【木村カエラ】『KAELA WEB TOUR 20
12』2012年3月6日 at 日本武道館

ニューアルバム『8EIGHT8』のツアー追加公演として行なわれた、日本武道館3デイズの最終日。アルバムのキャラクターとなっている“悪夢を食べるスパイダー”を模したステージセット、蜘蛛の糸をイメージさせるレーザーを多様したライティング、袖に蜘蛛の巣をあしらったカエラの黒の衣装…視覚的にも『8EIGHT8』の世界観を演出し、“今日は私と（セットを差しながら）この蜘蛛くんが、みんなが普段抱えている心配とか、不安とか、嫌なこととか、悪い夢とか全部食べてあげるから”と宣言。『8EIGHT8』の楽曲を中心としたアッパーなメニューで観客を加速度的に高揚させ、気付けば武道館が狭く感じるほどに一体感があり、解放感に満ちた笑顔があふれていた。そんな中、“ちょっと真面目な話をしていいかしら”と今回のアルバムには3つのコンセプトがあると語ったカエラ。ひとつ目は人との無限のつながり、ふたつ目は素直に“ありがとう”と言える心、3つ目が人はひとりぼっちではなく、辛い時こそ誰かがちゃんと見てくれているということ。その後、“ありがとう”という言葉が歌詞にある「チョコレート」や、誰もひとりぼっちではないとメッセージする「orange」を披露するなど、3つのコンセプトがさまざまな楽曲や演出によって、ライヴという空間の中で表現されていく。そして、“私に負けないように暴れてねー”と「You bet!!」からラストスパートがかかると、より場内の一体感は強く、アツいものとなり、途轍もないエネルギーが場内を占拠した。サウンドによるドキドキ感やワクワク感、リリックがもたらす共感と共鳴、全身で受け取った8000人のパワーなどによって、日常の中で心に溜まっていた黒いのものが浄化された感覚を覚えたのは、きっと僕だけではないだろう。