かてぃん×菊池亮太×けいちゃん×ご
ざ 4人のピアニストが魅せた圧巻の
ステージ!『NEO PIANO CO.LABO.』ラ
イブレポート

YouTube Liveなどでのピアノ配信スタイルで人気のピアニスト4人が一堂に会したニュースタイルのピアノライブ『NEO PIANO CO.LABO.』は、約3,000人を収容するZepp Hanedaで2020年7月24日(金・祝)に実施。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、無観客の配信ライブとして開催された。

『NEO PIANO CO.LABO.』

誰も体感したことがないショーは、高揚感の中で始まった。まずはこの日のために書き下ろされた『Neo Piano Rising』で幕開け。舞台に設置された2台のグランドピアノに、度肝を抜く。中央のグランドピアノには、けいちゃん。一段上がった奥には、ござ。上手に置かれたキーボードでは、菊池亮太が構える。かてぃんはショルダーキーボードを手に、自由に動き回る。その1音で、4人の個性がぶつかり合う空間に引き込んでいった。
『NEO PIANO CO.LABO.』
『NEO PIANO CO.LABO.』
一気にヒートアップした会場。菊池の元にかてぃんが上がり、けいちゃんの所に、ござが降りていく。今度は何を見せてくれるのか。期待が膨らむ中、奏でられた『残酷な天使のテーゼ』は、2台のグランドピアノを使用した2人での連弾。互いにあおり合うなど、楽しそうな様子に、配信で見ているファンからたくさんのコメントが寄せられた。
舞台が真っ赤に染まった『ルパン三世のテーマ Lupin the 3rd』では、グランドピアノの菊池と、グランドピアノとキーボードを駆使したござが、生み出した音符で駆け引きをしていく。互いに異なるカードを切っていく姿は、大泥棒のルパンが狙った獲物を手にするため、鮮やかな変身術を駆使し、周囲を翻弄していく様子にも似ていた。鮮やかなテクニックにため息がもれた。
3曲を終えた菊池は「びしばしキメていかなくちゃいけない。緊張した」と言いながらも、続くソロコーナーでは「ジャズ世界一周のイメージで聴いて欲しい」と『Fly me to the moon』をセレクト。月光のように輝くスポットライトの下で、『ノクターンOp.9-2』『フニクリ・フニクラ』と続けて披露し、ファンク、スイング、ラテン、アドリブで聴かせた楽曲は、バンドとのコラボレーションもあり、三日月から満月へと変化する月のように、さまざまな表情を見せた。
菊池亮太
ソロの2番手を務めたござは、『secret base ~君がくれたもの~』に続き、軽快な『宝島』でホールを揺らしていく。鳥が水面をすべるようになめらかに動く指に、目が釘付けになる。独自の世界観を見せつけた演奏後は「めちゃ、疲れた。メガネがくもっている」と安堵し、笑わせていた。
ござ

それぞれにMCを披露する場面も

ござのMCを挟み再び4人で上がったステージでは『Summer Rain』、『情熱大陸』と激しい楽曲であおっていく。『Summer Rain』では、曲のテーマとそれぞれのソロで遊びをいれながら彼らならではの一曲を仕上げていく。かてぃんらがシェイカーを振って加勢する場面もあり、4人の和気あいあいとしたムードも感じられた。
『情熱大陸』ではけいちゃんがショルダーキーボードを披露

踊りも披露!

汗がほとばしる舞台を終えた、かてぃんは「やっぱり、みんなでやると楽しいですね」と満面の笑顔に。けいちゃんはガッツポーズを見せるなど、全身で喜びを表現していた。
続くソロコーナーでは、『小犬のワルツ』に着想を得たというかてぃんが、「うちの大きい猫をイメージした」とオリジナル曲『大猫のワルツ』を世界初公開。家の中を優雅にかっ歩する愛猫の姿が浮かび上がった。ゆったりとしたメロディーから一転。『On fire』では、冒頭から着火したような激しいピアノで魅了する。バンドと共に激しく燃え上がるステージで、幅の広さを見せつけた。
かてぃん
ソロの最後のバトンを受け取ったけいちゃんは、『動き出すラボラトリー』、『World & Me』の2曲を披露。舞うように演奏する姿は華麗で、衝動は音の波となり世界に放たれていく。耳はもちろん、視覚的にも心をとらえる。エンターテイナーとしての魅力が画面からあふれていた。
けいちゃん
演奏を終えたけいちゃんは、「僕の友だちを呼びます」とかてぃんを呼び込み。6月に2人で合宿をして制作したという『KABURAYA』を連弾で披露することを明かした。タイトルの「鏑矢」は「音が出る弓のこと」とけいちゃんが説明。「2人の個性の融合という意味を込めました」という言葉の通り、20指が織りなす合戦は互いに一歩も引かない緊張感にあふれたもの。激しく、かつ繊細な指の運びで観客の度肝を抜いた。
かてぃん、けいちゃん
2時間超えのライブの最後。1台のグランドピアノの鍵盤に、4人の手が並ぶ。始まった『Spain』ではシンクロする音色で圧倒。ジャンプしながら演奏するかてぃんと、けいちゃん。ござの真剣なまなざし、奔放に動く菊池。それぞれが互いをリスペクトしているからこそ起こる化学反応に、脱帽する。
『NEO PIANO CO.LABO.』
『NEO PIANO CO.LABO.』
無観客ならではのカメラワークは、鍵盤の上をはねるように動く指をとらえたもの、汗がにじむ真剣な顔を追いかけたものなど、4人の息づかいまでも感じられた。高速連弾など、超絶技巧を駆使した舞台を終えた4人には「ブラボー!!!」と賞賛するコメントがたくさん寄せられていた。
本ライブのチケットは、終演後のアフタートーク付きのコンプリートチケットと、ライブ本編のみのライブチケットの2種類がある。ここでは少しだけ、アフタートークのコメントを紹介しよう。
アフタートークの様子
最初に口を開いたござは、「僕はあんまり場数を踏んでいないので、思い出に残るライブになった」。けいちゃんは「楽しすぎました。毎日やりたいですね。本番になるとエンジンがかかる。みんなに見られるのかって思うと、『おー!』って思う。今回をきっかけにして、ぜひ好きになってほしい」と呼びかけていた。
菊池は「無観客とは思えないほど。ライブの中ではいろいろなことが起こっていました。ライブじゃないと起こらないミラクルも起きていました。僕もずっと、やばいやばいと思ってやっていました」。かてぃんは「めちゃくちゃ楽しかった。はしゃぎすぎて、いま足が震えています。4人の一体感は、リハーサルと全然違った」と興奮していた。
アフタートーク終了後には、最後にもう1曲、とサプライズで曲を披露。けいちゃん、かてぃん、ござ、菊池と音を紡ぎ、余韻に浸るように目を閉じて演奏する姿からは、ステージが充実していたことをうかがわせた。アフタートークの全貌は、ぜひその目で確かめてほしい。
『NEO PIANO CO.LABO.』
本ライブのチケットは本日7月25日(土)21:00まで発売中。7月30日(木)23:00まで視聴可能なので、見逃した方も、もう一度観たいという方も、4人が魅せたストリートピアノ新時代の幕開けを体感しよう。
取材・文=Ayano Nishimura 撮影=福岡諒祠

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