【Tiara】自分の心と向き合うきっか
けにしてほしい
5月に1stアルバム『Message for you』をリリースしたTiaraが早くもニューシングルをリリース! その新作は、今は辛い日々を送っていたとしてもいつかは楽しいことが待っているというTiaraからの応援歌となっている。
取材:高木智史
1stアルバム、初のワンマンを経ての今作は、新たなスタートを切るためのとても大事な作品だと思うのですが、コンセプトなどはすごく考えましたか?
そうですね。メッセージであったり、トラックに関することだったり、スタッフのみんなも一緒になってすごく考えました。で、私は何を歌っていけばいいのかなって思った時に、今ってすごく不安定な時代というか…派遣切りをされて、すごく悩んでいる友達もいて。で、そういう経済的な部分だけでなくても恋愛だったり、身体的なことだったり。そんな友達だったり、周りの人に私は何ができるかなって思ったんです。でも、大したことはできない…私には歌うことしかできないけど、その歌で何かを伝えたいなって思って、この曲を作りました。
そして、タイトルは“ヒカリ”。それはいろんな人の生きる道を照らすことができるような歌を目指して?
歌詞を書いている時は、友達の隣で悩みを聞いているような感覚で書いたんです。ある友達をモデルにして書いたんですけど、その子の側で、ほんとにふたりで部屋で話しているような、“大丈夫だからね”って言ってるような感覚で書いたので聴いてくれた人が私を身近に感じてくれたらうれしいですし、そういうふうに捉えてもらいたいですね。タイトルについては歌詞の中で、一番強く光ってる言葉から“ヒカリ”と付けました。
その友達とふたりで話しているような感覚というのはヴォーカル面でもすごく感じました。
特にAメロに関してはモデルになっている子が目の前にいることを想定して歌っていたので、Bメロとかサビにはないニュアンスになっていると思います。
いろんな人に向けた広い間口の歌ですけど、パーソナルな面もあって、歌詞の内容とかニュアンスは難しくなかったですか?
説教臭くならないようには意識しました。でも、メッセージ性は持たせたかったので、そのバランスはすごく難しかったです。歌詞も何度も書き直しましたし、難しかったですね。
以前のインタビューでTiaraさん自身もデビュー前はすごく苦しい時期があったとおっしゃっていただけに、そんな経験や気持ちが反映されているように思えて、説得力を感じました。
そうですね。やっぱり涙を流さなければ、喜びも分からないと思います。私はすごく長い下積み時代があって、その当時は仕事もなくて、お金もなくて、何をしたいのかも分からなくなったりしてとても辛かったんですけど、その経験が身になっていて、そうやって頑張ってきた結果、今はすごく楽しいんです。だから、現時点で不安を抱えている人がいても、絶対楽しい時期がくるよっていうのが私の経験を通して伝えたかったことでもありますね。
そう伝えることが一番最後の“いつかキミが光となって 誰かの心を きっと照らす日が来る…”という歌詞につながりますよね。
一番そこが聴いて頂いた方に伝えたいことですね。というのは、そういう連鎖が起こったらいいなと思っていて。この曲を聴いた人が、次に不安を抱えている人に“ヒカリ”を与える側になって…そういう連鎖がどんどんどんどん続いていったらいいなと思います。生きていると日々、悲しいこと、切ないこと、いろんなことがあると思うんです。いつもは平然としている人も実はすごく大きな悩みを抱えていて、部屋でひとりになった時に装ってた自分を取り外して、辛さで涙を流していたり。でも、その涙は絶対無駄じゃないから、この『ヒカリ』を聴いて、自分の心と向き合うきっかけにしてくれたらうれしいですね。