【LEONAインタビュー】ドラディショ
ン10・25後楽園大会で1年3ヵ月ぶりに
復帰!長期欠場中に訪れた選手生命の
危機と自分を見つめ直す時間

LEONAは昨年7月から「左足甲の骨折」のため試合を欠場。すぐに復帰できるかと思いきや、実に1年3ヵ月にも及ぶ長期欠場を強いられた。苦しい日々を潜り抜け、とうとうドラディション10・25後楽園ホール大会での復帰が決定。新井健一郎とシングルマッチで激突する。
2日後の10・27南港ATCホール大会では、倉島信行と組んでタカ・クノウ&冨宅飛駈と対戦。『ザ・デストロイヤー メモリアル・ナイト~白覆面の魔王よ永遠に~』11・15大田区総合体育館大会への参戦も決まった。復帰が目前に迫る中、LEONAに現在の心境を聞いた。この1年3ヵ月で、LEONAは選手生命の危機を迎えていた――。
LEONA
LEONA

■「病院に行ったら『このまま放置したら骨がダメになる』という話になって」
――昨年7月、練習中に負った「左足甲の骨折」のために欠場すると発表されましたが、実際はかなりの重傷だったそうですね。
LEONA「その時の自分の心境もあってそういう発表をしたんですが、詳しく説明すると、距骨(※カカトの上、足首の中心にある骨)を骨折したんです。最初は「距骨が折れています」と言われても、正直まったくわからない部分でした。血の通っている骨で、そこが割れると、血流が止まってしまうんです。放っておくと、骨が壊死してしまうという」
――かなり特殊な負傷箇所だったと。
LEONA「ちょうどプロレスリング・ノアのジュニアタッグリーグ戦の真っ最中で、諸橋晴也さんと組んで出場していたんですけど、公式戦が1試合終わっただけだったんですね。父(藤波辰爾)から『お前はどう考えているんだ?』と言われたので、僕は『このまま出ます』と。そう伝えたら、父からは『こういうこともレスラーにはある。自分の糧にしろ。出るからには精一杯やれ』と声をかけてもらって、欠場せずに試合を続ける方向で一旦話はまとまったんです。ただ、怪我をして1時間、2時間と経った時に、足の様子がドンドン変わっていって、最終的には自分で歩けなくなってしまったんです。それで救急で病院に行ったら『このまま放置したら骨がダメになる』という話になって。先生が言うには『この部分を取り扱った症例はあんまりないんです』と。それで、怪我して4日後には手術したんです」
――レスラー生命どころか、日常生活に影響が残る可能性があったんですね。
LEONA「主治医の先生は、僕がレスラーをやっているということもあって、詳しい話を直接はしないでくれたんです。『とにかく復帰に向けて頑張ろう』と激励してくれたんですけど、家族には説明があり、『骨が元のように再形成できるかどうかはフィフティ・フィフティ』という話をされたらしくて。あの頃の精神状態でそれを聞くと僕は落ち込むだろうと思って、内々に話をしていたみたいなんです。実際、年明けまで松葉杖で生活していて、その後も『まだ加重をかけてはダメ』という状態が続いていました。加重をかけて練習することを許可されたのも8月だったんです」
――欠場中は焦りや苦悩もあったのでは?
LEONA「段々と事の重大さがわかってきました。でも、人前で松葉杖をつく姿を見せるのは、レスラーとして自分の中で納得できなくて。それで、皆さんには怪我の状況を詳しく説明しなかったんです。やっぱり焦りはありました。僕と同じ24~26歳あたりの選手たちが各団体にいるじゃないですか。彼らがステップアップしていく時期とちょうど欠場期間が重なっていて。それを見て、自分の中に鬱屈とした気持ちが積み上がってました。でも、怪我が回復して希望が見えた時に、もう1回、今までやってきた自分のレスリングを正面からちゃんと見てみようという気持ちになりましたね。それでVTRで自分の試合を見たんです」
LEONA
――自分自身を客観的に見て、デビューしてからの5年間はどうでしたか?
LEONA「当然、いろんな形で恵まれていたのは確かですよね。その分、自分にかかるプレッシャーや責任は倍重いと思うんです。それに100%自分が応えられたとは言えないなと。映像を見てみると、体はデビュー当時から比べて確かにドンドン大きくなっていっているんですよ。でも、自分の動きが小さく見える試合があって。それは自分の中に抱えた悩みがファイトに出ていたのかなって素直に感じました。『自分でもやりきった』と思える試合は、自分の体がいつも以上に大きく見えて。お客さんからはこういう風に見えていたんだと改めて思いました」
――試合を見直して、自分の長所、短所はどこだと感じました?
LEONA「自分を肯定するということは、プロレスラーにとても大切な要素だと思っていて。自分が最初に習ったレスリングもそうですし、父をずっと見てきて学んだこと、直接教わったことが動きや技に見えた時は『ここがLEONAの魅力の1つなんだろうなあ』と思ったんですけど、若い者同士でぶつかり合うというのが少ないなと。自分自身でもそういう試合をやりたいという思いが強くなりました」
LEONA
■「藤波辰爾はプロレスに対して本当に厳しい人なんです」
――奇しくもLEONA選手の欠場中にドラディションに初参戦した獣神サンダー・ライガー選手が「今までLEONAは大先輩と言われるレスラーとずっとやってきたけど、同じ年代のヤツらとバチバチ意地を張り合ってやっていくほうが彼の今後のレスラー人生に役立つと思う」とおっしゃってましたね。
LEONA「こうやって怪我をして休んでいる者にそういうコメントをしてくださるのは本当にありがたいです。まさしくそうだと思います。決して同世代と戦っていないわけじゃないんですよ。でも、ライバルを作って、そこに勝っていくことで、試合を見てくださる人たちと信頼関係が築けるという部分がプロレスラーにはあって。そこは復帰したら第一にやっていきたいですね」
――欠場中、父親であり、師匠でもある藤波選手とはどんな話をしましたか?
LEONA「せっかくもらったたくさんのチャンスが白紙になるのを初めて経験して、申し訳ない気持ちと焦りと後悔と……いろんな思いがある中で、手術が終わって何日かした時に、『俺も1年半休んでいて、周りが台頭して、同世代がいろんなものを勝ち取っていく姿をベッドの上で見ていた時期があるんだよ』と言ってくれて。『お前の気持ちはわかる。でも、そこに戻るためには、自分を見直すことが大事。もしもう1回やるんだったら、ただで起き上がるなよ』と。ファンの方の中で、僕と藤波辰爾の関係がどう見えているのか、当事者なので深くはわからないですけど、藤波辰爾はプロレスに対して本当に厳しい人なんです。僕は6年近く一緒にレスリング業界にいますけど、褒められたことはないんですね。厳しいアドバイスから全てが始まっていて。でも、こういう時でも自分に対して厳しく接してくれるのはありがたいなと思いました」
――藤波選手が高いレベルでコンディションをキープしている凄さも、改めて感じたのでは?
LEONA「レスラー生活が50年に向かおうとしている中で、今のあの身体。その凄さは言葉でなかなか表現できないですよ。未だに一切妥協はしていないです。父と子ではありますけど、この世界に入ってからは家族という目線で見なくなりましたが、いちレスラーとして余計にその凄さは身に染みました。この年齢で僕がリングに上がっていないのに、父はあの年齢でファイトし続けている。そういう逆転の現象が起きていましたから、父に対する見方はより深くなった気がします」
――欠場中に長州力選手が引退しました。LEONA選手はデビュー2戦目(2014年1月13日、LEGEND THE PRO-WRESTLING後楽園ホール大会)で長州選手と対戦しています。思い入れのある相手だと思いますが、その引退を見てどう感じましたか?
LEONA「あの日も会場にいましたけど、凄く心に迫るものがあって。引退したあとに、長州さんと5分ぐらい2人だけでお話しさせてもらう機会があったんです。もしかしたら、長州さんは覚えてないかもしれないですけど、その時にお話を聞いて、これだけプロレス界のトップを張った人でも、何年も何十年も常に探求し続けて、迷いながら戦っていたんだなって。自分がいろんなことを迷ったり、試行錯誤したりするのは悪いことじゃないんだなと感じました。そういう気持ちを発散しながら、自分が成長していく姿を皆さんに見てもらうのがレスラーの1つの魅力なのかなと。長州さんと戦った時は最後にリキラリアットを食らって、正直試合のことを覚えてないんです。試合後に意識がはっきりしてきた時、耳元で長州さんが言ってくれた言葉は絶対忘れないですね」
LEONA
■「プロレスのことだけで頭がいっぱいだった子供の頃の感覚に戻っています」
――怪我したことで長期欠場を強いられ、チャンスを逃したのは否定しようのない事実ですが、お話を聞いていると、この期間でさらにプロレスを好きになったような印象を受けました。
LEONA「それは間違いないですね。これまでの自分を振り返った時に、今までは焦ってプロレスをやっていたんだなと。落ち着いて冷静に自分のプロレスを見つめることができて、プロレスがもっと好きになって、プロレスのことだけで頭がいっぱいだった子供の頃のような感覚に戻っていますね。いろんなところに迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ない気持ちはあるんですけど、ある意味、かけがえのない時間だったのかもしれないです」
――復帰後にむけて、「自分をこう変えていきたい」「新たにこういう面を出していこう」と考えている点はありますか?
LEONA「やっぱり気持ちですね。『レスラーは強くてカッコいいんだ』という自信を持ってリングに上がれば、観客にも伝わると思うんです。自分に自信を持って戦いに挑んでいく。それがさっき言った自分が小さく見えるか、それとも大きく見えるかの違いに繋がってくるんじゃないかなって」
――この11月でデビュー6周年を迎え、もう新人とは言えない段階になります。
LEONA「自分の中ではそろそろ脱皮していかなきゃいけないと思っています。同じ世代にはチャンピオンになっている選手もいますから、自分の中で気を引き締めて、失敗を恐れずにチャレンジしていきたいですね。それが1つの命題なのかなと。そこにこそ強さは備わってくるので。だって、メインイベンターやチャンピオン、そしてレジェントと呼ばれるようになっていく人たちって、技にしてもそうですし、気持ちにしてもそうですし、見せ方1つにしても、全てをいつになってもアップグレードしているんですよね。そういう人たちがプロレス史に名を残していく。そして、父がまさしくその1人じゃないですか。自分の中でアップグレードしていき、いろんなことにチャレンジする気持ちが必要なのかなと思っています」
LEONA
■「同じ時代に藤波が2人いるシチュエーションを作らないとダメですよね」
LEONA
――ちなみに、デビューする際に「いつか本名の藤波怜於南で戦いたい」とおっしゃっていました。今でもその気持ちは変わらないですか?
LEONA「変わらないですね。デビューした時に『今日からお前はLEONAだ』と父や周りの誰かに言われたわけじゃなく、自分で決めたんです。さっき言った通り、父があれだけバリバリで、元気にリングで立っている。ファンの人たちも未だにフレッシュに藤波辰爾を追い続けられるわけじゃないですか。だから、目に見える形で自分の気持ちを表現するためにどうしたらいいかなと考えた時に、自分がここだというタイミングで本名に戻せたら面白いなと思って。どこに行っても触れ込みはありますから、藤波の息子だとわかると思うんですけど、仮にそういう予備知識がない人が試合を見た時に『LEONA』という存在を覚えてもらいたいなとその頃に思ったんです。でも、フタを開けてみたら、藤波という名字が隠れてて、いつかそれを付けたら、自分の中でもハッピーだし、ファンの方にもいろんな段階を見てもらえるかなって」
――そのタイミングはまだ遠い感覚ですか?
LEONA「でも、遠い遠いと言って、そのうちにというわけにはいかないんで。思うのは、父にもレスラーとして認めてもらって、同じ時代に藤波が2人いるシチュエーションを作らないとダメですよね。10年後、20年後に頑張ってトップを張りますなんて悠長なことは言ってられないですから。日本で親子対決という例はあまりないじゃないですか。もし“藤波vs藤波”の戦いが、本当に父に認めてもらえた上でやれたら……。今の段階で、父は絶対に『お前となんかやらないよ』と言うでしょうけれど、そういうものをいつかファンの人に見せられたら面白いですよね。自分のそういう思いやアイディアはこれから積極的に行動に移していかないと。自分の中での鮮度も落ちてきてしまうんで」
――新しいことにチャレンジしていくためにも、復帰戦は本当に大事な試合になりますね。
LEONA「自分が戻ってきたからには、プロレスラーとしての強さを見せる機会にしなきゃいけないと思います。怪我して休んでいたんで、皆さん暖かい目で見てください……そんな気持ちではリングに上がらないので。レスラーとしての強さ、そして自分がチャレンジしていく姿を見せなきゃなって」
――1年3ヵ月という長期欠場から復帰するにあたって怖さはありますか?
LEONA「これはデビュー前から父に何度も言われていた言葉なんですけど、『プロレスに対する恐怖心を絶対に忘れるな』と。『プロレスラーがリングに対する恐怖心を忘れた時に、プロレスの試合は一気につまらなくなる。そんな試合をお客さんは見たいと思わない』と言われたんです。『そういう怖さを抑えて向かっていく闘争心があるから、ファンは集中してリングを見てくれるんだ。その恐怖心がない戦いはプロレスじゃない』って。この1年3ヵ月休んだことで、そういう思いはより大きいものになりました。だからこそ、ただ復帰するだけじゃダメだと思っています」
――復帰後の試合出場については?
LEONA「まだ何も決まってないですね。怪我で欠場してしまった団体については、当然、自分の気持ちの中でそのままじゃいけないという気持ちもありますけど、とにかくゼロベースからの再スタートなので、そこに飛び級はないですから。プロレスって飛び級があるようで、実はないと思うんです。皆さん、実力を作って評価されることが、結果として飛躍になっているわけで。全てを見逃さずにチャンスを獲りにいこうと思います」

LEONA
『RAGING OUTLAW TOUR IN TOKYO~HIRO SAITO 40th ANNIVERSARY~』『RAGING OUTLAW TOUR IN OSAKA~HIRO SAITO 40th ANNIVERSARY~』
ドラディション『RAGING OUTLAW TOUR IN TOKYO~HIRO SAITO 40th ANNIVERSARY~』『RAGING OUTLAW TOUR IN OSAKA~HIRO SAITO 40th ANNIVERSARY~』

アーティスト

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • the Homeground
  • Key Person
  • 気になるワードでディグる! 〇〇なMV
  • PunkyFineのそれでいきましょう!~V-MUSICジェネシス日記~

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada(PRIZMAX) / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • Yun*chi / 「Yun*chiのモヤモヤモヤ」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • エドガー・サリヴァン / 「東京文化びと探訪」
  • V-MUSIC

新着