・カルテットは小生意気でピチピチとした感じがとてもかわいらしいです。
――見どころだらけですよね。
ちびうさちゃんは、90年代のときは子どもという立場を利用して、周りを翻弄する感じが色濃く出ていたけれど、今回は淡い恋もあってなんとかしてあげたいという気持ちになります。ただただ、かわいくて仕方ないという気持ちです。親子変身のシーンで声を揃えてセリフを言えたことが、すごくうれしかったです。
(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
――三石さんが思う『美少女戦士セーラームーン』の魅力を教えてください。
まず、女の子が変身して戦うところに惹かれます。恋や青春や星の輝きや、たくさんの宝石がギュッと詰まった宝石箱三段重ねになっています。これでもかというくらい女の子の憧れが入っている気がします。女の子は女の子らしくという枠から飛び出しているところもいいですよね。主人公に戦士としての自覚がなくて、痛い、怖い、って正直に言うところは、観ている子にとっては自分との共通点と感じられる部分だと思います。浮かれて変身していい気になっていたら、本当に血が出ていたみたいにリアルで身近に感じられるのも大きな魅力だと思います。お勉強もあまりできないし、運動神経も特別いいわけではない。そんなドジな女の子が変身すると、みんなを守る存在になるって、夢があって最高だと思います。
――女の子から憧れられるキャラクターを演じるうえで、常に意識していることはありますか?
おっちょこちょいでドジな性格というのはブレないように演じています。成長して妙に悟った感じにならないように気を付けています。
(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
――三石さんが子どもの頃、憧れていたのは?
幼稚園の先生です。すごくかわいくて優しくて、大好きでした。その影響で幼稚園の先生になりたいと思っていた時期もありました。かなり影響された存在です。
――『美少女戦士セーラームーン』は三石さんにとってどんな存在ですか?
新人だったし、テレビシリーズで初めて主役を務めた、とても大きく大事な作品です。あの時「セーラームーン」に出会ってなかったら、今ここにいない気がしています。その後の声優人生に大きな影響を与えた作品であることは間違いありません。
――「大好きです」「憧れです」と言われることも多いと思いますが、これまでで強く印象に残っているファンの言葉などはありますか?
「観ています」「大好きです」という言葉はエネルギーになります。まだ自分の演技に自信が持てなかった頃に、駅で女の子が「今日は「セーラームーン」があるから、早く帰ろう」とお母さんの手を引く場面に遭遇しました。そのときに「この作品をやってよかった」と思いました。伝わっているとホッと安心し、最高にうれしかった瞬間でした。
(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
――うさぎちゃんと一緒に三石さんも強くなっていった感じですね。
頑張っている姿は力になります。うさぎちゃんにエネルギーを注ぎ、うさぎちゃんからエネルギーをもらう。循環している感じがします(笑)。
――前編の冒頭で「みんなを守ってみせる。私たちが戦わなくちゃ」といううさぎとちびうさの決意の眼差しに引き込まれます。三石さんが今、戦っていること、守りたいものを教えてください!
日々、健康キープのために戦っています(笑)。今、なかなか外に出て運動ができないので、1ヶ月ほど前に一人用のトランポリンを買いました。上半身を動かさないとカロリー消費にならないけれど、重力から解き放たれる感覚は最高に楽しいです。なんだか、子どもの頃に戻った気分が味わえます。
――何か体調に変化はありましたか?
持久力がついた気がします。日舞をやっているのですが、練習で30分ぶっ通しで動いても楽になった気がしています。
うさぎちゃんの相棒、ルナと一緒に!
――待望の新作です。後編への期待も含めて見どころをお願いいたします!
前編ではちびうさちゃんとエリオスのドキドキするような淡い恋と4戦士の葛藤のシーンがメインで描かれます。観た方は「あれ? うさぎちゃんは何したの?」って思うかもしれません(笑)。後編で大活躍シーンが登場するのでご安心ください。前編ですれ違ってしまったまもちゃんの“ちょーーー”かっこいいシーンが後編に登場します。外部戦士登場も大きな見どころなので、ぜひ楽しみにしてください。
――SPICE読者へのメッセージを!
今、イベントが中止や延期になって、寂しい思いをしているかもしれません。でも、感染対策をしっかりして映画館には行ける状況なので、もやもや解消に足を運んでいただければうれしいです。今回は夢がテーマになっています。夢を追いかけている方はもちろん、こういう状況なので夢に向かうなかでちょっと一時停止しているという方にもおすすめです。映画から、背中を押してくれるセーラーパワーを受け取ってほしいと思います。
(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
取材・文・撮影/タナカシノブ

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