【RUSH BALL 2018 クイックレポ】『
RUSH BALL』の顔・Drangon Ashが2日
目のトリで魅せたロック魂

RUSH BALL 2018 Dragon Ash
2日目、メインステージのトリを飾るのは『RUSH BALL』にとって欠かせない存在のDragon Ash。1999年に行われた『RUSH BALL』初年度から出演し、これまでに出演した回数は14回と最多。1曲目「陽はまたのぼりくりかえす」、《Friend clap your hands,Friend put your hands in Air!》のリリックの通りに両手を掲げハンズクラップで音に応えるオーディエンスたち。ATSUSHI(Dance)、DRI-V(Dance)の2人の優美な動きも楽曲の世界観に温かさを添える。BOTS(DJ)のDJテクニックが楽曲の勢いを加速させ、HIROKI(Gt)の圧倒的なセンスから生まれる繊細なメロがさらに印象強くなる「Mix it Up」。Kj(Vo/Gt)の「頭ぶっ放せ!」の言葉やKenKen(Ba)の打ち出すリズムに煽られ、オーディエンスが次々にモッシュ&ダイブを決め込んでいく。
Dragon Ash
KenKenが満面の笑みを浮かべるなか、続いて披露されたのがhideの代表曲のひとつでもある「ROCKET DIVE」。今年6月にhideの最新トリビュートアルバムがリリースされたのだが、そこにDragon Ashが同曲で参加。その参加理由は6年前に逝去したメンバー·IKUZONEの存在が外せない。ライブ中、アンプの上にhide人形を置くほど彼を敬愛していたIKUZONEを知っているからこそ、この曲の披露には涙が止まらなかった。もちろん、原曲のイメージは残しつつもDragon Ashのカラーを取り組んだ楽曲は初めて聴くだろうオーディエンスさえもしっかりと巻き込んでいく。
Dragon Ash
ライブ中盤は「The Live」「Jump」と、ライブの楽しさを存分に味わえるナンバーを披露。Kjは同じ日にライブを行う予定だったThe BONEZへ気持ちを捧げるように、そしてバンドのファンを労うようにタオルを掲げ、Tシャツに描かれたバンド名をスクリーンに映し出す。前のBRAHMAN·TOSHI-LOWが細美武士を親友と呼んだように、Drangon AshにとってRIZE、そしてThe BONEZもそれと同じ。「オレたちの大好きなライブハウス、ロックフェスへ向けて歌った曲。今日はThe BONEZへ」と、続いて「百合の咲く場所で」を披露する。桜井誠(Dr)のバンドの圧を底上げするビートに乗せられ、大盛り上がりを見せるオーディエンスたちを見て、「夏フェスはオメーらのもんだ!」と、嬉しそうな表情を見せるKj。
Dragon Ash
Dragon Ash
最終曲「Fantasista」、アグレッシブさを増した楽曲にメンバー全員が荒ぶるようにそれぞれの音を主張する。KenKenはIKUZONEのシャツをステージ前方へ持ち出し、共に演奏するようにプレイ! ラストに向けて勢いが増すなか、ステージにTOSHI-LOW、細美武士、TOTALFATのShun、Buntaが乱入しお祭り状態に。親友がその場にいずとも、仲間がいる、そんな関係性に思わず心がほっこりしてしまう。「RUSH BALLオールスターズでした!」、Kjがそう最後に言葉にしたのも頷けるステージだった。
Dragon Ash
アンコールではKjが『RUSH BALL』への思いを改めて語る。10代の頃から本イベントへ出演してきた彼ら、バンドの存在を応援し続けてくれた『RUSH BALL』の創始者である故·横井氏へ、そして思いを引き継いだプロデューサー·力竹氏へ感謝の気持ちを伝える。そして、「お互い、音楽をかすがいに末永く生きていきましょう」と「Viva la revolution」へ。ミクスチャーロックの雄として、日本のロックシーンの先頭で活躍し続け、つねに圧倒的なパフォーマンスで観る者を虜にしてきた彼ら。この日のライブはいつにも増して頼もしく、これからも『RUSH BALL』で彼らのライブを体感したいし、もっともっとライブハウスへ足を運ぼう、そう思えるステージだった
「RUSH BALL」2日目も最高の音楽で締めくくってくれたDragon Ashに、観客からは大きな大きな歓声が送られ続けた。

文=黒田奈保子 撮影=河上良
Dragon Ash

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