花總まり「いい意味で期待を裏切りた
い」情熱的なカルメンに再度挑む!ミ
ュージカル『ロマーレ』制作発表レポ
ート

2018年2月14日(水)、都内にて「ミュージカル『ロマーレ』~ロマを生き抜いた女カルメン~」の制作発表が行われた。この日の会場は、本場スペインの雰囲気そのままにフラメンコショーが楽しめるレストラン「タブラオ・フラメンコ・ガルロチ」。大勢のマスコミ関係者とオーディエンスが待ちわびる中、主演の花總まり、松下優也伊礼彼方、KENTARO、太田基裕、福井晶一、団時朗ら主要キャスト陣と、演出・振付を手掛ける謝珠栄が登壇した。
本作は、19世紀に発表されたメリメ原作「カルメン」をベースとした物語。ジプシー(=移動型民族)と呼ばれるロマ族のカルメンが当時の社会をどのように生き抜いてきたか、小説やオペラでは表現されていない深い部分まで、演出・振付担当の謝珠栄の視点で描かれる。
主人公のカルメン役は花總まり。宝塚時代に『激情-ホセとカルメン-』(1999年)でカルメン役を務めた彼女が、再び同じ人物を演じることでも話題を集めている。なお、『激情』も謝が演出・振付を手掛けた作品だ。カルメンに翻弄されるホセ役には、俳優から歌手までマルチに活躍する松下優也が抜擢された。
この日は二つの楽曲を披露。まず1曲目は花總、伊礼、KENTARO、太田、福井による「流浪の民」。マントに身を隠した男性陣が重厚なハーモニーを奏で、そこに花總の気高くも力強い歌声が重なる。民族音楽を彷彿とさせる独特のメロディーに乗せ、ロマ族として生まれたことへの誇りを胸に誓う。
2曲目は花總、松下によるデュエット「すれ違う心」。赤いドレスに身を包んだ花總と、軍服をかっちりと着込んだ松下、その佇まいからもカルメンとホセが対照的な存在であることが分かる。真っすぐ前を見据えた花總に問いかけるような、松下の甘い歌声がよりいっそう切なさを増長させた。
制作発表では、謝が「光ではなく影の部分に興味があります。ホセとカルメンの愛の絆についてもっと知りたいと思ったし、ホセの情熱を感じました。今回は新たにロマ族としてのカルメンを描くことで、今までよりもっと深くカルメン像を探っていきたいと思います」と作品の構想を明かした。
花總は「カルメンを知り尽くした謝先生のもとでカルメンという女性像をもっと深く作り、いい意味で期待を裏切っていきたいです」と意気込みを語る。真っ赤なドレスを身に纏った風貌については「自分でも新鮮。ちょっと……だいぶ楽しいです」と笑顔を見せた。松下は緊張した面持ちながらも「自分で言うのもなんですがこの中では若い方だと思うので、若いパワーでやっていけたらなと。稽古場では熱量とスピード感を感じているので、付いていけるようにがんばります」と頼もしい言葉を聞かせてくれた。
ホセの上司であるスニーガ中尉役の伊礼は「役者人生で初の髭を生やしています、いやらしいドスケベな役です。少し前まではホセのような若いポジションだったけど、これからはヒーローからヒール(悪役)にシフトチェンジして、生理的嫌悪を感じていただけるような役作りをしていけたらと思います」と笑いを交えながらサービス精神たっぷりに挨拶。伊礼のコメントを受けて、カルメンの夫・ガルシア役のKENTAROは「僕はヒーローをやったことがないので根っからの悪役です(笑)。ロマの一族としていかに生き続け、さすらい続けるかをテーマに、ボス感満載でやっていきたいです」と存在感を見せつけた。
イギリスの貴族であるローレンス役の太田は「素晴らしい先輩方がいらっしゃるので、たくさん学びながら自分らしいローレンスを演じていきたいです」と謙虚にコメント。カルメンが生きた時代から50年後、彼女の足跡を辿るフランス人学者・ジャン役の福井は「ジャンという役は謝先生ご自身なのだと言われました。お客様と舞台を繋ぐ役割を担っています」と役どころを明かした。50年後の世界で出会う、カルメンを知るという謎の老人役・団は「若いエネルギーに満ち溢れていて、これはおもしろいことになるだろうと思います」と期待感を滲ませた。
取材・文=堀江有希
公演情報

ミュージカル『Romale(ロマーレ)~ロマを生き抜いた女 カルメン~』

■出演:
花總まり/松下優也/伊礼彼方/KENTARO/太田基裕/福井晶一/団時朗
一洸/神谷直樹/千田真司/中塚皓平/宮垣祐也
■演出・振付:謝珠栄
■台本・作詞:高橋知伽江
■原作:小手伸也
■音楽監督・作曲:玉麻尚一
■作曲:斉藤恒芳
■公式サイト:http://www.umegei.com/schedule/666/

<東京公演>
■会場:東京芸術劇場 プレイハウス
■日時:2018/3/23(金)~2018/4/8(日)
■アフタートークショー
・3月29日(木))13:30公演終了後 登壇者/花總まり 松下優也
・3月30日(金)13:30公演終了後 登壇者/松下優也 伊礼彼方 KENTARO 太田基裕

<大阪公演>
■会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■日時:2018/4/11(水)~2018/4/21(土)
■アフタートークショー
・4月12日(木)13:00公演終了後 登壇者/松下優也 伊礼彼方 KENTARO 太田基裕
・4月13日(金)13:00公演終了後 登壇者/花總まり 松下優也

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