「きみの声をとどけたい」三森すずこ
が6人の新人の芝居に感じたこと 「
過去の自分に『反省しろ!』と言いた
いです(笑)」

 8月25日公開のオリジナル劇場アニメ「君の声をとどけたい」。夏の湘南を舞台にした女子高校生7人の青春ドラマを、彼女たちの歌を交えながらさわやかに描いている。新世代声優を発掘する「キミコエ・オーディション」の応募者約3000人から選ばれた6人の新人声優ユニット「NOW ON AIR」とともに、主要キャラクターの矢沢紫音を演じた三森すずこに、本作への思いを聞いた。
――三森さんは、「キミコエ・プロジェクト」のオーディションから「見届け人」として立ち会われていたそうですね。
三森:オファーをいただいたときは、見届けるほどの先輩でない私がと恐縮しましたが、オーディションを受けた方々は皆さんとても個性的で、どの子が選ばれるのだろうと毎週楽しみにしていました。選ばれた6人は、お芝居がとても素敵で、歌もすごく上手く、次世代の声優という感じがして、自分ももっと頑張らなければと思ったことを覚えています。
――紫音役として映画に出演することを知ったのは、どのタイミングだったのでしょう。
三森:オーディションが佳境をむかえていた頃だったと思います。初めて作品のキービジュアルを見せていただいたら7人の女の子が並んでいて、「三森さんはこの役です」と言われて。「え、いいんですか?」と申し訳なく思いながらも、「ラッキー!」という気持ちもありました(笑)。
――紫音を、どんな女の子だと感じられましたか。
(c) 2017「きみの声をとどけたい」製作委員会三森:他の子と比べて表情が暗いですし、見た目もムスッとしていますよね。「事情があって、現実に諦めを感じているような子です」とスタッフの方から説明をうけて、自分とは真逆の人間だなと感じました。しかも、この子はお話のなかで重要な役どころを担っています。これは責任重大だと思いました。
――役にたいして、どのようにアプローチされたのでしょうか。
三森:学生時代の妹はこんな感じだったなと思い出しながら演じました。見た目も、ちょっと静かなところも妹に似ていたんです(笑)。ぶっきらぼうで、不器用なタイプというんですかね。本当はみんなとワイワイやりたい気持ちもあるけれど、なかなか輪に入れずツンとしている。そういうところは昔の妹を参考にしながら、暗さや冷たさのなかに、そこから抜け出したい感情がにじみでるようにできたらなと思いました。
――三森さんは明るい声の印象が強いですが、陰のあるキャラクターの声もとてもあっているなと思いました。
三森:有難うございます。デビュー直後の頃、キャラソンを録っているときに、「三森さんの声は明るいけれど、哀しさを秘めていますね。ときどき泣き声みたいに聴こえます」と言われたことがあって、今でもときどき思い出します。最近、陰のある役をやらせていただくことも多いですし、自分でもそうかもしれないと思うときがあります。とてもやりがいのある役でした。
――「NOW ON AIR」の6人と一緒に演技をするにあたり、気をつけたことはありましたか。
(c) 2017「きみの声をとどけたい」製作委員会三森:この子達と同い年の役をやるのは、すごくプレッシャーでした。なぎさ役の片平(美那)さん、雫役の岩淵(桃音)さんのふたりは現役高校生なんです。とくに紫音はなぎさと会話をするシーンが多かったので、なぎさの年齢感にあわせた声にしようと心がけました。
――アフレコは、どのように進められたのでしょう。
三森:「NOW ON AIR」の皆さんは4日間やられていて、私は最後の1日だけの参加でした。私が来る前に、なぎさの祖母役の野沢雅子さんがいらっしゃっていて、アフレコブースに入ったら、みんな端のほうにギュッと寄っていました(笑)。アフレコは、良い意味で緊張した空気感でした。皆さんすごく集中していて、まっすぐにぶつかってくるので、「私も全力でこたえよう」という気持ちになりました。とにかく恐ろしいほどのピュアさで、ぶつかってくるんです!
――どんなところに、ピュアさを感じられたのでしょうか。
三森:声質が、もうピュアそのものなんです。紫音はでていませんが、幼いなぎさがおばあちゃんと話す冒頭の場面や、みんなで会話をしている場面のアフレコの様子を眺めていて、そう感じました。もちろん彼女たちは役を演じているのですが、実際にキャラクターがその場にいて話しているような感覚があって、芝居に嘘や無理のようなものがないんですよね。「このときこう思ったから、こう言った」という風にやられているのがとても新鮮でした。

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